2013年1月27日日曜日

E線弾く時は宮本笑里

 今日はレッスンだった。ヴァイオリンの弓も修理できたので、再びバッハのドッペルを見ていただく。練習時間がなかなか確保できないのはいまに始まったことではないのだが、このところ何をどう練習すればいいのかわからず、スランプに陥っている。もともとこの曲の中からいくつかのフレーズを取り出して、それをエクササイズのように繰り返し練習していくうちに、いつの間にか全部弾けているじゃん、というようになるのではないかという画策からこの曲を選んでいるのだが、どうにもこうにも難易度が高すぎる。まだやる気は失せていないのだが、あまりにも出来なさすぎるので打つ手がないという状態だ。
 そんなことをいいつつ、取り敢えず最初から弾いて、途中のソロが終わって長い休符になるまでのところを通してみてご指導を仰ぐ。取り敢えず弾いてみるのだが、ご指導の内容は、取り敢えず弾けるというレベルではなく、かなり基礎的なところで、フォームの矯正が中心だった。
 言われてみれは、どれも今日初めて言われたことではないのだが、弾くことに必死になるとどうしてもうまく出来ない。反対にフォームばかり気にしていると、次どの音だったっけ、って感じでこれもまた弾けない。ただ、フォームをきちんと直せば音色もよくなるということが自分でもよく分かった。
 たとえばこの曲の中で何度となく現れる次のフレーズ
移弦の時、特に高い弦に移弦するときに右肘をちゃんと下げるということ、移弦は弦の上に弓を載せたまま弓を動かさないですること、下げ弓の時に右手首を前の方へ出すこと、上げ弓のときもたっぷりと弓を使うこと。どれも今までからずっと言われていることばかり。それがいざ弾いてみると他のことが気になって、いやもちろん気にしなくていいものはないのだが、それもいっぺんにいろんなことを考えないといけないのでこれが出来ない。
 今日新しく言われたことは、一生懸命に弾こうとすると、指板を上から覗き込もうとしてしまい、そのために楽器が外側に逃げていく傾向があるということ。それを楽器の左側から覗き込むと、楽器は内側へ寄っていく。それと、E線を弾こうという時に、右肘を下げようとして楽器まで右側に傾いてしまっているということ。これは前にも言われているのだが、この時に楽器を左側から覗き込んでみると、左肩が後ろにのけ反るような感じになり、しかも楽器が内側に寄るので、無理なくボウイングができる。そういえば、宮本笑里さんが高い音を出す時にやたらと身体をのけ反らしているではないか。
あれだ あれあれ
自分にも背中まで髪があるとイメージして、高い弦い移弦するときはその髪をフワッと揺らすイメージでのけ反ってみる。お、お、なかなかいい音が出ている。先生にも褒められた。
 最後にもういちど、最初に通したところを弾いてみる。長く伸ばす音だけでなく、短い音でもE線に移弦するときは同じようにしないといけないのだが、E線に移弦するたびに
笑里、笑里、
と声を掛けられる先生がなんかちょっとお茶目だった。

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