2018年10月6日土曜日

再びセヴシック

 セヴシックの練習を始めるのはいったい何度目だろう。発表会や演奏会の前は、そこで弾く曲を仕上げるのに精一杯で、出来ないところがなぜできないのかなどと考えている余裕などはないが、それが終わるといつもいつも、
自分はなんて基礎ができていないんだ
ということを痛感してセヴシックを始める。お経を唱えるように無心に弾く。しかし、そのうちにその厳しい修行に耐えられず、世俗の欲を満たすことに次第に心が傾倒し、たいした進歩もないまま、本番で弾く曲をとにかく最短距離で弾けるようになるための練習に勤しむのだが、基礎ができていないので本番で玉砕する。そろそろそういう姿勢そのものを反省するべき時期なのかもしれない。

 ところで、発表会を直前にしたところで先生が交代になって、新しい先生の下でどんなレッスンを受けていくのかという相談を先生としていた。先生からは、セヴシックの中から無理のない範囲で課題を出すので、それを練習しつつ、あと何か好きな曲をされてはどうかという提案があって、それに乗ることになった。

 課題になったのは、お馴染みの「ラシドシ、シドレド、ドレミレ」で始まるNo.1の最初の2行と、いろんな調の音階練習をするNo.12の最初の2行。まずはハ音譜に書き換える。その上で八分音符や16分音符にも展開。さらにこれを全ての弦に展開すると、もともと2行だったところが4ページにもなる。楽しませてくれるわ、こいつ。定期演奏会が終わって、次は何を練習しよう、などといった気持ちになっていたのだが、まずはその気持ちを反省して、修行に勤しむ。そして迎えた最初のレッスン。

 まず指摘されたのは、指を出す時に、例えば開放弦から2指を出す時は1指もいっしょに、1指から3指を出す時は2指もいっしょに、ということ。これが、言われてやると難しい。特に、開放弦から2指を出す時はその2指の半音下に1指を持ってこないとダメなんだが、これが上手く入らない。いままでは、まず2指を押さえて、次に1指を出す時に2指と交換するようにして出していた。それと2指から4指を出す時に3指を出そうとするのだが、これは4指につられて2指からの距離が離れてしまい、本来の3指の場所よりもかなり音程が高くなる。「わかります。わかります。」と仰るのだが、それを毎日練習して出来るようにしましょう、ということになった。
 以前、セヴシックの同じところでレッスンをしてもらっていた時は、小指を使わないときに丸まってしまうのを何とかしましょう、ということで厳しい修行を続けてきて、ま、なんとかなるようにはなった。今回も、日夜勤しめば、いまは出来ないと思っていることも出来るようになるのだろうか。

 音階練習では、下降音階で同じようなことを仰る。ヴァイオリンの場合、上昇音階は開放弦で、下降音階のときは4指でフィンガリングするのだが、ヴィオラだから当面、4指である必要はない。けれど、下降音階で3指を出す時は1指も2指も出しましょう、ということだ。これも急には出来ないだろうから、まずは3指と2指の2本を出して、2指の音になるタイミングで1指も押さえる、ということでもいい。それと高4指を出す時は、3指をベースにして、1指と2指は離れてもいいから3指だけは残しておきましょうとのこと。

 ハ音譜を起こした段階でいろいろ楽しませてくれるわ、と思ったが、思った以上に愉しい修行になりそうだ。はたしてどもまで続くことか。

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