もはや、どっかの国のだれか有名な人が設計した教会のように、永遠に完成しないことに意義があるとさえいえるバッハのドッペル。前回のレッスンではこの曲を見てもらって玉砕だった。
昨年の秋から、クロイツェルをテキストにして、説明したところ以外は練習もさせてもらえないレッスンが続いていたのだが、前回のレッスンでは、いきなり
なんか曲ありますか
と仰って、ずっとドッペルを見てもらうことになった。
こうして背伸びをさせてもらって難しい曲を見てもらうと、やっぱりちゃんと基礎練習をしなアカンということがよく分かる。こうしてブログを書いていると、このときの45分のレッスンでいったい何を見てもらったのか、よく思い出せない。出来ていないところ満載で、何からどのように手をつければいいのか分からないまま、貴重なレッスンの時間が終わってしまう。
いちばん最後のところで、音程をしっかり取りましょうということと、速さを一定にというご指導があった。
それでまず、速さやリズムは度外視して、チューナーでひとつひとつ音を合わせながら弾いてみる。先生から
音がおかしかったらすぐ楽譜に書く
という指示があったのだが、そこはちょっと割り引いて、何度やっても同じようにおかしい時は矢印を書くことにした。そういうことをやっていると、
何度やっても音程が合わないのだけれど、
同じように合わない訳ではない、
というところが出てくる。例えばポジション移動。それでそのフレーズをつかって今度はポジション移動の練習ばかりをする。あるいはサードポジションの音階練習をする。
そんなこんなで2週間ほど練習した。
といっても、週3日ぐらいで朝の30分程度の練習だから、たかが知れているのだが。
今週になってからは、今度は音程はある程度、目を瞑って、一定の速さで弾く練習を試みる。メトロノームの出番だ。
ところがこれがなかなか手強い。
いつも練習しているスタジオにあるのは、写真にあるような格調高いメトロノームなのだが、格調はこのさいどうでもよくて、カチッカチッとなる間に4回に1回
「チン」
と鳴らすことができるようになっている。この「チン」が、ときどき変なところで鳴る。
次の音が「チン」だ
と思っていたら、そこは「カチッ」っとだけ鳴って、なんか空振りしたみたいになって、その次の拍で鳴る。たいがいは16分音符炸裂の、それもサードポジションで弾くフレーズの直後が多い。16分音符のところで遅れるのではなく、そこを誤魔化そうとして走っている。そんな感じだ。
いつものようにスタジオに行って、練習の最初からメトロノームを鳴らしながら、曲の最初から弾いてみる。つまずいたらその辺りの適当な場所からまた始める。何度やっても上手くいかないフレーズは歌ってみる。そんなことをやっていると、30分で最後まで行きつけない。
そんな訳で明日はレッスン。
娘がスタジオで練習したいというので連れてきた。吹奏楽部でオーボエはひとり。周りは経験者も多くて、なんだか自分が足を引っ張っているみたいに思っているようだ。いま隣でオーボエを吹いている。なんか難しそうな曲だ。がんばれ、娘。がんばれ、父ちゃん。
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