2016年11月13日日曜日

左手の形と音程 考

 音程が良くないのを矯正するためにセヴシックをやっている。最初の3小節だけしっかりやることを考えて、次々やるのは駄目ですよ、とのことだったのだが、前回のレッスンで新しいご指導があった。

ひとつ音を出したらいっかい止める
いっかい止めて次の音を出す準備をする
その準備ができるまで音を出しちゃダメ

次の音を出す準備とは、その次の音を出す準備も含まれる。ラ~と弾いた後でいっかい止めて、人差し指をシの位置に置いて弦を押さえるとともに、中指もドの位置をすぐに押さえられるところに止めておく。そのときの手首、肘、弓の位置や角度、立ち姿などすべてOKだったら初めて音を出す。

 そうはいっても、最初のうちはどこをどう気を付ければいいのかよく分からなかった。ちょっとわかったきっかけは、右の写真の手の形だ。すぐにわかるのは、小指が薬指の下に入っていること。つまり、この状態で小指をエイッと伸ばしても薬指に近づこうとするので、間がなかなか開かないのだ。原因は、手のひらを丸くするときに、紙を円柱形に丸めるような平面的な動きだけでなく、小指を内側に巻き込んで球面を作るような動きをしているからだ。
 これを矯正するには、小指を立てた状態で外側に捻る癖をつけるしかない。風呂場で手のひらを温めながら、小指の下の部分を外に反らせたり、小指を捻ったりと、いろいろやってみるのだが、四十路のおっさんにはちょっと健気すぎる努力のように思える。

 しかし、実際に弾いてみると小指を薬指の下に入れてしまうもう一つの原因がわかってきた。
 手のひらと竿の角度が開いているのだ。これが開いているから小指は竿から遠い。遠い小指で竿を押さえようとすると、手のひらを縦に丸く丸めないといけない。だから開かないんだ。
 もうひとつわかったのは、こうして小指を伸ばそうとしているとき、人差し指の付け根のところが竿を強く押している。その力に抗おうとして親指が物凄い力で竿を押し返している。

 これは手のひらだけで解決できない。
 手首から角度をつけないとダメだ。
 これまで、手首を遠くに、と言われてただ手首を遠くにすればいいのかと思っていたが、どうやらそうではない。指の骨は手首のところから分かれているが、そのうち親指の骨が付いているところに少し硬い部分があるが、この部分だけを遠くにするようにしてみる。肘の感じがいままでにない感覚になる。日常はあまり使わない腕の筋肉を使っている感じがする。そして、自然と手のひらが竿に向かい合うようになり、親指の力も要らなくなる。

 これだな。
 これこれ。

 いままで何回も言われていたようにも思うのだが、やっとその意味が分かったような気がする。

2016年11月4日金曜日

再びセヴシック

 このところ、レッスンで言われることはいつも音程
 自分でも合っているように思えないのだが、いったいどうすれば良くなるのか。

 発表会が終わって以降、なんとなくレッスンの方向性が見えなくなっていた。先生も、このオッサン相手にどんなレッスンをすればいいのかと迷っておられたのかもしれない。それが、前々回のレッスンで、「ヴィオラ名曲31選」を取り出してきて、その中の曲をやっていくということで、少し方向性が見えてきた。前回のレッスンでは、それと平行してセヴシックをやることになった。エチュードとエクササイズの組み合わせという、なんとなくレッスンの王道が出来上がったみたいだ。


 それでこのところ、練習でも必ず音階練習をするようにしている。時間に制限のない場合は、セヴシックのOPAS.1のNO.1の最初の3小節だけ30分ぐらいやっているときもある。30分かけても納得できるところまでいかない。先生からも、とにかく完全に弾けるようになるまで前に進まない!、という「コソ練厳禁」のお達しがあったので、とにかく納得できるまで練習する。そして最後は小指が吊ってきて、結局納得できないまま終わってしまう。


 結果には納得できないのだが、なぜ音程が合わないかはだんだんわかってきた。合わない理由にはそれなりに納得できつつある。


 まず、3指を伸ばしたときに2指が上擦ってしまって、元の音に戻るときに上擦ったままになってしまう。4指と3指の間でも同じようなことが起こっていて、そのたびに少しずつ音程が上がる。セヴシックの最初は

これの最初の3小節だけ繰り返す
ラシドシ シドレド ドレミレ


だ。この場合、1指と2指は半音だが、2指と3指、3指と4指は全音。この指の形が結構難しいので、まず、2指を3指に付けて、


 ラシ#ドシ シ#ドレ#ド #ドレミレ


とやってみる。キラキラ星を弾くときの指の形だ。これだと3指や4指も楽に出せて、ほかの指が上擦ることもない。これをそれぞれの弦でやってみる。


 レミ#ファミ ミ#ファソ#ファ #ファソラソ
 ソラシラ ラシドシ シドレド
 ドレミレ レミファミ ミファソファ


A線やD線では出来ても、G線やC線となると指が届かない。
エイッ
と指を出すときに、悶えるように体を捻っていたり、その所為で楽器が外側に傾いて却って指板が遠くなってしまったり、なぜか右足を不必要に蹴り上げていたりして、自分でも笑ってしまう。左手親指が指版に当たるポジションを、第1間接のやや上から、指の腹ぐらいまで下げ、さらに3指や4指のときに意識的に楽器を内側に傾けるようにする。それ自体は見ていて変なのだが、それまでの可笑しさを矯正するためのポジティブアクションだ。


 そんなことをやった上で、次は3指も半音上げる。ト長調やニ長調で出てくる指の形だ。


 ラシ#ドシ シ#ド#レ#ド #ド#レミ#レ
 レミ#ファミ ミ#ファ#ソ#ファ #ファ#ソラ#ソ
 ソラシラ ラシ#ドシ シ#ドレ#ド
 ドレミレ レミ#ファミ ミ#ファソ#ファ


そこまでやったら、セヴシックのもとの指の形。


 ラシドシ シドレド ドレミレ
 レミファミ ミファソファ ファソラソ
 ソラ♭シラ ラ♭シド♭シ ♭シドレド
 ドレ♭ミレ レ♭ミファ♭ミ ♭ミファソファ


さらに1指を半音下げて、ニ短調で出てくる形。


 ラ♭シド♭シ ♭シドレド ドレミレ
 レ♭ミファ♭ミ ♭ミファソファ ファソラソ
 ソ♭ラ♭シ♭ラ ♭ラ♭シド♭シ ♭シドレド
 ド♭レ♭ミ♭レ ♭レ♭ミファ♭ミ ♭ミファソファ


そのとおり。無理。
ここまで出来て初めて「納得」ということになるのだが、いったいそれはいつになることか。