2022年8月12日金曜日

夏休みの自由研究~ヘンデル編~

 夏休みは、図書館で、定期演奏会で弾く予定の曲紹介のネタを探す。手始めに、ジョージ・フレデリック・ヘンデルの「Alcina」。本で調べると英語読みで「アルチーナ」と書かれているが、オケのみなさんはイタリア語っぽく「アルキーナ」と発音される。

 フルで聴くとこんな感じになる(いや、これは聴かなくてもいい。3時間以上あるんだぁと思っていただければ十分。もちろん、こんなのフルではやりません)。

 弾くのはその中のいくつかの舞曲。上手な演奏を聴きたい方は以下のYouTubeへのリンクでお楽しみください。

Entree
Gavotto(1)
Sarabande
Menuet
Gavotto(2) Tamburino

 この曲は、1735年4月にロンドンのコヴェント・ガーデン劇場で初演されたオペラです。

 ジョージ・フレデリック・ヘンデルは、ドイツ オーデル河上流の街、ハレに生まれ、ロンドンを中心にイギリスで長く活躍しました。当時のロンドンでは、オペラの上演が興行的におこなわれるようになり、多くの劇場が競うようにオペラ作品を世に送り出していました。ヘンデルは、そのような劇場のひとつだったコヴェント・ガーデン劇場のオーナーだったジョン・リッチと契約を交わし、1734~35年のシーズンに「ダンス・オペラ」と呼ばれる軽快なオペラを次々に発表しました。「Alcina」もそのひとつです。客のお目当てのひとつは、この劇場の専属ダンサーだったマリー・サレ嬢のバレー。そしてカストラート・ソプラノ歌手のジョヴァンニ・カレスティーニの歌声。「Alcina」には多くのバレーが組み込まれ、アンコールではきまってアリア「Verdi Prati」が歌われたといいます。「Alcina」は、この劇場とサレ、カレスティーニに捧げられた曲と言ってもいいでしょう。

 「Verdi Prati」は歌曲なので、今回は演奏されませんが、こんな曲です。


(参考文献)
  • 渡部恵一郎. 『ヘンデル』(大音楽家と作品 15). 音楽之友社. 1966. 巻末作品表 p.103, 「「貴族オペラ」とコヴェント・ガーデン劇場」
  • クリストファー・フォグウッド 著, 三澤寿喜 訳. 『ヘンデル:GEORGE FRIDERIC HANDEL』. 東京書籍. 1991. pp.217-222

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