2013年2月24日日曜日

娘の「辞めたい」危機

 今日はレッスンの日というのに娘はぜんぜん練習をしない。父は夜中にこっそり出掛けてカラオケボックスで練習をしたりするのだが、子供を夜中にそういうところに連れて行くわけにもいかず、昼間は昼間で練習しにくい雰囲気がある。

 ま、しかし今日はレッスン当日。さすがに練習するなとは言わないだろうと思っていた朝食のあと

娘 : あぁ~、どうしよう、宿題。ヴァイオリンの練習もしなあかんし、スタジオでやろうかな。
母 : あか~ん、先に宿題しなさい。
父 : え~やん、スタジオでやる方が集中できるんやろ。さき練習しよっ。

 この会話で娘のテンションは一気に低下。
 もともと、この宿題というのが曲者だ。一般的には宿題は先にやっておくべきもので、そもそも日曜日にまで残っているのは良くないことなのだが、娘の場合、この宿題というのが半端なく多い。学校から帰ってすぐに宿題を始めて、やっと晩ご飯までに終わるかどうかというぐらいの量が出ている。なんでも、クラスで授業中に騒いでいる子供がいたり、いうことを聞かない子供がいたりすると、「罰」として、全員に連帯責任で宿題がだされるらしい。しかも、内容は親が見ても子供が見ても、手間がかかるだけで中身の伴わないものが多いうえに、きちんと採点をしている様子もない。参観日に行った母親の話では、黒板の半分ぐらいが宿題忘れをした子供の名前で占められているらしいが、毎日やっていてもこれだけの負担になるものを、子供が忘れていたのか、出来なかったのか、サボっていたのか、他の事情があるのかは別にして、1日分のノルマが余計に重なるようなことがあれば、もはやそのノルマを果たすのは不可能で、宿題忘れが常態化するのは目に見えているのだが、そうすると今度は宿題をしてこない子供が多いと言って罰の宿題が出されるという。子供から聞く話なので、すべてを「そうか、そうか」と聞くわけにもいかないが、本人はこれで相当、学習意欲を殺がれている様子だ。スタジオで宿題をするというのは、父子でスタジオに行って、私がレッスンを受けている間、することがないので事務室で宿題をしていることを言っている。本当にすることがないので集中して勉強ができるようだ。宿題がない時はゲームに興じたりしていることもあるが、45分は結構長い時間だ。先に宿題をしていたら練習時間がなくなるばかりか、私がレッスンを受けている間はゲームの時間になる。そんなことをいろいろ娘なりに考えた今日の行動計画を母親に鼻から否定され、父の誘いもどこか「練習しなさい」という強制に聞える。これではテンションが上がるはずもない。

娘 : もういやや~。練習したらいいんやろ、はいはい。

 二階から聞こえる投げやりなヴァイオリンの音。妻は、いつも娘が宿題でイライラしているということを訴え出すので、それはそれで聞いてやらないと家庭の平和が維持できない。
 しばらくして、二階から降りてきた娘。何もやりたくないと言い出す。お昼に某ハンバーガーショップに行こうかと提案しても「食べたくない」というぐらいだから、かなりテンションが下がっている。

娘 : なぁなぁ、もうヴァイオリン辞めたい。
父 : へぇ、でも今日は行こ。
娘 : ・・・・
父 : 何て言って辞めるの。だんだん行かないようになって、いつの間にか辞めるの。
娘 : 来月から月1回だけにする

 月1回は行きたいのか・・。ま、それもいいかもしれない。
 昼からは、ミュートをつけて練習をした。そのうち娘のご機嫌も直って、「いっしょに練習しよう」と言ってくるのではないかと期待していたら、ノックの音があって、娘ではなく妻が来た。

母 : お姉ちゃんが明日から中間テストなんやから、ちょっと静かにしたげよし。

 あぁもう最悪。リビングに降りると、娘が「ちっとも練習できていない」と言い出すのだが、もはや家の中で練習することは出来ない。結局、ほとんど練習をしないままレッスンに行くことになった。

 この話、ちゃんと続きがあって、結局、続けることになるのだが、今日は記事が長くなったのでここまで。続きは気が向いたら書きます。

2013年2月18日月曜日

家での練習

 休みの日の朝にカラオケボックスで優雅なひと時を過ごすのはいいが、普段の日も、ちょっとでも時間があれば練習をしたい。それは上手になりたいということばかりではなく、ただヴァイオリンに触れいていたいという本質的な欲求でもある。とはいっても、会社に勤めていれば定時に帰れる日は稀で、夏でもとっぷりと日は暮れて、家族もみんな食事を終え、嵐のバラエティ番組だの、嵐が出演する歌番組だの、嵐の誰かが出演しているドラマだのを見ている時間にしか帰ることは出来ない。家の中で思いっきり音を出して楽器を弾くなど不可能。せいぜい、弦をポロンポロンとはじきながら譜読みをするぐらいしかできない。休みの日も、家族がまだ寝ている早朝こそ自由時間なのだが、一度家に帰ってから再びカラオケボックスに行くとなると、妻の冷たい視線が玄関先まで追いかけてくる。それに気を遣って家で練習するのだが、今度は近所に迷惑だという冷たい視線が、階段下のリビングから二階の寝室に刺さってくる。実際、今の季節ならどの家も窓を閉めているので、隣家からのヴァイオリンの所為で会話もできない、などといった状態にはならないはずだし、練習時間も日没までと決めているのだが。実際は家の外よりも家の中がうるさく、録り溜めしている嵐のバラエティ番組だとか、嵐が出演する歌番組だとか、嵐の誰かが出演しているドラマだとかを見るのに邪魔になるのかもしれない。ま、昨日のところではそういう一方的な言い方ではなく、婉曲に、二階のサッシを二重サッシにしようか、などといったことを言う。結露が激しいし暖房も効きにくいし・・・・、などというのだが、言いたいことは

いい加減にしいや
ということだろう。


 最近ヴァイオリンを始めた娘が、平日ぜんぜん練習をしないのにも、妻のこういうスタンスが少なからず影響しているはずだ。こうなったら、リフォームで家族の問題を解決する番組に応募して、

何ということでしょう
お父さんがいつも肩身を狭くしてヴァイオリンを弾いていたあの寝室が、防音対策ばっちりの音楽室に・・

なんてことをしてもらうしかないか。

2013年2月17日日曜日

新しい練習場所

 最近、近所に新しいカラオケボックスが出来た。近所といってもクルマでひとっ走りの距離なのだが、弾きたいという思いがあればそれほど苦になる距離でもない。そして有難いのは年中無休で24時間営業というところだ。
 まだ「初老」というには早いが、歳を重ねるにつれて夜更かしが出来なくなり、代わりに朝早く目覚めるようになる。会社が遠いので平日は比較的早い時間に起きないといけないのだが、休みの日でも同じような時間に目覚めるようになってきた。家族はまだ寝ている。この休日の朝というのが貴重な自由時間なのだ。ところが、さすがにこの時間に家の中でギーコギーコとヴァイオリンを弾くわけにはいかない。そういう時の強い味方がこういう24時間営業のカラオケボックスだ。
 今朝もいつもと同じ、東の空が白み始める時間に目覚める。外は雪が積もっていたが、道路は融けていた。家で朝食を済ませ、クルマを出してカラオケボックスへ。さすがにこの時間に歌っている人はそれほどいない。駐車場はガラガラ。部屋も選び放題。広めの部屋を借りて2時間ほど練習。途中、ドリンクバーでスープを飲んだりコーヒーを飲んだりしながら、優雅な朝のひと時を過ごした。

2013年2月5日火曜日

父の練習時間は・・

 娘のヴァイオリンの練習がなかなか続かないという愚痴をこぼしたが、それもそのはず。娘のやっているのは開放弦と1指だけ。順調に練習すれば、2~3回繰り返したところで10分と掛からない。これを延々30分も練習するのは苦痛だ。上手くいかなければ尚更苦痛で、いやそれを苦痛と感じさせずに出来るまでやるのが大切なのだが、なかなかそういうのも難しい。

 一方で父はどうか。
 ヴァイオリンの練習の時に持ち出す鞄には、いつもクラシックの名曲たちの楽譜が入れられている。どの曲も、プロのCDなどにも収録されている名曲ばかりで、CDなら3~5分、私の演奏なら5~10分ぐらいの大曲ばかり。そればヴァイオリンだけで6曲と、その上にヴィオラが5曲ほどあるから、ちゃんと弾けば通して弾くだけで2時間ほどになる。ところが、どれ一つとしてまともに最初から最後まで通せるものがない。
今日はまず手始めにカノンから
などとパッヘルベルのカノンをやってみる。前にレッスンで見ていただいているし、何度もバヨ会で弾いたこともあるので甘く見ているのだが、それが甘くない。すっかり指がマヒしていて、とにかく弾けない。弾けなくなったらそこばかり繰り返して練習するのだけれど、いつまでやっても弾けないから、飽きてきて次のフレーズに移る。そしてしばらく弾くのだけれど、また弾けないフレーズが出てきて、そこを繰り返して、弾けないとなるや、もう続ける気力がなくなってしまう。じゃ、次はこの前の発表会で弾いたばかりのシャコンヌ、それもダメなら前の発表会で弾いたAllaRusticaと、次々に曲を替えて練習するのだが、どれも最後まで弾けない。そして、ついに嫌になって止める。というのがいつものパターン。
 たとえ10分でも、決められた課題を最後まで弾ききる娘の方が偉いと言えば偉い。


2013年2月3日日曜日

娘は順調 父は・・・

今日はレッスン。いつも娘といっしょに行くのだが、前回は
お父さんがいると緊張する
と嫌がられて、娘のレッスンの間、下の事務室で待つことになった。今回はどうするのかと訊くと、緊張するけど、練習見てもらうのに先生の話いっしょに聞いてほしいし・・・・ でもどうしよう・・・・ などと、やはり嫌がっている様子。しかし、練習はしなければ、という意欲はあるようなので、これはまずまずではないだろうか。
 出掛ける前にレッスンの感想を聞いてみたのだが、バヨ先生のレッスンはとても楽しいという。ヴァイオリンを買い与えた時に、ケースを背中に背負って見せて、「発表会の時にバヨ先生が背中に背負ってはったし、私も背負う」などと言っていたのだが、その段階ですでにバヨ先生への信頼はばっちりだ。若くてきれいな女性が凛とステージに立ってヴァイオリンを弾いている姿は、小学生の女の子にとってはひとつの憧れなのだろう。自分もそうなりたい、と思うのは信頼や尊敬の第一歩ではないだろうか。レッスンが始まると、そうした外面的なところだけでなく、言葉や表情のひとつひとつに自分が大切に扱われていることを感じるのか、ますます先生への信頼が深まっているように思う。これは本当に良かった。

 娘のレッスンは、まだやっと今日、開放弦が合格になったところ。今日は1指だけを使う「ラーシーラーシー」シリーズもいくつかマルをもらって、いよいよ3指まで使うところが宿題に出された。私も最近まで心許なかった重音のところもお褒めの言葉をいただいて、本人もとても嬉しそうにしていた。

 私のレッスンの間は、娘は事務室で宿題をしていたりゲームに興じたりしているのだが、今日はレッスンが終わったところで、再び娘を褒めていただいた。よく練習しているみたいですね、とのことだが、実はそんなに練習はしていない。前回のレッスンから今日まで、昨日20分ほど、今朝10分ほどだ。いま貰っている宿題はそんなに難しいものではなく、こればかりを20分つづけるというのも結構な苦痛になるはずだ。だから、10分だけでいいから毎日でも練習してくれれば、だいぶ良くなるのに、と思っていたのだが、先生からは、あまり詰め込まずに、いまは週2回ぐらい。同じことばかりやって飽きるようだったら、合格した開放弦のところからもう一回やればいいですよ、とのことだった。

 ともあれ、娘は順調
 それに比べて父は・・・・