2014年3月23日日曜日

お別れレッスン ~卒業します~

8年間お世話になったバヨ先生の最期のレッスンが終わった。

なんだか卒業式のような気分だ。

レッスンの内容はいつもの通りで、例えば、下げ弓のときはもっと前に手を出して、とか、前屈みになると楽器の角度が変わるからダメだとか、移弦のときは脇を意識してとか、そういうことなんだけれど、そこへの持って行き方がいつもと違っていて、最初に褒められて、せっかく出来ているのだから自信を持ってもっと弓を大きく使ったらもっといいですよ、と言われて、弓を大きく使うという文脈の中でそういう注意が出てくる。
いつもは、注意をされると、注意されたところばかり注意して、全体としては萎縮した感じになってしまうんだけれど、こう言われると、なんか、
もう貴方は大丈夫。ひとりでも生きていけるわ。
と言われているようで、自信を持って巣立って行ける気がする。

私が知る限りバヨ先生は、演奏活動はあまりされていなかったけれど、レッスンは何箇所かでされていたようだったから、ご自身の演奏会準備の片手間というのではなく、どう教えるかということをいつもよく考えてくださっていたと思う。
成績が良かったかどうかは別にして、無事こうして卒業式を迎えられた。感慨無量だ。

最後に、かねてから、先生が辞められるときには楽譜にサインをもらおうと心に決めていたのだが、今回はそれを実行に移した。
先生にサインをもらう用に買った、バッハ無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ、ベーレンライター版の表紙に、と考えていたのだが、たぶん、これにサインしてもらったら本棚の飾りになって、一生それを開くことはないだろうと思い留まって、思い出深いコレルリのトリオソナタの楽譜の表紙にサインしてもらった。
サインなんてしたことないから、持ってないですよ。
と仰っておられたので、これがバヨ先生が書かれた最初のサインというプレミアムも付いた。
残念ながらネットの公開はNGで、大事なものだからバヨ会に持っていてて見せびらかすこともしないと思うので、どんなサインだったかは、先生の美貌とあわせてみなさんの想像にお任せします。

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