豊中に、ヴィオラ五重奏を聴きに行ってきた。
豊中というのは大阪府の北部で、阪急宝塚線の沿線。駅とホールとその周辺しか知らないが、中規模でわりと小洒落た街のように思えた。その市民ホール(市立文化芸術センター)の小ホールで、日本センチュリー交響楽団のヴィオラ奏者による五重奏のコンサートがあった。
楽しかった。
ポスターの中央におられる須田祥子さんは、テレビでもお見掛けすることがある有名な方なのだが、この須田祥子さんのトーク炸裂(MCがあるんですよ)。ステージそのものは、普通のクラッシュコンサートと同じで、葉加瀬太郎みたいに照明ギラギラのものではないし、マイクを使わずに生の音を聴くものなのだが、J-POPの歌手が腰を折り両手を拡げて熱唱するように、ものすごい
熱奏。
見ていて思わず席から身を乗り出してしまう。よく見れば指板のないところをフィンガリングして超高音をだしたり、あ、これ、2 Cellosのヴィオラ版じゃないの、なんてことを思わせる。
ステージは、ブランディング協奏曲の割とまじめで控えめな演奏で始まったのだが、この段階で、観客の心鷲掴み。次はウィリアムテルのお馴染みの曲なのだが、もうここでクラシックコンサートのかしこまった雰囲気などどこにもない。思わず立ち上がりたくなるような演奏なのだ。モーツァルトの魔笛やチャイコフスキーのくるみ割り人形から、これもお馴染みの曲が演奏され、間に軽妙なトークが入る。
後半はポップスの曲をアレンジしたもので、自分は良く知らないが、クイーンというロックバンドの曲だったりしたらしい。激しいボウイングから爆音ともいえる、もはやヴィオラの音とは思えないようなサウンドが、それもマイクを通さない生の音がホールに鳴り響く。まるでロックコンサートを聴きに来たような興奮がホールを包んでいく(本物のロックコンサートには免疫がないが)。
アンコールは「津軽海峡冬景色」と「宇宙戦艦ヤマト」。これも、もしかすると葉加瀬太郎の「情熱大陸」と同じように、お決まりのパターンなのかもしれないが、とにかく楽しかったので、また機会があれば聴きに行きたい。
演奏者は違うが、ネットで「ヴィオラ五重奏」と検索すれば、この動画が出てくる。たぶん同じアレンジだったと思う。
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