2023年5月27日土曜日

踊り明かそう

1964年公開 オードリーヘップバーン主演のミュージカル映画「My Fair Lady」

海外へ行くなら、この映画で、ヘップバーンといっしょに英語の発音練習をするのはいかが?

The rain in Spain stays mainly in the plain

ヘップバーンが演じる下町娘のイライザは、「スペイン」を「スパイン」としか発音できなかったが、彼女を社交界にデビューさせようとする言語学者のヘンリーの特訓を受けて、正しい発音を身につけていく。やっと発音が出来た日、ヘンリーの期待に応えられたことと、紳士・貴婦人の集う華やかな世界を想像して興奮したイライザが、今夜は眠れない、一晩中だって踊り明かせると歌うのがこの曲。

聞き覚えのある曲がいくつも歌われる映画の中でも、この曲は、オープニングやエンディングでもながれるテーマ曲。背中の翼を拡げ、宮殿でも舞踏会でも、どこへでも飛んでいけそうな名曲です。

秋の定期演奏会で演奏予定。

2023年5月21日日曜日

レッスンの本気化

 8月の発表会で、弦カルの発表ができないという事態に備えて、ソロの発表のための曲を用意しておくということで、テレマンのヴィオラコンチェルト第2楽章にレッスンを付けていただくことになった。先週に引き続きのレッスン。あまり練習時間は確保できていないが、テンポの方は順調に上がってきて、ほぼオンスピードになっている。

 しかし…

 もう発表会まであと1ヶ月というところなら、先生も細かいことを仰らないのだが、こうして出来上がってくると、細かな、しかし大切なところに指導が入り始める。レッスンが「本気」になってきたような気がする。

 先週のところでは、ファにシャープが付くところとか、ドにシャープが付くところを、きちんと、ナチュラルのファやドと区別して弾きましょう、というご指導だったので、その点は注意をしていったのだが、それがチャープに聞こえない、と仰る。その音に来た時に演奏を止めてチューナーを確認すると、確かにシャープが付いているのだが、そうは聞こえない。その原因は「ミ」だという。例えば出だしのこのフレーズ。

ソシレソー #ファミレミ#ファソ ラソ#ファミレドー シラシ

なのだが、最初の「#ファ」を高めにとったときに、つられて次の「ミ」も高くなっているので、ファにシャープが付いているように聞こえないというのだ。いままでの自分の経験でいうと、かなり意識的に「ミ」を低めにとっていい加減。先生が

そうです。その音です。

と仰ったときは、確かに明るい音階になっているように聞こえる。これを聞き分けないといけないのか。

 ほかにも、このフレーズの後半。

ドラ シソ ラ#ファ ソミ ラ#ファ シ#レ

 G線とD線を交互に弾かないとダメなのだが、そのとき、G線で押さえた指を完全に離すのではなく、D線を弾いている間にG線からD線にスライドさせて、予め押さえておく。

 どっちもファーストポジションで弾いているフレーズだ。

 ファーストポジションを侮ることなかれ。曲だと思わず、エチュードだったり、練習用の旋律だと思って何度も繰り返し、自然と体が動くようにしてしまわないと、とてもじゃないが、いちいち考えながら弾いている暇はない。

 それにしても、いまさら、なのだが、それもこれも、いつも発表会直前まで曲を通して最後まで弾くことが出来ず、こういう指導をしたくてもできなかったのだろうと思う。こういうご指導をいただいたというだけでも、心を入れ替えた甲斐があったというものだ。


2023年5月14日日曜日

こころを入れ替えて

 前回までのあらまし。

 8月の発表会に向けて準備をしていかないといけない。レッスンは、ソロのレッスンと、アンサンブル(弦カル)のレッスンがあるから、それぞれ何を発表するかを決めて練習。それと、レッスンとは直接関係ないのだが、他の楽器との変則三重奏を出し物的に。

 そうなると、ひとりで3つもステージを踏むことになるので、まずはソロを後回しにして、弦カルと変則三重奏を優先的に練習していたのだが、弦カルの他のメンバーが発表会に後ろ向きなので、これは直前になって「出ない」ということになるかも。変則三重奏はあくまでも「出し物」なので、これだけという訳にはいかない。

 ところが、ソロは後回しにしていたので、前回のレッスンではまったく箸にも棒にも掛からなくて、さてどうしたものか。

 それで、そのあと心を入れ替えて、弦カルを後回しにしてソロの曲の練習に励む。ヴィオラ弾きにはお馴染みのこの曲だ。

 前回のレッスンでは、とにかく、最後まで通して弾ける速さでしっかり通す、というご指導だったので、八分音符ひとつ88ぐらいの速さから練習。弾けないところは繰り返し練習する。そういえば、前の先生が、間違えたところは10回続けて間違いなく弾けるようになるまで繰り返すんだということを仰っていたなぁ、と思い出して、そういうつもりで練習する。ただ単に繰り返すだけだったら間違える練習をするだけなので、なんで間違えたのかを考えながら、とにかく3回続けて弾けるようになるまでは次のフレーズに行かない。そんなことをしてきた。回数は1/3以下になっているけど、趣旨は引き継いでいるつもり。

 なんとかそれが出来るようになってきて、速さを少しずつ上げていく。88から96へ。レッスンの前には112ぐらいまで。

 そんなこんなで臨んだレッスン。最初に通してみて、「だいぶ練習されてきましたね」とお褒めいただく。「発表会出られるかもしれませんね」。

やったー

 音程の甘いところを何箇所か指摘される。ト長調なので、基本的にファにはシャープが付くのだが、ところどころ移調してナチュラルになるところがある。そこがナチュラルに聞こえない。特にD線で弾くところ。A線で弾くドにシャープが付いているように聞こえるところがある。3ポジに上がってD線で弾くシにフラットが付いているように聞こえるところがある。いちおう通せているからこその指摘だと思う。いままでは、そんな音程以前の問題だった。

 動画では、最後はソロの方は所在なさげに立っておられるだけなのだが、手元の楽譜では、この部分でヴァイオリンと同じメロディを弾くようになっている。超絶ハイポジション炸裂なのだが、ここの音程が取れない。5ポジは指だけで音をとるのではなく、肘から取りに行く。練習の仕方もみっちりご指導いただいた。

 弦カルの発表が無事にできれば、次回の発表会では取り下げるかもしれないけれど、いずれ弾くかもしれない。もちろん、弦カルがキャンセルになればこの曲で8月の発表会に出ることになる。引き続き、こころを入れ替えて練習に励まなければ。


2023年5月9日火曜日

崖っぷちのソロ

 そんな、こんなで、後回しの後回しになっているソロの練習。まだ曲も決まっていない。先月22日のレッスンの前に、何か「これは」と思える曲で、なんとか3か月余りで仕上げられるものがないかと考えて、テレマンのヴィオラコンチェルト2楽章を付け焼刃で練習していく。付け焼刃と言っても、過去に一度レッスンを付けてもらっているので、まったく初めから、という訳ではない。何とかなるだろう、と思っていたのだが、それが何ともならない。レッスンで見ていただいて、今回はソロの発表をやめるか、もっと簡単な曲で、などと言われてしまう始末。

 いや、先生に言われるまでに、ソロの発表を見送った方がいいかもとは思っていた。今度の発表会では、まず変則三重奏の「出し物」があって、弦カルの発表もある。そこにさらにソロもとなると、かなり出ずっぱりになってまう。自分だけの発表会ではないので、あまりそういうのも良くない。

 ただ、変則三重奏は、あくまでも「出し物」で、ほかにちゃんとした発表があってこその「出し物」。これに全力を掛けるわけにはいかない。だれが決めたわけでもないが、そういうのが3人の間では不文律になっている。

 弦カルをしっかり発表して、そのうえで変則三重奏というパターンはありだと思うのだけれど、その弦カルが、ドタキャンになるかもしれない。4人のうち誰かが「やめよう」と言えば無理強いすることもできない。

 こうなると選択肢はふたつ。

 簡単な曲でソロの発表に臨むか、心を入れ替えてテレマンのレッスンを受けるか。簡単な曲と言えば、たとえば、弦カルで没になったジブリの曲を弾くとかいう選択肢もあるのだが、どうしても、簡単な曲でまとめてきたよね、という印象になってしまう。テレマンもぜんぜん弾けない訳ではないから、まずはこっちか。

2023年5月8日月曜日

弦カルの発表会に向けて

  スタジオでアンサンブル・レッスンをしていただいている弦楽カルテットの方も、8月の発表会に向けて始動しはじめた(この言い方からして、ほんのちょっとしか進んでいないのはわかっていただけると思うが)。

 こちらの方は3月に先生主催の発表会を終えているので、次は何の曲をしましょうか、というところから始まる。日が迫っているので、そんなに難しい曲は無理なのだが、そこは怖いもの知らずでいろんな候補が上がってくる。候補を上げるからには楽譜があることが前提だ。だから、候補が上がった段階で楽譜が配られる。

 先月の22日に、発表会後初めてのレッスンがあったのだが、そのときまでに、配られた楽譜をひととおりさらっておく。こちらも昨日の記事の変則三重奏同様、ひとり1パートなので、落ちる訳にはいかない。最低限、落ちても戻れるようにしておいて、自分の所為で演奏が終わってしまうことのないようにしておかないといけない。22日までの段階では、おそらくこれが第一優先順位だったと思う。アマオケの定期演奏会よりも先に本番がくるし、ひとり1パートだし、変則三重奏のような「出し物」(と言っても真剣にやるからこそいいのだが)ではない。

 結局、レッスンで難しい曲はどんどん候補から外れて、クラシックの曲(クラシックの曲をもとにアレンジしているものも含む)3曲になった。

 まず、有名な「G線上のアリア」の元になった、バッハの管弦楽組曲3番の第2曲。もちろん組曲を全部やったら大変なのだけれど、アリアだけならなんとかなるような気がしないでもないように思ったりしている。

 次に、ホルストのジュピター、というより平原綾香のジュピター。確かアマオケでも同じようなアレンジで弾いたことがある。まったく同じではないと思うけど。

 そして、シベリウスのアンダンテ・フェスティーボ。これは先生からいただいた曲なのだが、偶然にも、アマオケに入って初めて乗ったステージの最初の曲だ。

 ただ、どれも最初からみんながバッチリ弾けるわけではない。そんなバッチリだったらもうレッスンはいらないのだが、バッチリ弾けなかったというので、すっかり落ち込んでいる人もいて、「4ヶ月で発表会なんて無理だ」などと決めつけておられたりする。とりあえず、レッスンで見てもらう曲としてはこの3曲で決まったのだけれど、8月の発表会はドタキャンになる可能性も出てきた。

2023年5月7日日曜日

宇宙戦艦ヤマト 変則三重奏

 記譜ソフトというのはなかなか便利なもので、結構、重宝している。ふだん使っているのはMuseScoreというフリーのソフトなのだが、フリーなのに結構、高機能だ。よく使う場面としては、アマオケの先生が書いてきて手書きの楽譜の浄書なのだが、練習用の音源を作るときなんかにも使っているという話は前の記事に書いた通り。

 今回もこのソフトを使った話。

 スタジオの発表会が8月にあることが決まったので、まったくジャンルの違う楽器を弾いている中年男性3人が、なにか「出し物」をしようということで、曲を物色。その3人が弾いている楽器がヴィオラ、クラリネット、マリンバという組み合わせなので、ヤマハのぷりんと楽譜を物色したところで見つかるはずもない。それで、いつもまず候補曲を決めたら、その曲の合奏譜を手に入れ、それをもとにこの変則三重奏用にアレンジするという作業。そこでもMuseScoreが活躍する。

 今回は2曲の候補があった。ひとつは1990年ごろのJ-POPで、ピアノ伴奏でクラリネットを吹く楽譜があって、そこからアレンジしたのだが、ピアノの左手がずっとアルペジオを刻んでいて、その軽快なリズムはマリンバ以外になさそうで、そうするとヴィオラはピアノの右手と、役割がはっきり決まってしまって、アレンジは楽だけれどあまり面白いアレンジにはならなかった。

 宇宙戦艦ヤマトは、弦楽四重奏の楽譜を入手して、まずMuseScoreで写譜。フラット3つのハ短調だったので、2度上げて、フラットひとつのニ短調にして、主旋律を各楽器に振り分け、残りの楽器は、主旋律以外のパートから、音の重ならないフレーズをとってくる。なかにはふたつのパートの美味しい処取りというハードなところもあるが、まあまあそれらしくアレンジは出来た。

 音を出してみて、なんとなくおかしいところはあるのだが、どう治せばいいかよくわからず、とりあえず残りの二人にみてもらって、あそこはこう、ここはこれ、と修正を入れる。練習を始めればまた修正が入りそうだけれど、まずはこれで練習を。

 これも、アレンジするのに精いっぱいで、昨日やっと自分が作ったパート譜をプリントアウトして練習し始めたところ。なにせ3人だから無駄なパートはひとつもない。簡単な曲だと思って侮ってはいけない。練習しなきゃ、本番で嫌ほど後悔するんだよねぇ。

 ちなみに宇宙戦艦ヤマトの好きなアレンジはこれ。

 いままで2回、生で聴いている。ヴィオラ弾きには堪らない。楽譜を探しているんだけど、これは見つからない。

2023年5月6日土曜日

変拍子

 発表会の準備を最優先するためにいろいろ滞っていた案件をなんとかしなければということで、まず取り組んだのは、アマオケの定期演奏会で弾く予定の曲のうち、なかなか練習が進んでいない曲の練習。特に進んでいなかったのは、John Rutterという、現在も現役で活躍しているイギリスの作曲家の曲。その中でも、変拍子になる曲が特に難しくて、みんな苦労している。

 まずは、6/8拍子と3/4拍子が交互に出てくるこの曲。



 聴いていて特に違和感はないのだが、弾いてみるとこれが超絶に難しい。 6/8拍子と3/4拍子って、約分したら一緒じゃん、なんて思うことなかれ。6/8拍子というのは
ズパパズパパ
というリズム。「ズパパ」を1拍としたら、3連符が続く2拍子ということになる。3/4拍子はお馴染みの「ズンタッター」のリズムなのだが、この曲では各拍で裏拍をとってくるので
ズパズパズパ
というリズムになる。この裏拍というのが難しい。ドリフのコントで、いかりや長介が「ダメだこりゃ」といったあとに流れる
ズパパ ズパパ ズパ ズパ ズパ パー
のリズムなのだが、この「パ」のところだけ音を出すというのは意外と難しい。

 次に難しいのが5拍子。



  5拍子というのは、12312と拍をとるものらしい。それで、苗字が3文字、名前が2文字の有名人の名前を唱えながら拍をとるのだが、「浅香唯」とか「倉木麻衣」とか、最近あまり見ない人の名前ばかりが出てくる。最終的には
ヒロセスズ
に落ち着く。

 それはどうでもいいのだが、毎週の練習だけでは「今日も合わなかったなぁ」で終わってしまうので、何としてもちゃんと自分で練習していかないとダメなんだが、こういうのは主旋律を聴きながらとか、なにか音を聴きながら合わせる練習をしないと、練習にならない。

 そこで、パソコンで写譜することを買って出た。記譜ソフトで写譜すれば、MP3とかMIDIとかに落とせる。特にMIDIは、パートごとに音量を調整したり、速さを調整したりできるので、練習に便利だ。

 写譜というのは、その曲を理解するのにすごく役立つ。何がわかったという訳ではないが、あぁそうなっているのか、という小さな納得の積み上げで、ずいぶん、作曲者の意図というか、曲の構造というか、そういうものがわかってきた。実際に音を出してみると、弾いている分より自然な感じに聞こえる。まさかこんな変拍子だなんて思いもよらない。

 写譜している間に練習をした方が上達するのかもしれないが、いや、これはこれで勉強になった。ちょっと遠回りだけれど、やってよかったと思う。それに、練習用のMIDI音源をみなさんにお配りすることもできた。自分が練習していなかったとしても、みなさんのパフォーマンス向上には貢献している(はずだ)。

 じゃ、その音源を使った練習は?

 いや、これから、これから。