定期演奏会の曲紹介シリーズ。いよいよ最後の曲です。今回の定期演奏会で演奏する曲の作曲者の中で、唯一、現在もご活躍中の方の作品です。ご自身のWebサイトもお持ちですので、インターネットから比較的信頼性の高い情報を収集できるのですが、いろいろ苦労もしました。たぶん、今回の曲紹介の中でいちばん苦労したと思います。
ラター 「古風な組曲」 ジョン・ラター(John Milford Rutter. 1945.9.24 - )は、イギリスで活躍する作曲家。作曲だけでなく、編曲や指揮など、いまなお精力的に活動している現役の音楽家です。「古風な組曲」は、ロンドンの西、ウィンザー・メイデンヘッド王室特別区で2年に一度開催される「クッカム音楽祭」のために、彼が1979年に作曲したものです。この年の音楽祭では、バッハのブランデンブルク協奏曲第5番が演奏されました。彼は、バッハへのオマージュとして、それぞれの曲がブランデンブルク協奏曲第5番と同じ楽団編成で演奏され、ブランデンブルク協奏曲第5番と同じようにフルートとハープシコードの絶妙な掛け合いが魅力的な、6曲で構成されたこの組曲を、この音楽祭で初演しました。 そんな中でも、2曲目のOstinatoは、バッハの曲とはずいぶん異なる様相のリズミカルな曲です。4曲目のWaltzは、彼のWebサイトによると、ジャズの巨匠、リチャード・ロジャース(Richard Charles Rodgers. 1902.6.28 – 1979.12.30)のスタイルを取り入れているとか。しかし、全体的にはバッハの時代へのインスピレーションをはっきりと聴き取ることが出来る構成となっていると言われています。バッハがブランデンブルク協奏曲を進呈したのは1721年。300年の時空を超えて、バッハを現代に蘇えさせる壮大なタイム・トラベルをお楽しみください。 |
John Rutterのサイトより
John Rutter biography https://johnrutter.com/useful-info/press-resources
Suite Antique https://johnrutter.com/music/printed-music/catalogue/suite-antique
いずれも2023.8.15アクセス
Oxford University Press. 『John Rutter Suite Antique Full Score』
edy musicサイトより
【プーランクから】現代の作曲家も古楽器がお好き?チェンバロ編【フランセまで】
https://edyclassic.com/2688/
【冬に聴きたい】「ほっこり」クラシック【愛らしいディーリアスの佳作】
https://edyclassic.com/2480/
いずれも2023.8.15アクセス
Cookham Festival 2019 http://www.cookham.com/cookhamfestival2019/index.html
What is the Cookham Festival?
http://www.cookham.com/cookhamfestival2019/PDFs/WhatIsTheCookhamFestival.pdf
いずれも2023.8.15アクセス
モリタブさんのブログ「遊び心満載 初心者向けジャズ/大人の趣味/サラリーマンブログ」より
リチャード・ロジャースの代表曲・ヒット曲をジャズ初心者にも分かりやすく説明します!
https://moritablog.com/jazz-richard-charles-rodgers
2023.8.15アクセス
Wikipedia(日本語版)より
ジョン・ラター https://ja.wikipedia.org/wiki/ジョン・ラター
https://johnrutter.com/useful-info/press-resourcesより
インターネット上に、ご本人がアップされている情報も含めて、さまざまな情報があるのですが、ほとんどが英語。Google翻訳さんのお世話にずいぶんなりました。
何に苦労したかというと、作曲者ご本人は「ブランデンブルク協奏曲第5番へのオマージュ」と仰っているのですが、私のような素人が弾いていても、ブランデンブルク協奏曲のイメージがなかなか聴き取れないこと。リチャード・ロジャースの方がなんだかしっくりきます。ことさらにブランデンブルク協奏曲のことばかりを書くと、なんだか、自分が思っていないことを、他人の言葉を借りてきてそれらしく書いているような、空々しい曲紹介になってしまう。それじゃたぶん、いっしょに演奏しているオケのみなさんもそんなふうに感じると思うし、その空々しい感じが客席にも伝わってしまう。でもご本人はブランデンブルク協奏曲のオマージュだと仰っているし、他のレビューサイトなどを見てもブランデンブルク協奏曲に言及している。そんなわけで、空々しくならないギリギリのところで書いています。
さてさて、オケのみなさんの評価は如何に?
評判がわるければ、当日のプログラムでは全面的に書き換わっているかもしれません。