まだ正月気分も冷めやらぬ3連休の初日に、今年初めてのレッスンがあった。
年末年始は、隣近所では帰省して留守のところもあって、比較的、気兼ねなく音が出せる。ただし学校が休みの子供たちには結構、気兼ねするのだが、それでも割と練習した方だ。
最近、練習しているのは、『ヴィオラ名曲31選』の中にある曲。
去年の10月に、スタジオの事務室でお借りして、その中から、気に入ったバッハの「アリオーソ」をレッスンで見ていただいていたのだが、それほど長い曲ではないので時間が余る。それで、あまり難しくなさそうな「埴生の宿」も見てもらうことにした。しかし、これも短い曲なので、練習しているうちに物足りなくなってきて、そのうちに『ヴィオラ名曲31選』の最初から全部弾いてみようなどという新たな野望が出てきて、最初の「アヴェ・ヴェルム・コルプス」とその次のモーツアルトの曲も練習するようになった。以前、練習していた葉加瀬太郎とか、ヘンデルのちょっと難しいのはあまり弾いていない。
レッスンでは、最初は「埴生の宿」を見てもらった。
これは、移弦がほとんどなくて、フィンガリングの練習にちょうどいいので、セヴシックの代わりに練習のウォーミングアップで使うようになっている。特に3指をポイントするときに4指を巻いてしまう癖を矯正するのが目下の目標だ。先生の前で弾いてみて、この目標はクリア。
この曲に関する先生のご指導は強弱
pianoもforteもcrescendoも、何もわからない。聴いていいて、楽譜を見なくても、「あ、いまここはpianoなんだな」とかいうことが分かるように弾くこと。確かに、この曲はフィンガリングのウォーミングアップと割り切っていたので、強弱のことは考えていなかった。
それと、今更だが弦は指の腹で押さえること。
これは、いままで指を立てることを意識的にしてきたので、ちょっと意外だった。弦を押さえる力がはいり易いようにと指を立て、爪に近いところでポイントしていて、そこに弦ダコができるのを誇らしく思っていたのだが、そこで押さえるのではないらしい。
これはまたセヴシックからやり直しだな。
次はバッハのアリオーソ
「埴生の宿」もだが、ボウイングをもっと意識的に練習しましょう、ということだった。
これは練習していても気になっていたところだ。個人的に勝手に「暖炉の前で」というタイトルを付けているので、暖炉の火のように消えることなくずっとゆらゆら揺れながら音が続くように弾きたいのだが、どうも弓を返す時や移弦の時、ポジション移動の時に音が途切れてしまう。
弦を返す時に、返し始めが速くなったり、返す直前が速くなったりすると、返したことが分かる。葉加瀬太郎の「情熱大陸」のロングトーンは途中で弓を返しているのに、弓を返したところが分からない。そもそも彼の演奏は聴いていて上げ弓と下げ弓の違いが全くなく、弓を返したところも音だけでは分からない。素人が弾けば上げ弓なのか下げ弓なのか、どこで弓を返したのか、全部分かる、というのだ。これは先生にも難しいことのようだが、意識して練習しないといつまで経ってもボウイングは良くならない。
そういいつつも、可もなく不可もなくというレベルまでは来たと褒めていただいた。お正月のご祝儀相場でもなさそうだし、それだけでも大きな進歩だ。
最後はアヴェ・ヴェルム・コルプス。
モーツアルトのもう一曲は見てもらっていない。
これは2小節目で先生が突然、吹き出すように笑われた。大胆に音を外したので、その所為かと思ったのだが、そんなことで今更笑いません、とのこと。
原因はグリッサンド。D線でミ→#レとスラーで弾くときに、そこがグリッサンドになっているのが唐突すぎたとのこと。そういえば、前回のアリオーソでも、ポジション移動の時にグリッサンドが掛からないようにと注意されていた。これは迂闊だった。そして、この曲はこういう半音移動が結構多い。
そんなわけで、フィンガリングについてもいろいろご指導はあったが、今日は主に右手に関するご指導が中心だった。
音は右手で出しています、とのこと。確かにその通り。フィンガリングが付くとどうしてもそっちに注意が向いてしまうので、開放弦で練習して、音の強弱だとか、弓を返すとことだとか、余計なところで音を復覚ませていないかとか、そういうところを意識的に練習する。
そういえば去年は音程に始まって音程に終わるような1年だったけど、今年はボウイングに始まってボウイングに終わる一年になるのか。何はともあれ、こんな調子で今年も1年間続けていこう。
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