2017年4月2日日曜日

ゆっくりの練習は一人でしか出来ない

 楽器の練習はどの楽器でも同じだと思うのだが、新しい曲をもらって、それがいちおう弾けるようになるまでは、かなりの忍耐が必要だ。いや、誰でもそうとは思わないが、私のように譜読みがままならない上に、読めたとしても思ったように手が動かないとなると、もらった曲をひと通り通すというところまでがとても長い。それが弾ければ達成感もあるし、曲に興味があれば、他のパートが重なるところを想像して、一人盛り上がったり、楽譜に書かれている強弱記号とかを手掛かりに、「ここはこんな感じかな」なんてことを考えて工夫してみたり、それで何となく完成度が上がったように勘違いしてまた盛り上がったりと、練習も楽しくなってくるものだ。しかし、その前段階は、出来ないところで止まると、何度やり直してもそこを越えられない、ということの連続。最初に止まったところは何回でも練習して乗り越えるのだが、次に止まったところは3回やって出来なかったら、お菓子とかコーヒーとかスマホに手が伸びてしまう。

 もっか取り組んでいるのは、もらった3曲の中でいちばん美しいと思った Mozart の "Exsultate Jubilate" の第1楽章。この前、練習を見学したときは、ほぼ本番のテンポ通りに弾いておられたので、5月の練習合流までにそれぐらいまではやっておきたいところ。四分音符120ぐらいだ。
 ところが、出だしの16分音符で先に進まなくなる。焦れば焦るほど、フィンガリングとボウイングが合わなくなってしまう。特に小指を出さなければいけないところはフィンガリングが遅れがち。レッスンで見ていただいている曲で、小指を巻き込まないようにする練習をしてきたのだが、こういうところでその成果が発揮できない。

 先生曰く
 駄目ですよ。速く弾いちゃ。
 まず、最初から最後までゆっくり同じ速さで弾けるようになってから速くするんです。

 やっぱりお見通し。
 でも先生、5月までにこのテンポで弾きたいんです。

 その練習は5月になったら出来ます。
 ゆっくり弾く練習は一人でしか出来ないですよ。

 深いよ!
 深いよ、先生。

 まずは、メトロノームなしに、フィンガリングの練習だと思って、最初の16分音符を、小指を巻かないように気を付けて弾く。この曲はヘ長調なので、D線とG線の2指が1指にくっつく形になる。その状態で3指をポイントするとどうしても4指を巻いてしまう。この前までレッスンで見てもらっていたのはト長調だったので、2指は3指の方にくっつく形。私の場合、これだったら小指を巻かないで3指をポイントできるようになったのだが…。
 そんな泣き言をボソボソ言いながら、4指で関係のない隣の弦を押さえた状態で他の指を動かす練習。譜読みどころではない。

 嗚呼まだ先は長い

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