2023年7月30日日曜日

腰痛とハイポジション

 15年ほど前に酷い腰痛に悩まされた時期があったのだが、このところしばらく腰痛で悩むことはなかった。それが、中腰で草刈りに勤しんだことを切っ掛けに、また腰痛に悩むことに。もともと、しゃがんだ時に踵を地面につけられないとか、膝を抱えて地面に座れないとか、胡坐が掛けないとか、地味な障害を抱えているのだが、これが、よりによって発表会の本番を目前にしたこの時期に腰痛となって顕れるとは…。

いや、ヴィオラ弾くのと腰と関係ないだろう

と思うかもしれないが、これは大いに関係がある。特にハイポジションのフィンガリングとか、左手の掌(てのひら)から遠いC線やG線のフィンガリングで、3ポジがあったりとか、C線3指のファに#が付いているときとか、そういう時に、左手首を捻って掌を外側に向けながら、左肘を鳩尾(みぞおち)の前ぐらいまで寄せないといけない時がある。そういうときに、上半身だけではなく、左の腰を左肘に向かって捻る姿勢を取らないと、肘が思うように鳩尾に寄せられず、それが原因でフィンガリングが難しくなってしまう。これをやると腰に「ピキッ」と痛みが走る。

 とにかく思うようにならない。

 弦楽四重奏のアンサンブルの方は、さいわい、そんなハイポジションもないので、C線のFisさえ何とかすればいいようなものだが、テレマンの方は、5ポジとか6ポジとかが出てくる。本番が近づいていて練習もしなければいけないのだが、そのたびに腰にピキッと痛みが走るので、これが本当にストレスになる。

 果たして治るのかしら。

2023年7月9日日曜日

音楽な週末

 土曜日は発表会へ、日曜日はワークショップのような取り組みの演奏会へ出掛ける。音楽な週末だった。

 土曜日の発表会は、いつもスタジオで一緒に弦カルをやっている方の、チェロの発表会。この方は、弦カルではヴァイオリンを弾いておられるのだが、志あって、チェロも弾いてみようと思い立ち、私たちのスタジオとは違う県内の個人でされている音楽教室に通ってチェロのレッスンを受けておられる。おそらくそのレッスンをされている先生同士のつながりなのだろう。県内と、隣の府(もともと都なので、いまさら都にしようなどということを言わない方の府)でレッスンをされている4人の先生の合同発表会というのがあった。楽器はヴァイオリンとチェロ、一部ヴォーカル。出演者は20人余り。子供が数人で、半分ぐらいは大人から始めたと思しき人たち、そして子供の頃から続けていると思しき青年男女。

 もう、そういう人の演奏は異次元。最初の音を聴いたときに
ぅを
となる。音色というか、音の勢いというか、響きというか、伸びというか、もうとにかく、何もかもが違う。もちろん、ボウイングだってフィンガリングだって、超絶難しそうなんだけど、そんなことじゃなくて、とにかく凄い。

 日曜日の今日は、妻が少し遠くに出掛けて、吹奏楽のワークショップみたいなのに参加。少し前まで都になるなると言っていた府の府庁のある街の市直営の吹奏楽団だったのが、府を都にすると言って市長になったやつから解散を示唆されたところを、全国の音楽家や音楽を愛する人からの支援で財団法人になって継続している楽団。そういうこともあってか、ファンサービスというか、市民交流というか、そういうことを積極的にされている。そういう取り組みのひとつで、月に1回、一般の人から希望者を募集して、朝10時半集合、そこで楽譜を渡して、楽団のプロが指導、そして午後3時から演奏会、という、これまたすごい企画をされている。

 弦楽器もそうだけど、楽器というのは、ひとりで弾いているよりも合奏が楽しい。それは吹奏楽も同じようで、久しぶりにいろんな楽器と合わせられたので、妻も満足そう。私の方は、演奏会の少し前に会場に着いて、20分余りの演奏を聴いてきたのだが、その日の朝に楽譜を渡されたばかりとは思えないハイクオリティ。ステージにいるのは50人ぐらいで、女性の方が多め。子育てが一段落したぐらいの人が多いように見受けたが、みなさん、学校で吹奏楽部だったのかしら。

 どちらのイベントからも、音楽の「層の厚み」みたいなものを感じる。

 少し話は逸れるが、侍Japanの優勝したワールド・ベースボール・クラシックも、もちろん大谷翔平の活躍とか、栗山監督の采配とかは称賛されるべきなんだろうけれど、そういうものが何もないところからいきなり出てくるわけではない。少年野球からプロ野球まで、小さい頃から選手を育てていくシステムとそれを支える指導者や運営者や家族。野球を愛する人たちの草野球。球場に足を運ぶファン。野球というスポーツへの国民的な理解。そういうものがあってこその偉業なんだと思う。

 音楽もおんなじじゃないのかな。

 さしずめ私がやっているのは、草野球ならぬ、草演奏だとしても、音楽に対する理解とか、音楽をやっている人に対する理解とか、音楽をすること自体に対する理解とか、そういうものの一翼は確実に担っていると思う。

2023年7月8日土曜日

再び崖っぷちのソロ

いそげヤマトよ イスカンダルへ
発表会の日まで あと28日
あと28日しかないのだ~

チャチャチャーーン パパパパパーン チャチャチャチャーン パパパパパーン

という訳で、発表会に向けて、弦カルの3曲と変則三重奏の宇宙戦艦ヤマトの練習に勤しんでいたのだが、ここで変則三重奏のひとりが戦線から離脱して、ヤマトが撃沈するという大事件が起こる。出番が多すぎるので、といったんは引っ込めたテレマンのヴィオラコンチェルトが再びプログラムに浮上。

 ここで問題なのが、社会人ビギナー「あるある」の練習時間問題。平日はなかなか練習時間が確保できず、週末にまとめて練習するという「あれ」。「発表会の日まであと何日」などという数え方ではなくて、「あと何週間」。そのうち予定が入っているのが何日、と計算していくと、真剣に練習できる時間は本当に限られる。

 毎日少しでも練習する時間があれば、少しずつでも、昨日できなかったところが出来るようになっていくのを実感できるのだけれど、1週間、あいだが空くと、先週できていたところが出来なくなっていて、毎週、クオリティの劣化を実感して練習時間が終わってしまう。

 レッスンでも、本番まで少し時間があるときは、先生の本気スイッチが入って、いろいろ細かいところを見ていただいたのだが、本番までの日数に合わせて、例えば、速度はゆっくりでもallegroっぽく弾くとか、そのうえでフレーズの変わり目の最初の音をはっきり聴かせるとか、バロックだからあまり難しい表現を考えなくても音の強弱だけはメリハリをつけてとか、臨時記号が付いているところの音程は大袈裟にするとか、最後のハイポジションはぶら下がらないように気を付けるとか、本当に基本的な… いやいや、基本的なのだけれどこんなに気を付けなければいけないポイントがあるのか…。

愕然

練習時間の確保がいよいよ問題だな。