この夏からアンサンブルレッスンが始まった。いつもの45分レッスンを30分に切り詰めて、3人が15分を持ち寄って45分のアンサンブルレッスンをする、というパターン。なので、いつもアンサンブルレッスンと個人レッスンのダブルヘッダーになる。
この秋のドラマで、ヴァイオリンのグループレッスンで知り合った3人を主人公にしたのがあって、素人ヴァイオリンに風が吹いている。微風だけど。あのドラマを見れば、「あ、大人からでも始められるんだ」とか「カラオケボックスで練習すればいいんだ」とか「大学生でも買えるぐらいの値段なんだ」とかいったことがわかる。スタジオの奥さんとの話では、先生役の桜井ユキの演奏は吹替だけれど、生徒役の演奏は吹替なしではないか、ということになった。俳優さんで才能に恵まれていることは差し引かないといけないけれど、少し練習すればこれぐらいは弾けるようになる、というのも割とリアリティがあるようにも思う。このチャンスに生徒さん増やしましょうよ、などと事務所で軽口を叩きながらスタジオに入る。
前回から、バッハの「主よ」が練習曲に加わった。最初に合わせた時は「最後まで通せたよ」というレベルで満足していたのだが、今回はかなりレベルが上がっている。先生の声に合わせてリズムを取るのではなく、お互いの音を聞きながら弾くレベルまできた。先生のご指導も、「そこは○○の音を聞いて」とか「○○の旋律をいっしょに弾いているつもりで」というような内容になっているし、弾いていても、「いまのところはハモっていなかった」「タイミングが合わなかった」といったことが気になるようになってきた。個人レッスンをいっしょにグループでやるのではなくて、アンサンブルになるためにどうすればいいかという内容の濃いものになっている。
3人で合わせるので、ひとりひとりが例えば10ポイント上達したとすれば、全体で30ポイントの上達になる。その差が割とはっきりとわかるので、レッスンも楽しい。練習にもモチベーションが湧く。時間がたつのも早い。スタジオにはいろいろとお手間をかけているけれど、やってもらって良かったと思う。
ちなみにメンバーは年配の男性ばかりなので、ドラマのような恋のドキドキ感はない。
他の方の個人レッスンの間、また事務室で、3人の中では松下由樹がいちばん上手そうだ、などとどうでもいい雑談をしながら時間を待つ。あ、3人ってそっちの3人ね。
個人レッスンは30分に切り詰められているだが、今日はちょっと「G線上のアリア」を見てほしいとお願いした。ドラマでは、素人でも数ヶ月でこれが弾けるという設定になっている。そこのリアリティは人によって意見が分かれるが、私はそこそこリアリティはあると思う。ただ、「ほらG線上のアリアが弾けますよ」という演奏から「聴かせられる」演奏に持って行くところはたいへんだ。最初の音なんて、「ミーーーーーーーー」て伸ばしているだけだから、難易度としてはそれほど高くないように思えるかもしれないが、これを音色とか表現力とかでちゃんと聴かせられるようになるということは、そう簡単なことではない、というかめっさ難易度が高い。先生が本気でご指導をされれば、「ミーーーーーーーー」だけで30分かかってしまうだろう。なかなか奥の深い楽器だ。
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