2023年8月21日月曜日

ホルスト 組曲「惑星」より 「ジュピター」の主題

 定期演奏会の曲紹介シリーズ。今日からはいわゆる「小品」です。ホルストの「ジュピター」ですが、平原綾香が歌って有名になった主題の部分だけを弾きます。小品だからと言って、曲紹介の手を抜くことはありません。

ホルスト 組曲「惑星」より 「ジュピター」の主題
The Theme of “Jupiter, the Bringer of Jollity”
from the Suite “The Planets” Composed by Gustav HOLST.

 1979年、アメリカの惑星探査機「ボイジャー」1号、2号が相次いで木星に接近し、それまで私たちが想像すらすることのなかった写真を地球に送ってきました。写真は世界中に配信され、日本の新聞も、当時は珍しかったカラー写真を1面に掲載しました。アメリカ大統領も、石油利権で巨万の富を築く大富豪も、東洋のあまり裕福とは言えない家庭の少年も、同じ写真を見て、同じように興奮しました。

 グスターヴ・ホルスト(Gustav Holst. 1874.9.21 – 1934.5. 25)がこの曲を書いたのは1914年ごろ、正式に初演されたのは1920年。木星に関する科学的知見は限られたもので、もちろん写真もありません。彼がモチーフとしたのは神話や占星術、そして彼自身の想像力。21世紀になっても、私たちが木星についてイメージするのは、ボイジャーが撮影した写真と、ホルストのこの旋律でしょう。彼の想像力の翼は、夜空に輝く星にまで届いていたともいえます。

Wikipedia(日本語版)より
  • 「惑星 (組曲)」 https://ja.wikipedia.org/wiki/
  • 「グスターヴ・ホルスト」 https://ja.wikipedia.org/wiki/グスターヴ・ホルスト
  • 「ボイジャー計画」 https://ja.wikipedia.org/wiki/ボイジャー計画

 インターネットで木星の画像を検索すると、ほんとうに鮮明な画像がいくつも見つかります。これ、ぜんぶボイジャーが地球に送ってきた画像なんです。いまから半世紀前ですよ。グランドキャニオンの画像とは訳が違うんです。でも音は聞こえません。グランドキャニオンなら、その場の空気を五感で感じることもできますが、それもできません。

 そういう意味で音楽は素晴らしい。こうして木星の「音」を感じることが出来るのですから。

0 件のコメント:

コメントを投稿