8年間お世話になったバヨ先生が、出産のために退職されることになった。落ち着かれたら復職されるのかなと期待していたのだが、いろいろとお考えがあってのことだろう。
スタジオでヴァイオリンを習い出したころは、いまの先生とは別の男性の先生だった。その先生が留学されるということでいまの先生に交代された。そのころはまだ音大の学生さんだったはずだ。
お世話になった8年間の間に3回の発表会があった。発表会で弾いた曲はどれも思い出深い曲だ。2回目の発表会からは他の楽器との合奏も加わった。先生の隣で先生と同じパートを弾いたときの安心感はいまも忘れられない。この歳でもステージに立てば緊張する。周りの人はみんな上手で、自分一人がアウェイの場所に来たような気分だったのが、先生が隣で同じパートを弾いてくださるというだけで、急にそこがいつもレッスンを受けているスタジオのような、ホームの気分になったものだ。
レッスンの間隔が1ヶ月ほど開くこともあるのだが、いつも先生は、前回のレッスンで何が課題だったかをきちんと覚えてくださっていた。うちのスタジオのヴァイオリンの受講生はなぜか中年男性が多いのだが、どの受講生も毎回のレッスンを楽しみにしていた。スタジオの奥さんによると、ヴァイオリンの受講生はレッスンが終わるとみんな溜息をつきながら事務室に入ってくるそうだ。今日も出来なかった、進まなかった、ということなのだが、それでもヴァイオリンを続けているのはそれが楽しい証拠。本当は将来ある子供たちのレッスンの方が遣り甲斐があったかもしれないのだが、わたしたち中年男性相手でも決して手を抜かれない先生のレッスンのおかげで、みんなヴァイオリンを続けてこられたのだと思う。
先生は代わられるが、これからもヴァイオリンを続けていこうと思う。いままでお世話になった先生にどこかでお会いしたときに、まだヴァイオリン続けていますよ、と言えることがお世話になったことへの恩返しだと思う。
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