スタジオ創立20周年の節目の発表会が終わった。温かくて居心地の良い発表会だった。
自分の発表は、というと、ひとことで言えば楽しかった。
曲目は先月の発表会と同じ。
まずパッフェルベルのカノン。これがいちばん無難にできた。いつものスタジオと違って、会場が広いので、ほかの奏者が遠い。けれど、これはチェロがばっちりリズムをとってくれるので、とにかくチェロさえ聴いていれば大事には至らない。
続いてバレンティーニの幻想曲。これは先月の発表会で拍を掴めずに沈黙してしまった曲だ。チェロはなくて、ヴィオラがチェロパートを弾く。チェロさえ聴いていればなんとかなるパッフェルベルと同様なら、ヴィオラさえ聴いていれば何とかなるはずなのだが、パッフェルベルと違って途中に2小節ぐらいの休符が何箇所かあって、そこから復活するところで拍が取れなかったりする。上のパートは楽譜が多くて本番はどうしても走りがち。そこで拍を取ろうとしても取れないこともあるということがわかったので、今回は何が何でも弾くと決めて、休符の間はほかのパートを聴かずに自分で拍を取る。思わず声を出してしまいそうになるが、とにかくちゃんと入れた。最後が合ったので、たぶんちゃんとリズムはあっていたはず。
最後はソロ。長丁場の発表会も終わり掛け。最後から3番目の出番だったのだが、いきなりから間違えてしまう。
すんません。もういっかい。
何回も発表会に出ていると、こういう図々しさも身につけてくる。何年か前なら、もうそこで頭の中が真っ白になってしまったところなんだが。
これを成長と言ってしまっていいのかどうか。
ま、しかし、上手なところを見てもらう訳ではなくて、楽しんでいるところとか、満たされているところとか、そういうのを見てもらえるといいと思うので、これぐらいはご愛嬌ということで許してもらおうか。
発表会の間はテンションが上がっていたのだが、終わってみるとバタンキュー。まるで小学生が運動会や遠足でエネルギーを使い果たすかのような、とにかく楽しい一日だった。