2022年9月25日日曜日

ホール練習

 定期演奏会まで約1ヶ月となったのでホール練習があった。

 はじめてこのアンサンブルの演奏会を聴きに来た時から同じホールなのだが、初めてステージに載ったときに、残響がほとんどないことがわかった。いまは合併して市立になっているが、できたときは「町立」。演奏会だけでなくて、いろんなことに使えるようになっているから、とりあえず「残響」などというような、寸法を測ったり人数を数えたりできないものは「要求仕様」に盛り込まれなかったのだろう。

 久しぶりのホール練習で大きな変化がひとつ。コロナ禍で、観客同士の間の距離を確保しないといけないことから、階段状の座席は出さずに壁面に収納しておき、パイプ椅子のちょっといいやつを平面に並べて客席にするとのこと。そして、舞台の上ではなく客席と同じ平面で演奏する。普段は客席になっている場所だ。

 この客席、実は舞台のうえよりも響きがいい。手をたたけば違いがはっきり分かるぐらい、響き方が異なる。そういえば、舞台で弾いていて、やらたと観客の話し声が気になったことがあったが、そうか、舞台よりも客席の方がよく響くのか。

 よく響くといっても、響き方は舞台と違って、大きな空間全体で響くので、隣の人が弾いているのはあまり聞こえこず、自分が弾いている音ばかりがよく聞こえる。全体の音もよく響くんだけど、とくかく自分の音がよく聞こえる。先生曰く。

ひとりひとりの音がよく聞こえます

 ということは、間違えるとめっさ目立つということか。しかも、周りの音は聞こえにくいから、なんとなく自分がひとりで弾いているような感覚になる。ちょっと不安。それに、自分が適当に弾いているところを、周りの方が弾いている音で誤魔化して、なんとなく自分が弾いたようなつもりになってドヤ顔する、という技が使えない。

 しかし、少し弾いているうちにそういうのにも慣れてくる。自分が慣れただけでなくて、全体に慣れてきたのかもしれない。最初よりも周りが聞こえるようになってきた。聞こえなくても、少し気持ちに余裕ができてくると、視界に入ってくるようになる。「目で聴く」という要素もあるのかもしれない。

 やっぱり、こういう練習をして慣れておかないとだめなんだな、と納得した一日だった。

 それにしても、残り1ヶ月なのに、まだこんなに弾けていない…

2022年9月19日月曜日

ヴィオラが弾けない

  定期演奏会か近づいてきて、まだ曲順は決まっていないけれど、だいたいこの順番かな、という想像の元に楽譜を並べて、前から順番に弾いていく。ひとりリハーサル。メトロノームで合わせたり、YouTubeの音源と合わせたりして、本番に近い環境を再現する。

 本番に近いというのはいろいろな意味があって、たとえば弾けないところを何回も繰り返して練習するとか、そういうことよりも、そこは適当に誤魔化して、最後のところだけ弾いて、なんとなく全部弾けたような充実感を味わう、というところも含まれている。それでも、弾けないと悔しいので、あとでそこばっかり練習したりもするのだが…。

 おかげでそこそこには弾けるようになってきた。でも、いつも思うのだが、これは、その曲が弾けるようになったというだけのことで、ヴィオラが弾けるようになったことにはならない。その曲よりも難易度の低い曲がいつも弾けるかと言えば、そういうわけではない。難易度が低くても、せいぜい練習の期間が短くて済むぐらいのことで、初見ですぐに、なんてことは到底無理。この前も、定期演奏会の曲で、簡単な曲だと思って高を括っていた曲が意外と弾けない、なんてことがあった(だから、順番に通しているんだけど)。

 とはいっても、本番が近づく中で基礎練習に勤しむ精神的余裕はない。そこで折衷案なのだが、バッハのブランデンブルク協奏曲3番の第3楽章には、繰り返し音階練習のようなフレーズが出てくる。そこで、練習をする前にまずこの音階みたいなのを練習する。これもブランデンブルク協奏曲3番の練習だと思えば、本番が近づく中でも、ちゃんとやらなきゃという気持ちになるし、いまさら音階練習なんて、などと侮ることもない。現にちゃんと弾けていないのだから(ドヤ顔)。



2022年9月3日土曜日

コードを弾くように

  主旋律があまり回ってこなくて伴奏が多いヴィオラ。たびたびこんなフレーズが回ってくる。例えば、16分音符で「シレシレシレシレ ドレドレドレドレ」みたいなのとか、「ソレシレソレシレ ソラミラソラミラ」みたいなのとか。苦労するのは3連符になったとき。しかも同じパターンの繰り返しではないとき。

シレ#ソ ドミラ ドレ#ファ シレ♮ソ シレ♮ソ #ドミソ #ドミソ レ#ファラ

 たまに同じパターンの繰り返しになるのだが、法則性が見つからず、覚えるのもままならない。音符を追って弾こうとするのだけれど追いつかない。
 先生曰く、こういうのは3つの音符を同時に読まないといけない、のだそうだ。ピアノを弾かないので同じなのかどうかわからないが、ピアノは和音を同時に出せるので、音符もお団子のように重なっている。演奏する人がそれを読むときに「ドミソだからえーっと」と考えていたら弾けない。たぶんいちばん下の音だけ見て、そこからお団子になっているから指はこう、と瞬時に変換が出来てしまうのだろう。ヴィオラでも、「まずシだから2指、次はレだから開放弦(よかった)」とかやるのではなくて、「シレ#ソだから左手の指の形はこうでこう移弦させてこうする」というのを瞬時に読まないとダメなんだろう。ギターも弾かないのでこれも当てにならないが、コードに変換して、#Gm on H, Am on C とか読んでいけば…
うーーん できない
 ロッシーニの第3楽章でこんなのがたびたび出てくる。いまのところ練習は3つのうちの最初の音だけを弾いて弾いたつもりになっているのだが…。
 先生曰く、3回練習して出来ないところは10回練習してもできない。この辺りはアンサンブルの指導をなさる方と個人レッスンをされる先生では違うところだろう。個人レッスンの先生なら、弾けないところがあるときは、弾けるところは練習しなくていいから弾けないところを繰り返して、10回連続で間違えずに弾けるようになるまで練習する、などということを仰る。アンサンブルの場合は、ぜったいに弾けないところは他の人に任せて霞んでおくことにして、もう少し練習したら弾けそうなところを繰り返すとか、全体をオンテンポで通せるようにするとか、そういうところに練習の軸足を置かないといけない。いくら練習してもダメなものに貴重な時間を割かない。
 むむ…、本番までまだ1ヶ月以上あるこの段階で早くもトリアージか。

 しかしよくよく見てみると「シレ#ソ ドミラ ドレ#ファ シレ♮ソ」のパターンはたびたび出てくる。そのパターンのところに印をつけて、これだけ弾けるようにしておけば、いま弾けないところのうち半分は弾ける。残りの半分は…

やっぱりトリアージか。