弾き合い会というのに出てきた。
初めてで要領を得なかったのだが、普段着でやる発表会、客席を明るくしてスポットライトを当てない発表会、ってところだろうか。いつもお世話になっているスタジオではなくて、いつもお世話になっている先生が、ご自身のヴァイオリン教室で面倒を見ておられる生徒さんの発表会で、小学校に入るかどうかの子供から、定年後の道楽でやっている大人まで、15人ぐらいが入れ代わり立ち代わり演奏するのを聴いた。
上手いなぁ、と思ったのは高校生ぐらいの女の子。他の生徒さんとデュオをしたり、ちょっと超絶技巧っぽいのを無伴奏で弾いたり、ヘンデルのソナタ4番をフルで弾いたりと、大活躍で、どれも聴かせる。音色が違う。
小学校に入るかどうかぐらいの女の子は、父親と思しき男性のピアノ伴奏で、これも結構難しそうな曲を堂々と演奏。
大人の演奏は、和気あいあいとして楽しそう。アンサンブルで弾かれる方が多く、女性二人で、シュターミッツとかいうモーツアルトに似た曲想の二重奏を弾いておられたのは、曲も良かったし、ちょっと羨ましいぐらいに楽しそうだった。
最後は、その二重奏の一人と、さっきの小学生かどうかという女の子が、二人でバッハのドッペル。どうやら二人は母子のようだ。超絶機構の女子高生を含む数人が伴奏をする中で、二人のソロが掛け合う。これも何だか羨ましくて、微笑ましくて、しかも上手くて、見ているのが嬉しくてたまらないという気分。
自分の演奏は、というと、今回はそんなに難易度の高い曲ではなかったが、とりあえずこの1週間はこればっかり練習して、無事に終了。上手かったかどうかは分からないけれど、そこそこ楽しそうには弾けたと思う。
それにしても、こんな時期によくやっていただけたものだ。
本当は発表会の予定だったのだが、会場からキャンセルを入れられたらしく、その代わりに、ちょっと大きめの会場が借りて、窓を開けて、客席も隣まで2mぐらいの間隔をあけて、入口には消毒液を置いて、とまあ、いつもならやらなくていいことをいろいろやって開催していた。こういうことに批判的なことを言う人もいるが、人間、パンを食っていれば生きていられるというものではない。あれもダメ、これもダメ、とまるで戦争中のような息苦しさの中で、こういうこともないと生きていることが実感できない。しかし、しばらくは手洗いうがい励行で、ややこしい病気にかからないようにしないと、ややこしいことになってしまいそうだ。
ともあれ、いい弾き合い会だった。
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