2017年4月30日日曜日

MOZARTだけはたのしく

 5月の第1回練習はGWの関係で自主練習らしいので、予定よりも1週間早く、オケ練習に参加した。その前の週にレッスンがあったのだが、オケ練習が近づいているとあって、もう『ヴィオラ名曲31選』どころではなくなっていたので、前言を翻してオケの曲を見てもらうことになった。というか見てもらうことにした。

 Allegroの曲は、もう見てもらう前に言われることは分かっているので、ゆっくりの曲を見てもらう。いちおう最後までは通せるようになったとはいえ、やや怪しいところがあるのと、全体的に音色がなんか
無理しています
って感じ満載なのだ。
 自分としては、去年から『ヴィオラ名曲31選』をやってきて、いちばん成長したと思っているのは、この「ゆっくり弾くときの音色」なのだが、それもこうしてみると幻想に過ぎなかったのかもしれない。バッハのアリオーソを弾いているときは、それらしい音色で弾けるようになったのだけれど、それはそればっかり練習するからで、こうして他の曲を弾いてみると何もできていない。いや、これであと2か月、バッハのアリオーソを弾かない日が続くと、バッハのアリオーソではちゃんとした音色が出るようになったという事実もなかったことになってしまうのだろう。やはり基礎は大事なんだ。杭が岩盤に届いていないマンションは、いくら立派に見えても傾く。

 オケで弾くMozart の "Exsultate Jubilate"は急緩急の構成。第1楽章の課題は指が回らないこと。もう、これについては、レッスンで何度見てもらっても
ゆっくり何回も練習して少しずつ速く弾けるようにしていくこと
としか言われないので、第2楽章の緩楽章を見てもらう。そしてフィンガリングを何箇所か直してもらった。
 オケなので、フィンガリングはみんな揃っている方がいいのだが、2年前の経験では、少なくともヴィオラはボウイングも合っていなかった。他のパートがボウイングを揃える相談をしている時間を、ヴィオラだけはパートの結束を固めるための雑談に使っていたので、上げても下げても誰かには合わせられるという状態になっていた。昨年、観客として見たときは、少なくともボウイングは合っていたので、知らない間にずいぶんグレードアップしたのかもしれない。
 その間、こっちも『ヴィオラ名曲31選』で音色トレーニングをする中で、移弦によって音色が変化するのを防ぐために、ポジション移動を結構、多用するフィンガリングをしてきた。音程はかなり怪しいが、ポジション移動に対する抵抗感はかなり減っている。3ポジの4指で苦労するところは、以前なら1ポジに戻してさっさと移弦していたところなんだが、先生から5ポジに上がるように言われると、いちおうそれで試してみよう、ぐらいには思えるようになった。それでフィンガリングが安定すれば、ボウイングも安定して、音色も安定する。
……はずだ。

 そんなこんなで迎えたオケの練習。
 MOZARTだけは弾けた。
 楽しかった。

 あとの曲は……

2017年4月10日月曜日

MOZARTはたのしく

 Mozart の "Exsultate Jubilate" の全体像が見えてきた。たぶん、本番は120ぐらいなんだろうけど、とりあえずメトロノームを80にして第一楽章を通す。何箇所か指が回らないところがあるけれど、なんとか最後まで通せるようになった。第二楽章は緩楽章なので、速さは問題ない。第三楽章は何となく簡単そう。そこで、メトロノームを100にしてやってみる。おや不思議。指が回らないところは相変わらず回らないけれど、他のところは弾けるじゃん。

ここまで来たらゴールは見えてきた。
そんなに焦らなくても大丈夫だろう。
↑ウサギとカメのウサギみたいな心境

 本番より多少遅いとはいえ、メトロノームを鳴らしていると、なんとなく主旋律がイメージされてくる。YouTubeを開けばいくらでも音源がある時代だから、何度も繰り返し聴いて、だいぶイメージが付いてきている。オーケストラを聴きながら、自分のパートをイメージできるようにもなってきたし、反対に自分が弾いているときも他のパートだとか、ソプラノの声がイメージされるようになってきた。そうなると、弾いているのも結構楽しい。予想通り、練習しながら一人で盛り上がることもしばしば。
あぁ、ここ、Mozartらしいなぁ
なんて思うと、早くそのフレーズをアンサンブルで合わせたくなる。まだちょっと速さが足りないんだけど、少なくとも、2年前にやったBachの Brandenburg Concerto よりは、弾けている度合いが高い。

 レッスンの方は、『ヴィオラ名曲31選』の1番、Ave Verum Corpus が、いろんな課題を残したまま、
こればっかりやっていても飽きますから
という理由で卒業。いや、ほとんど中退だ。次の Mozart ピアノソナタ11番のテーマも、次ぐらいに強制退学させられそうな気配。そしてMozart ヴァイオリンDuo 2番をヴィオラにアレンジしたやつは、ゆっくりなんだけど楽譜が真っ黒。Ave Verum Corpus の7~8曲分ぐらいの音符があって、最初の12小節から先に進めない。

 そんなわけで、しばらくはMOZART地獄の様相を呈していたのだが、ちょっとそろそろ他の曲も、という雰囲気になってきている。

2017年4月2日日曜日

ゆっくりの練習は一人でしか出来ない

 楽器の練習はどの楽器でも同じだと思うのだが、新しい曲をもらって、それがいちおう弾けるようになるまでは、かなりの忍耐が必要だ。いや、誰でもそうとは思わないが、私のように譜読みがままならない上に、読めたとしても思ったように手が動かないとなると、もらった曲をひと通り通すというところまでがとても長い。それが弾ければ達成感もあるし、曲に興味があれば、他のパートが重なるところを想像して、一人盛り上がったり、楽譜に書かれている強弱記号とかを手掛かりに、「ここはこんな感じかな」なんてことを考えて工夫してみたり、それで何となく完成度が上がったように勘違いしてまた盛り上がったりと、練習も楽しくなってくるものだ。しかし、その前段階は、出来ないところで止まると、何度やり直してもそこを越えられない、ということの連続。最初に止まったところは何回でも練習して乗り越えるのだが、次に止まったところは3回やって出来なかったら、お菓子とかコーヒーとかスマホに手が伸びてしまう。

 もっか取り組んでいるのは、もらった3曲の中でいちばん美しいと思った Mozart の "Exsultate Jubilate" の第1楽章。この前、練習を見学したときは、ほぼ本番のテンポ通りに弾いておられたので、5月の練習合流までにそれぐらいまではやっておきたいところ。四分音符120ぐらいだ。
 ところが、出だしの16分音符で先に進まなくなる。焦れば焦るほど、フィンガリングとボウイングが合わなくなってしまう。特に小指を出さなければいけないところはフィンガリングが遅れがち。レッスンで見ていただいている曲で、小指を巻き込まないようにする練習をしてきたのだが、こういうところでその成果が発揮できない。

 先生曰く
 駄目ですよ。速く弾いちゃ。
 まず、最初から最後までゆっくり同じ速さで弾けるようになってから速くするんです。

 やっぱりお見通し。
 でも先生、5月までにこのテンポで弾きたいんです。

 その練習は5月になったら出来ます。
 ゆっくり弾く練習は一人でしか出来ないですよ。

 深いよ!
 深いよ、先生。

 まずは、メトロノームなしに、フィンガリングの練習だと思って、最初の16分音符を、小指を巻かないように気を付けて弾く。この曲はヘ長調なので、D線とG線の2指が1指にくっつく形になる。その状態で3指をポイントするとどうしても4指を巻いてしまう。この前までレッスンで見てもらっていたのはト長調だったので、2指は3指の方にくっつく形。私の場合、これだったら小指を巻かないで3指をポイントできるようになったのだが…。
 そんな泣き言をボソボソ言いながら、4指で関係のない隣の弦を押さえた状態で他の指を動かす練習。譜読みどころではない。

 嗚呼まだ先は長い