定期演奏会では、ヴィヴァルディの曲を2曲弾く予定です。ひとつは有名な『四季』の『秋』。もうひとつはいままで知らなかった曲です。この、いままで知らなかった曲について調べました。
まず曲の同定。ハ長調の弦楽協奏曲だというところから、無料楽譜サイトIMSLPを探し回り、リオム番号114であることがわかった。
https://imslp.org/wiki/Concerto_for_Strings_in_C_major%2C_RV_114_(Vivaldi%2C_Antonio)
お手本演奏はこちら。
ヴィヴァルディは生涯に600を超える協奏曲を作っています。そのなかにはいつどこで作曲されたのかが明らかではない曲も少なくありません。この曲は、おそらくヴィヴァルディがその晩年に作曲した曲で、浄書された楽譜がパリのフランス国立図書館にあるため「パリ協奏曲」と呼ばれています。パリにこの楽譜がある経緯は明らかでなく、フランスの啓蒙思想家、シャルル・ド・ブロスがイタリアを旅行した際、1740年頃にヴィヴァルディから購入したと言う協奏曲の中にあったという説や、ハプスブルク家の女主マリア・テレジアの夫であったロレーヌ公フランソワ3世エティエンヌ(後の神聖ローマ皇帝フランツ1世)が買い上げたとする説などが、CDの曲紹介やインターネット上の記事に見られます。音楽の本場、ヴェネツィアでは流行の変化が激しく、ヴィヴァルディの飛ぶ鳥を落とす勢いも衰え、忘れ去られた作曲家となってしまったあとも、外国での彼の名声は高く、彼の楽譜は名君や財を成した人たちの垂涎の的だったのかもしれません。
参考文献
- シュテファン・プレヴニャク 、 ヴェルサイユ王室歌劇場管弦楽団『ヴィヴァルディ: パリ協奏曲集』紹介記事
https://tower.jp/article/feature_item/2022/03/15/1104 - De Sapio, M. (2018). VIVALDI Concerti di Parigi. Fanfare: The Magazine for Serious Record Collectors, 41(3), 439.
- Wikipedia ロレーヌ公, シャルル・ド・ブロス, リオム番号
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