2023年1月26日木曜日

リバーサルオーケストラ

  数年に一回の割合で制作されるバヨネタドラマが、また始まりましたね。自分で楽器を弾いていると(もちろんプロでもないし天才でもないけど)、世間の人は見ないようなところに目が行ってしまう。台詞の言い方とか、表情の作り方とか、そんなのは放っておいて、まずは、楽器を弾く演技を見る。今回はプロの演奏家という設定だから、音は吹き替えだとわかっているのだけれど、どれぐらいそれらしく見えるか。まずここで「お、おっ」となる。結構、ちゃんと弾けているように見えるじゃん。俳優さんてすごいな、とつくずく感心する。

 そうそう、俳優さんって、ただ弾いている演技だけじゃなくて、表情も作らないとダメなのね。楽しそうに弾くとか、不安げに弾くとか。これは大いに参考にしなければ。発表会でも演奏会でも、オーディエンスは目を瞑って聴いているわけじゃないから、楽しそうに弾けば楽しい気持ちになるし、不安げだと「大丈夫か、この人?」って思ったり、何がそんなに不安なのだろうと演奏の上手くできていないところを見つけようとしたり、べつに悪気はなくても無意識にそうなってしまう。それは天才ヴァイオリニストでも、私のような素人でも同じだと思う。

 このブログでも何度か書いているけれど、アンサンブルをやっていると、いっしょに弾いて弾きやすい人って、実際にいる。門脇麦が演じる天才ヴァイオリニストがコンミスとしてやってくることによって、オケ全体の力量が急に上がるというのも、あながち無理な設定ではない。それに、そういう人と弾くのって楽しいから、演技じゃなくても楽しそうな表情になっているはず。すると、実際のレベル以上にレベルが高くなったように聴こえるはず。

 天才ヴァイオリニストが、いままで座って演奏したことないからと、座って弾く練習をしているのとか、あ~あるある、って感じ。「弓付けて」ていわれてコンミスがキョトンとするシーンを見て、そっか、弓順ってコンミスがきめるんだぁ、なんて思っているのは、うちがポンコツオーケストラだって吐露するようなものか。うちの場合は、本番その日に決まったりとか、いっそ何も決めないままステージに載ってたりとか。

 初回は舞台設定のようなもの。第二回は遅刻魔のフルート奏者、第三回は世捨て人のようなティンパニー奏者にスポットが当たった。次回はいよいよヴィオラ奏者にスポットが当たる。この世間ではあまり知られていない楽器がどのように描かれるのか。セカバヨのYouTubeとどっちが注目を集めるのか…

 と、こんなふうに、世間一般にウケるかどうかはまったく関係なく、こういうのはやっぱり見てしまう。

2023年1月21日土曜日

コロナ後の年間スケジュール

  昨年に再入団したアンサンブルは、秋に定期演奏会がある。昨年は10月だった。11月には保育園に招かれて演奏する。以前は6月に姉妹アンサンブルの演奏会があって賛助出演していたのだが、コロナのためか他の事情か、そのアンサンブルの活動が出来ていなくて演奏会もなくなった。その穴を埋めるように、昨年は6月に野外演奏会を開催して、歌謡曲だとか唱歌だとかの比較的軽い曲や、クラシックでもパッヘルベルのカノンとかアイネクライネナハトムジークとかのお馴染みの曲ばかりを弾いた。そのかわり定期演奏会は本格的なクラシックの曲ばかりという選曲になった。

 保育園の演奏が終わってから、来年(つまり今年のことね)の野外演奏会はどうしようというような話題になっていたのだが、結局やらないことになって、定期演奏会まで、このアンサンブルで人前で弾くことはなくなった。

 6月にやるかやらないかという話をしていた時は、やるという前提で、どんな曲がいいかとそれぞれが軽めの曲を出し合っていたのだけれど、やらないと決まると、秋の定期演奏会にフォーカスが当たる。まだだいぶ期間もあるから、モーツアルトに挑戦してみよう、というので、いまこの曲を練習している。

 ディベルティメント ヘ長調 K.138。

 まだまだ練習を始めたばかりだし、それに本当にこの曲をやるのかどうかも決まっていないのだけれど、やっぱりモーツアルトは楽しい。いや、まだ弾けないところがたくさんあるし、3楽章なんてウダウダなんだけど、それでも
ちゃんと弾いたら楽しい曲だ
ということがわかる程度には弾けている。

 ご指導いただく先生にとっても、大学生だったころにみっちり絞られて何度も練習した思い出深い曲だったらしく、また、数年前のこのアンサンブルだったら到底弾けないレベルの曲が、なんとか形になっていて、練習を続けていけば定期演奏会で弾けるかもという手応えを感じられたようで、いろいろ感慨深げな様子だった。

 そういえば、この記事が今年最初の記事。
 ことしの目標は?
 えっと、

 もう、毎年お馴染みなのだが、年末までヴィオラを続けていること。
 そして、このブログも続けること。

 それから、定期演奏会でモーツアルトのこの曲を弾くことかな。

2022年12月8日木曜日

4月の発表会に向けて

 アマオケに入団すると、どうしても演奏会の曲を練習する時間が長くなって、スタジオのレッスンが後回しになりがち。いぜんは、アマオケで弾く曲をスタジオのレッスンで見ていただいたりしていたのだが、数年のうちに状況が変わって、スタジオはスタジオ、アマオケはアマオケと、それぞれ切り分けて、アマオケの曲はスタジオに持ち込まないことにした。

 いちばん大きな変化は、スタジオでもアンサンブルのレッスンが始まったこと。ヴァイオリン2人とヴィオラで始めたレッスンが、最近はチェロも参入して弦楽四重奏のレッスンに。難易度はそれほど高くはないけれど、これはこれでしっかり練習していかないと、みんなのレッスンを無駄にしてしまう。

 二つ目の変化は、これまでの2年に1回のスタジオの発表会に加えて、毎年3月か4月に、先生が主催される発表会ができたこと。アンサンブルも発表するのだが、ソロの発表もしたいとなると、それなりに練習もレッスンも必要になるので、レッスンでアマオケの曲を見ていただくような時間もない。

 とはいうものの、やはりアマオケの定期演奏会のような大きなイベントが近づいてくると、家でする練習時間のほとんどはアマオケの曲に取られてしまう。しかし、それも落ち着いて、やっと少ない練習時間から発表会の曲に割く割合を一定確保できるようになってきた。

 以前の記事で練習がスランプに陥っている話を紹介したが、その後、少しずつ曲を通して弾けるようになってきて、それなりに練習が進むようになってきた。正確に言うと、いつもつまずくところがだいたい決まってきて、そこはそこでそこだけ練習する、というようなスタイルが定着しつつあるところ。できないところばかり繰り返し練習するのは、やはり精神的にはきついのだが、もうどこが弾けるのかわからない、という状態から考えると、数段、ステージが上になっていると思う。

 もっか練習しているのはこれ。動画は普通にヴァイオリンで弾いているけれど、ヴィオラ用にオクターブ下げて譜面を起こした。

  これ、いっかい6年前のスタジオの発表会で弾いている。しかし、いろいろ不本意な演奏だった。スタジオの発表会はまだだいぶ先なのだが、その前に先生主催の発表会があるので、そこでリベンジをしたい。そんな感じの選曲なのだ。ただ、練習していると、よくこんなので発表会に出たなぁ、とつくづく思う。

ぜんぜん弾けてないじゃん。

6年前の無謀ぶりを改めて省みつつ、リベンジに向けて、少しづつでも前に進む。

2022年12月1日木曜日

新型コロナウィルス感染!

 流行しだした頃は、こんな記事を書いたら、なんて不謹慎なとバッシングの嵐を覚悟しなければならなかったものですが、だいぶ風向きが変わってきました。届け出があるだけでも、もう国民の4~5人にひとりが罹患しているのですから、もはや「国民病」※1。誰もが順番に罹る「当番」か「お勤め」のような病気になり、罹ったことを隠さないといけないような雰囲気とか、最初に罹ったのは誰だ的な犯人捜しの雰囲気は、いつのまにかなくなってますよね。

 それで、私にもそのお勤め当番が回ってきました。土曜日辺りから倦怠感があり、ひどい眠気があるのによく眠れないという予兆があって、日曜日に微熱、食欲の著しい減退。夜中になると38度台まで熱が上がり、月曜日に発熱外来を受診。PCR検査を受けて火曜日に新型コロナウィルスに罹患していることがわかりました。熱はいったん下がったものの、鼻詰まりや咳込みがひどくなり、火曜日から再び微熱とひどい倦怠感に苦しみました。きっとこれでも「軽症」なのでしょう。

 会社は1週間休み。休んでいいとは言われるけれど、その間、別の人が仕事を全部やってくれるわけではないので、これも痛しかゆし。症状のあるうちは休めて有難いけれど、症状が軽くなって普通に生活できるようになると、狭い寝室に閉じこもって、食事も家族に運んでもらい、トイレに行くときは、アルコールの瓶を持って声を潜めて行く、歯を磨くのも家族が寝た後、というような生活をしていると、会社行っている方がよくね、と思ってしまいます。まあ、インフルエンザの場合も同じなので仕方ないですが。


 火曜日までは、ひどい倦怠感で、新聞さえ読む気がしなかったのですが、水曜日ぐらいから徐々に体調が戻り、ネットニュースを見たり、動画を見たり、本を読んだりと、少しづつ集中力のハードルを上げて、ついにヴィオラケースを開くことに。体調は良くなったとはいえ、いちおう病人ですから、思いっきり音出し練習、なんてことはせずに、まずはフィンガリングだけ。そのあとは指ではじいて軽く音を出すぐらい。

 時間はたっぷりあるのだけれど、病気による倦怠感があって、なかなか長時間、集中して練習ができません。メトロノームを鳴らしながら左手を運ぶ練習をしていても、どこかでつまずいて、やり直してもうまくいかなくて、なんてことが続くと、たちまち練習が嫌になってしまいます。いや、これ、病気の所為じゃないかも。


 木曜日の朝の状態は、頓服を服用しないで熱が37度前後。読書したり考えごとをするぐらいの集中力は回復。ときどき咳込みがあり、食欲は油脂や刺激物以外なら何でも受け付ける程度。出口が見えてきました。

 以前は、罹患する前の行動を事細かに聞き出されて、それが無防備に世間に晒されたりしたものですが、いまはそういう尋問もなく、私の場合はどこで罹ったのかは不明。どんなに注意していても、絶対に罹らない方法なんてないのだから、それでいいと思います。これで、罹った人が適切な治療を受けられなかったり、重症化しても放っておかれたりすることのない「罹っても大丈夫」な社会が出来れば、「withコロナ社会」といってよいのではないでしょうか。


※1 デジタル大辞泉で「国民病」の意味を引くと「国民の多くがかかり、人口が減ったり生産力が下がったりするなどの大きな影響を及ぼす病気」となっているので、まさにそのとおり。昔の結核のような不治の病ではないので、人口が極端に減ることはないけれど、生産力は下がって、いろいろ問題を引き起こしていますね。クルマが納車されないとか。

2022年11月25日金曜日

「パヴァーヌ」の蘊蓄

  『カプリオル組曲』とその原典である『オルケゾグラフィ』についての蘊蓄をつらつら書き記すシリーズ記事。前回の「バス=ダンス」に続いて、今回は「パヴァーヌ」についての蘊蓄です。


アルボー

…パヴァーヌは廃れてしまったわけでも、まったく踊られていないわけでもありません。昔ほど頻繁に踊られていないことは事実ですが、私は、決して廃れることはないと思っています。パヴァーヌは、一般的にバス=ダンスの前に踊られていたものです。今の楽士は、良家の娘が結婚式を挙げるために教会に向かうとき、また何某かの名士の信徒会の司祭たちや旗手や会員たちを先導するときにパヴァーヌを演奏します。

p.28v


カプリオル

このパヴァーヌとバス=ダンスは、優雅で荘重なものであって、高貴な方、とくにご婦人方や令嬢方にふさわしいと思います。

アルボー

貴族の男性が踊るときはケープや剣をつけたままでよいのですが、あなたのようなそれ以外の人たちの場合は、長い上衣をまとって礼儀正しく落ち着き払って足を運びます。そして令嬢方はつつましやかな物腰で目を伏せ、時おり、処女のような恥じらいをもって列席の人々を見ます。とくにパヴァーヌは、厳かな祝祭の日に、王や王子や大貴族たちが、立派なマントや儀式用の服に身を包んで姿を見せるときに用いられます。もちろんそのとき、王妃や王女や貴婦人たちも服の裾を長く引いて、時には令嬢方に裾を持たせて共に進みます。

pp.29r-29v


 踊りというよりも、舞踏会の会場に高貴な方が入場されてくるときの入場行進曲のような体のようです。『カプリオル組曲』では2曲目に配されていますが、1曲目にした方がよいのかもしれません。インパクトは確かにバス=ダンスに敵いませんが。

 『オルケゾグラフィ』には「4声のパヴァーヌ」という譜表が掲載されていて、歌詞も書かれています。太鼓をバックにした合唱曲のようです。再現してみました。


 なかなかいい感じです。歌詞は再現できませんでした。初音ミクを連れてくれば再現できるかもしれないのですが…

 『オルケゾグラフィ』も『カプリオル組曲』もまだまだ続くのですが、『オルケゾグラフィ』で通読して面白いのはここまで。実は、この2曲は比較的、ダンスのステップが単純で、『オルケゾグラフィ』を読むのにそれほど苦労はありませんでした。この先はステップが格段に難しくなります。ひとつひとつのステップについては、挿絵を見て、文章を読んで、自分でやってみて、というようなことをしながらでないと理解ができません。そして、ひとつひとつのステップを理解したうえで、そのステップをどの順番で踊っていくのかが説明されています。『カプリオル組曲』に収録されている舞曲だけでなく、ガボットとかクーラントとか、わりとお馴染みの曲についても解説されているのですが、ステップの解説を、辞書を引くように見ながら読まないと、どんな踊りなのかよくわかりません。

 それで、図書館で借りた本はいったん返却して、本屋さんに取り寄せてもらうことにしました。暇なときに真剣に読もうと思っています。

 演奏の方もちょっと難しくなって、踊りの練習をしている場合ではないのですが…。

 そんなことで、再開がいつになるかはわかりませんが、奮発して本も買ったので、たぶん、いつかこの続きの記事を書くと思います。お暇な人だけ見てください。