短い曲なので、一応は弾ける。練習しなくても弾けるということではなくて、最初のレッスンで見てもらえるように練習してきたので、一応は弾けるようになった。通して聴いていただいたところで、先生から第1問。
《問題》
この曲はAntonioVivaldiの曲ですが、Vivaldiはバロック音楽の作曲家ですか、古典派ですか、あるいはロマン派ですか?
AntonioVivaldiは、17~18世紀にヴェネツィアを中心に活躍した作曲家で、多くの協奏曲を残している。そのころから楽譜を印刷して出版するというのがビジネスとして成り立つようになったようで、彼の書いた曲も多くが「協奏曲集」として出版されている。
1725年に発表された「和声とインベンションの試み」(私は小学校でこう教えられたのだが、最近は「和声と創意の試み」と訳されているようだ)は、12曲からなるヴァイオリン協奏曲で、1番から4番までにそれぞれ「春」「夏」「秋」「冬」の表題がついているので、これらを合わせて「ヴィヴァルディの四季」と呼んでいる。他にも「海の嵐」だとか「喜び」だとか「狩り」だとかいう表題が付いている曲あるのだが、あまり有名ではない。聴いてみたいとは思うのだが、いままでその機会はなかった。
コンサートなどでは、1番から4番を「四季」として弾いたり、4番だけを「ヴィヴァルディの四季より『冬』」などとして弾いたりする場合が多い。だけど、例えばトークを交えて小品ばかりを演奏するようなステージなら、この第2楽章だけを引っ張り出してもなかなか様になるような気がする。
これぐらいの薀蓄(うんちく)なら言えるので、こんな問題は「いただき問題」だ。
《解答》バロック音楽
はい正「解!
バロックや古典派の場合は、トリルは上から取りましょう。
そういえば前に聞いたことがある ← だっただそうしろよ!
楽譜には
シーシラソファミレドシドtrーーーーーーーシシー ン
となっているところを、つい、
シーシラソファミレドシドレドレドレドレドーシシー ン
と弾いてしまいがちなのだが、そこを
シーシラソファミレドシレードレドレドレドーシシー ン
と弾かないといけない。
うむ。薀蓄では追いつかなかった。
《問題》
フラット3つのこの曲は何調ですか?
これも大丈夫。合唱などで移動音階読みするときに、最後のフラットのところを「ファ」にして読む。ちなみにフラットは移動音階読みするときの「シ」の音に順番に付けていくので、絶対音階でいうと、シ→ミ→ラ→レ→ソ→ド→ファ の順番に付く。フラット3つなので、最後にフラットがついているのは「ラ」。ラをファと読み替えると、ドはミに移動する。ミは音名でいうと「ホ」なので「ホ長調」と言いたいところだけれど、そこは既にフラットがついているので・・・
《解答》変ホ長調
はい、これも正解!
じゃ、次の問題です。
《問題》
変ホ長調でレの音は「導音」ですが、これは高めに弾くのですか。それとも低めですか?
こうなると、もはや薀蓄は何もない。
《解答》ん~と、え~と・・・ ひ・く・め
惜しい!
いや先生、高いか低いかしか答えないんだから、惜しいも何もないですよ。
導音というのは主音を導いてくる音。主音の半音下の音だ。この音が鳴ると、「もうすぐ主音が来るんだなぁ」という予感がする音なので、「導音」というそうだ。だから、主音に近い音程、つまり高めに弾くほうが座りがいい。安心して聴いていられる、ということらしい。
サードポジションでは、A線の1指と2指が導音、主音になるのだが、久しぶりにヴィオラをヴァイオリンい持ち替えると、サードポジションの指の間隔は結構狭い。これをさらにに狭くか~。
そして、4番目の音は下属音というそうだ。
属音というのは聞いたことがある。主音と周波数でいうとちょうど1.5倍の音程。ハ長調ならソ、変ホ長調なら♭シだ。これは主音との関係でいうといちばんハモらさなければいけない音なのだが、ヴァイオリンの場合は主音を引いた指をそのまま真横に移してフィンガリングすればよさそうだ。
下属音というのはその下の音で、ハ長調ならファ、変ロ長調なら♭ラの音なんだが、これを低めに取るようにとのこと。
こいつはファーストポジションのE線の3指に現れるのだが、これが、今更ながらのなかなか曲者。1指が♭、1指と2指間が全音、2指と3指間が半音という指の形は、変ロ長調で初めて出てきた形だ。どうもうまく3指がフラットになってくれない。低めどころか、普通のラ♭よりもラ♮に近い音になっている。
最初のレッスンからずいぶん濃い内容だった。ヴァイオリンを弾こうなんて方は普通、こういう理屈は苦手とされる方が多いようだが、私の場合はこういうのが結構好きなので楽しいレッスンだった。ただ、理屈が好きなのと上手く弾けるのはまったく別で、どうも理屈っぽいのが上達しない原因のようにも思えているのだが・・・。
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