いつものスタジオのレッスンとは別に、数ヶ月に1回の割合で受けているアンサンブルのレッスンがある。こちらの方も発表会というのがあって、他の受講生はそれぞれソロの発表をされて、最後にアンサンブルの発表ということになっている。初めてのところなので勝手は分からないが、たぶん、内輪の「弾き合い会」的な要素の強い発表会ではなかろうかと思う。そのあたりは、毎週、練習に行っているアンサンブルの「演奏会」とは様相が違う。演奏会というのは、基本的にはメンバー以外の聴衆を入れて弾くものだ。発表会の方は、たぶん子供の受講生ならお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんが総出で聴きに来るが、そういう人たちは自分の子供なり孫なり以外の演奏にはあまり関心がないから、アンサンブルの発表のときには果たして聴衆はいるのか???
しかし、だから演奏会の方が発表会よりも演奏のレベルが高いわけではない。発表会で弾くのは1曲だけだし、数ヶ月に1回とはいえ、その1回のレッスンでは2時間の間、その1曲だけを練習する。毎週通っているアンサンブルの方は、指導される先生のキャラクターもあるのかもしれないが、同じ曲を何度も弾くようなことはしないし、同じフレーズの練習を、そこが出来るまでやる、というようなこともない。中には結構、上手な人もおられるので、いちおう最後まで通せるけれど、たとえば音程がぴったり合うとか、そういうことはあまりない。ところが、2時間の間、1曲だけを弾く方のレッスンは、出来ないところは繰り返し練習させて、音程もリズムもぴったり合うまで指導される。どっちも私にとっては結構ハードなタスクだ。
その数ヶ月に1度のハードなレッスンが、先日のロビーコンサートと重なってしまって、1回お休みになった。その分を補うために、はじめてそこのスタジオで個人レッスンを受けることにした。
初めてのことなので、アウェイ感満載。入り口で靴を脱ぐのはアンサンブルレッスンのときと同じだが、そのあと果たして部屋に入っていいのかどうか(たまたまその日の先頭だったので入っていいみたいだった)、入ったら今度はどこで待っていればいいのか(あとでわかったが、外で待っていないとダメだったみたいだ)、レッスンが始まると、立って弾くのか座って弾くのか、どこに座るのか、最初は曲を通すのか、ぜんぜん別の指示があるのか、おろおろするばかり。
レッスンを受けてわかったことは、
ハモるとキレイ
ということ。先生と二人なので、きれいにハモればノイズなくハモる。大勢でやっていると、いくら同じフレーズを繰り返し練習しても、こんなレベルでハモることはない。毎週何曲も通すだけのアンサンブルだとなおさらで、本当はキレイな和音を聴かせるところでも必ず濁った音がする。ところが二人で弾いていると、ハモっているときとハモっていないときは、はっきりわかる。それでハモっていないところは、普段は自分がハーモニーを濁しているということだ。
個人レッスンは初めてなので、先生も気を遣っておられるのか、あまり厳しいことは仰らず、ハモっていないところを何箇所か拾って、「この部分、もういちど弾きましょうか」という感じでソフトに、「ここ、ちゃんと音程を合わさないとダメですよ」という趣旨のことを仰る。普段からソロのレッスンを受けておられる方に様子を聞いていると、ちょっとでも音程が合わなければ目からビームが飛んでくるのではないかと思われるほどハードなレッスンのようなのだが。たぶん、2度目のレッスンになると、前のレッスンのときに言ったことが直っていないので、やや厳しさが増し、3度目になると、何度言っても直らないのでさらにハードになっていくのだろう。もういちどこの先生の個人レッスンを受けることがあるかどうかは分からないが、違う先生のレッスンを受けるというのは、結構、勉強になるかもしれない。