夏休みの自由研究の最後はロッシーニ。しかしこの曲に関しては、先週、曲の同定ができたという記事をアップして以来、たいした進展がない。彼のオペラ作品について詳しく説明する資料は図書館でいくつか見つけたが、この曲を作曲した少年期については詳しい説明はされていない。出典のはっきりしないインターネット上の記事を繋ぎ合わせただけで、信憑性に欠いた紹介文になってしまっている。
そんなわけで、いろいろ差し引いて読んでいただきたい。
米国議会図書館にあるこの曲の筆写譜には、「12歳のジョアキーノ・ロッシーニ氏が1804年にラヴェンナで作曲した六つのソナタ作品」と記され、パート譜の余白にロッシーニ自身による書き込みもあるとか。
ロッシーニ一家は、1802年ごろから、イタリア北部ボローニャ近郊のルーゴという街に住み、一家のパトロンでコントラバス奏者だった実業家アゴスティーノ・トリオッシの別荘にたびたび招かれたようです。彼の楽譜への書き込み信じるならば、この曲は、その別荘に集まった仲間内で演奏するために作曲したもの。コントラバスの聴かせどころはアゴスティーノのために書かれた旋律と言えるかもしれません。
ただ、米国議会図書館に残されている楽譜の用紙はロッシーニが1808年から1812年にかけて使っていたものと一致するとか、とこどろころに修正の痕跡が残っているなどの指摘があり、ロッシーニが16歳になった1808年頃の作品ではないかともいわれています。真偽のほどはわかりませんが、まだ少年だったロッシーニが周囲の「遊び相手」ともいえる人たちと演奏するために書いた曲であることは間違いないようです。その遊び相手にヴィオラがいなかったからか、ロッシーニ自身のオリジナルにはヴィオラパートがありません。定期演奏会での演奏は、ロッシーニ自身のオリジナルではなく、のちに弦楽四重奏に編曲されたものです。
参考文献
- 「ジョアキーノ・ロッシーニ」 クラシック音楽データベース『Appollonia(アポロニア)』 2022年8月16日アクセス
https://appollonia.net/407 - 「ロッシーニ:弦楽のためのソナタ 第1番 ト長調」 『クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~』 2022年8月16日アクセス
http://www.yung.jp/yungdb/op_m.php?id=3401&category_id=3 - 「ロッシーニ 弦楽器のためのソナタ 第1番から第6番」 音楽愛好家のブログ『AndanteConMotoのブログ』 2022年8月16日アクセス
https://ameblo.jp/angelique-lilas/entry-10978048055.html
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