2018年5月27日日曜日

演奏ノート

 レッスンの状況。
 少しずつは前進しているが、あまり目に見えて前進はしない。後退はしていないだけでも良しとするか。
 先生はいつもそうなのだが、今日もあまり多くを仰らない。ひと通り弾かせて、音程をもっとしっかりとりましょう、特に臨時記号が付いているのと付いていないのの区別がつかない、3指にシャープが付くときに上がりきっていない、という音程に関する指摘と、付点音符のリズムが3連符になっているというリズムに関する指摘。うむ、だいぶ前にも同じことを聞いたぞ。でも練習の仕方は間違っていないので、この調子で練習を続ければ、それなりの演奏にはなりますよ。はい終わり。目指すところの遠さだけは分かった。
 そのあと、アンサンブルの練習の仕方で悩んでいるところをいうと、どんな文脈からだったか忘れたが、先生の演奏ノートの話になった。演奏が終わると必ず、どこで、どういう状態で、どうなったか、その原因は何か、といったことを書き連ねられるそうだ。原因というのは、例えば練習不足ということなのだが、ただ単に練習不足ではなくて、どういう練習が必要だったかとか、そういうことまで分析して書くのだそうだ。
私たちはプロですから
プロの方がみんなそうしているのかどうかは分からないが、先生のストイックさの一面を見たような気がした。きっと、この前のリサイタルでも、聴いている観客が満足したかどうかなんて関係なく、自分はここが満足できなかった、というようなところが必ずあって、それをノートに書き連ね、そこに書いたとおりに翌日からストイックな練習をされているのに違いない。
 私なんかの場合、何を書いていいかもわからない。ま、そこは先生に言われた通り「音程とリズム」と書けばいいのか。さしずめ今日のレッスンだったら、C線でFISを押さえる練習ばかりするとか、付点音符と三連符を正確に弾き分ける練習をするとか、そういうことなんだろう。
 はたしてどれだけ実行できるか?

2018年5月13日日曜日

練習の目標・方向性

 ひとことにヴィオラのレッスン、ヴァイオリンのレッスンといっても、受講生によって、あるいは先生によって目指すところは違うんだ、ということが最近、わかってきた。いや、より正確に言うと、目指すところはそれほど違いはないのかもしれないが、そこへの道程が違うのだとおもう。

 ヴァイオリンのレッスンを受け始めたころは、ヴィヴァルディのA-MOLが弾きたいという私のリクエストに応じて、曲の前から順番に、どうしたらそれぞれのフレーズを弾けるようになるか、というレッスンだった。A-MOLが弾けた後は、カノンだとか、次の発表会の曲だとか、とにかく新しい曲が弾けるようになることが、いつも目標にあった。
 そういう目標の立て方になんとなく違和感を覚えるようになったときに、たまたま先生が退職されて、新しい先生のレッスンを受けるようになり、自分でも目標が定まらない中、わりとストイックなレッスンが続いてきた。前回の記事にも書いたように、それから3年がたって、やっと先生が仰っておられることの意味が分かってきて、それで、いままでの目標の立て方と、この先生との間で立てるべき目標の立て方の違いのようなものも、なんとなく言葉にできるようになった。8月の発表会までにどこまでカタチにできるのか。

 アマオケの方はまた違う。これもメンバーや指導者によって変わるのだろうけど、いま通っているところは、とにかく曲が弾けるようになることが目標だ。もちろん、メンバーの中にはある程度の上位者もおられるが、私を筆頭に、とにかくその曲ばっかり練習してなんとか弾けるようになる、というレベルを目標にせざるを得ない人もいる。そういう人をすくいあげて、みんなで弾けるようになる、というところが目標なんだと、自分では勝手に解釈しているので、1曲1曲のクオリティを追い求めるのではなく、とにかく全曲さらっとさらって、ちゃんと弾けるようにする。その「ちゃんと」の意味は、ちゃんとついていける、とか、途中で弾けなくなっても何処を弾いているかちゃんと楽譜を追えるとか、ちゃんと復活できるとか、最後のところだけでもちゃんと音を出して、全部ちゃんと弾いたかのように、ちゃんと澄ました顔ができる、とか、そういう「ちゃんと」のダイバーシティを求められる。しかし、本質的にはヴィヴァルディのA-MOLを必死に弾こうとしていたころのレッスンと同じ方向性だと思う。こっちのゴールは9月の演奏会。果たして完走できるのか。

 このアマオケとは別に、いつものスタジオとは別のスタジオで、アンサンブルのレッスンを受けていて、これの発表会が7月にあるのだが、これはアマオケともいつものレッスンとも様子が違う。1曲だけをものすごく丁寧にするところは、いつものスタジオと同じなのだが、アンサンブルなので、音程やリズムを合わせていかないといけない。自分が弾ける速さでゆっくりと、という訳にはいかない。こちらのレッスンは2~3カ月に1回というペースなのだが、ほかのメンバーは同じスタジオでソロのレッスンも受けておられるので、月に何回かは同じ先生のレッスンを受けておられるはず。音程とリズムを合わせるためにも、練習の方向性を合わせていかなければ、といまさらながら、やや焦らないわけでもない。

 最初にもいったが、たぶん、最終的にはどの練習でも目指すところは同じなのだと思う。ただ順番が、1曲を丁寧にやったあとで、何曲あってもちゃんと弾けるようにするのか、まずは何曲も課題があってそれがひととおり弾けたあとで、1曲ずつのクオリティを上げていくのか、そういう違いなのだと思う。