今年の定期演奏会ではMOZARTのピアノコンチェルトがある。ホールでピアノを借りると、前日のうちに調律をしてくださるようだ。少し早めにリハーサルに行くと、ちょうど調律の最中だった。その音は「森」の匂いがした、かどうかまでは聞き取れなかったが、調律師のお兄さんは鈴木亮平っぽい好青年。メンバーの中にも自宅のピアノを調律してもらっている人が多いようで、何人かの方に声を掛けておられた。「少し間が空いていますね」とか「最近ピアノを拝見していませんね」といった会話が多いようだったが、そんなに間が空いているのにお客さんを覚えておられるというのはなかなかすごい。私には出来ない仕事だ。
さて本番。前半が終わって休憩時間になると、ステージの中央にピアノを出す。
おぉでかい
田舎町の小さなホールとはいえ、学校のピアノよりは一回り大きいコンサートピアノ。屋根を開けると自分の席から客席はまったく見えなくなった。
普段の練習ではピアノはないので、ピアノと掛け合わせた練習は数回しかしていない。拍が上手く数えられない私としては、ピアノのフレーズから出るタイミングをとったりする練習が欲しいところなんだが、そうも言ってはいれらない。当日のゲネプロでも出るタイミングを間違えているようなところが何箇所かあって、あわてて楽譜に書き込みをしたりしていた。特にヴァイオリンが先に出て、ヴィオラがそれと掛け合うように出ていくところが何箇所かあって、そこはヴァイオリンのフレーズを楽譜に書き込んで、それを聴いて出るようにしておく。ゲネプロでこんなことをしているのだから、なんとも心許ないが、やはりやっておいて正解。おかげで少なくとも本番で飛び出すことはなかった。ピアノで客席から見えないという気楽さもあって、長い休符の間は客席と一緒にピアノの演奏を聴く余裕さえあった。
MOZARTが終わると、ピアノを片付けて、再び客席から見えるようになる。そして最後のJohn RUTTER。これは正直、かなり弾けない部分があって、特に1楽章と4楽章の急楽章では半分ぐらいはトリアージの対象となった。いつも思うのだが
ちゃんと弾ければもっと楽しい
のに、と今回も思った。しかしそれも、やるだけのことはやったうえでのことなので、勘弁してもらうしかない。
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