2014年8月31日日曜日

発表会レポート~展開部~

 ソロの曲が片付いたら、今度はアンサンブルの練習とリハーサル。

 ここで大きな問題がふたつ。
 まずひとつ目は、メンバー5人が集まって弾くのはこの日が初めてだということ。5人のうち何人かが集まったことは何度かあったのだが、全員が集まることは終ぞなかった。そこに加えて、アンサンブルをご指導いただくはずのバヨ先生が体調不良でお越しになれず、指導者もいないところで素人集団が闇雲に練習して本番、というかなり大胆な状況になってしまった。

 ここで、これまでの練習でも問題になっていたペースの問題が一気に露呈。
 このアンサンブルに限ったことではないが、合奏すると、いちばん音符の多いパートが何故かいちばん走ってしまうという現象。音符が多いから速く弾かなきゃ、という思いが先行し、しかもそれに必死になるので他のパートが聴けずに自分一人走ってしまうというやつだ。バヨ会でも何度か経験しているのだが、誰か指導する立場の人がいてくれるとわりと解消できるのだけれど、今日はそうもいかない。こういうところで先生の偉大さを感じる。

 楽屋での練習がこんな状態で迎えたステージリハーサル。前回の発表会で伴奏をお願いしたピアノの先生にご指導をお願いして弾いてみるのだが、ご指導いただくまでもなく崩壊。会場にはいろんな楽器の先生がおられるのだが、みなさん異口同音に「速い」というご指導。メンバーのひとりも

ちょっと笑っちゃいましたね

なんて言うぐらいの崩壊ぶりだった。ま、あそこまで崩壊すると笑うしかない。

 そうはいうものの、なんとか本番は大過なく最後まで弾きたい。メンバー5人が集まったのは今日が初めてなのだから、まだ5人で練習した時間は1時間もない。これから本番までにこれの倍ぐらいは練習できる。

 楽屋はピアノを使った練習をされる方に譲って、今度はロビーで練習。
 果たしてこれは、お客さんの呼び込みになるのか。
 と、そこに乳飲み子を連れた美しいご婦人がこちらの方をご覧になっている。あ、3月までお世話になっていたバヨ先生ではないか。生まれたばかりのお子さんを連れて聴きに来てくださったんだ。うゎ~可愛い。こんな小さいのにしっかり二重瞼。先生に似て美人。知らない人がいっぱいなのに全然嫌な顔しない。まるで発表会に出るようなシルク様のドレスを着せてもらっている・・・
 いやいや、それはそれとして、ここはこの先生にご指導をお願いするしかない。

 笑っちゃいましたね、などとはいいつつ、メンバーとしてはかなり焦っているところなのだが、先生は終始笑顔。

大丈夫ですよ。大丈夫ですよ。

と仰るのは、論理的には何が大丈夫なのかわからないが、とにかく大丈夫なんだろうという暗示に掛けられる。ご指導とはいっても、先生の前で1回通せるかどうか、ぐらいの時間しかない中で、何も理屈は仰らずに、

もっと出して、ほら、

みたいなことばかり。ところが、これの効果がすごい。本当にそれで大丈夫になってしまう。なんとなくこれで本番も行けるような気がしてきた。

(つづく)

発表会レポート~提示部~

 もうすでにこの発表会も4度目。
 最初のうちは、他の人が上手に弾くと、それよりも上手く弾かなければ、という思いに縛られていたのだが、今回はすっかりそこから解脱している、と思う。誰かと競って勝たなければという思いに縛られる必要がないのは、オリンピックに出場するアスリートとは明らかに違う。いや、オリンピック選手ももしかすとと、そこから解脱したところに結果があるのかもしれないが。

 今回の発表会で発表するべきものは、これからもヴァイオリンを続けますよ、という意思だったかもしれない。昨年の今頃、諸般の事情でヴァイオリンを続けられず、いったん中断したあと、いろいろな思いを巡らせて復活。長い間お世話になった先生がご退職されたり、このブログに書いていること、書いていないこと、いろんなことがあって、けっして順風満帆でも、お気軽お気楽でもなかった。そういう中で弾くバッハ無伴奏は、「これからも続けるぞ」という静かだけれど固い意志が込められているように思える。
 そりゃもちろん、聴いている人にそんなふうに聴いてもらえるような演奏もできないし、弾いていてもそんなふうには聞えないのだが、そこは心の耳で聞けばそんなふうにも聞えてくる。

 午前10時前に会場に付くと、すでにステージではリハーサルが始まっている。リハーサル室にもピアノがあるのだが、そこも本番前の駆け込み練習でテンションをあげようという人が入れ代わり立ち代わり練習をされている。その横でもしばらく練習していたのだが、ピアノやマリンバなど移動させるが難しい楽器だとか、ピアノの伴奏があるような方にリハーサル室を譲って、外で練習。裏口から出たところは国道脇で、車道は盛り土の上なのでクルマからは見られず、木陰もあり、向かいはガソリンスタンドという立地。幸いそれほど暑くもないので、そこで練習をする。外で弾くというのは久しぶりだ。バッハの旋律が蝉しぐれの中に溶け込んでいく。

 とりあえず、自分のソロのリハーサルまでは、アンサンブルは置いておいてソロの練習だ。そうこうしているうちにリハーサルの順番が回ってきた。

 内輪の発表会とはいえ、立派なステージをあてがわれ、緊張してくださいと言わんばかりにスポットライトが当てられる。しかし、このときは不思議と冷静だった。いつものことだが、このリハーサルのときがいちばんいい演奏が出来る。音色は普段とは明らかに違う。強弱だとか緩急だとかはとにかく大袈裟にやってみるのだが、それがまったくわざとらしくは聴こえない。小さな音で弾いていてもしっかり客席に響いていて、その響きがわずかな時間のずれを伴って聴こえてくる。

 この曲は、同じような旋律が続いているけれど、最初のところは、麦穂を風が揺らすように、強弱は付けるのだけれどアクセントは付けないように弾くとか、途中のところは波が岩を砕くようにアクセントをつけて弾くとか、最初は麦穂が揺れているので、強く揺れて弱く揺れて、の繰り返し、途中のところは波が寄せてきてドッカーン、スーッと波が引いていく、とか、自分なりに結構いろんなことを考えて表現しようと思っていたのだが、そういう表現の幅が普段よりも格段に広がるような気がする。
 会場全体が楽器になっていて、いままでは、スタジオだとかカラオケボックスの部屋だとかをキャンバスにして試作品を描いていたのを、さあ本番はこのキャンバスに思いっきり描いてください、と言われている感じだ。小さなキャンバスには描けなかった細かいところも描けるし、全体的にはもっと大胆に表現してもちっとも不自然じゃない感じ。

 あとで録音を聴いてみると、音程を外していたりとか間違えたりとかして「どうしよう」とステージで思っているところがそのまま録音されている。
 表現したいと思っていたところは、なんぼ何でもここまでやったらやりすぎだろう、とちょっと控えたところが、いやいやもっと大胆にやってもいいんじゃない、って感じだ。

 全体的にはなかなかいい感じにテンションが上がってきた。
 今日はなかなか調子がいいかもしれない


(つづく)

2014年8月30日土曜日

発表会レポート~導入部~

 発表会レポートを書かなければ、と思いつつ1週間がたってしまった。ま、誰が読むという訳でもないので「書かなければ」と思うこと自体がおこがましいことではあるが、私にとっては2年に1度の大イベント。4年に一度のオリンピックを目指して取り組むアスリートたちと同じ気持ちでこれまで取り組んできた、のかどうかは、アスリートの気持ちが分からないので定かではないが、やや大げさに言えば人生の節目のようなもの。書き留めておかないと自分の気が済まない。
発表会の会場

 こういう動機で書くレポートなので、読んでも何の役にも立たない。最近、読んで役に立たないことをネットに書くと、読んだ時間が無駄になったと言わんばかりに批判的なコメントというか、何を批判しているのかもよく分からないヘイトコメントを書くことを業としておられる方も大勢おられるが、そういう方は、右上の×マークをクリックすれば不愉快な思いをせずに済みます。

 さてさて、いつもレッスンを受けているスタジオは、ヴァイオリンだけでなく、ピアノ、クラリネット、フルート、サックス。マリンバ、声楽など、いろんな楽器のレッスンが受けられる。ピアノは子供たちが多いが、他の楽器は大人が中心。毎年開催される子供の発表会とは別に、2年に一度、大人の発表会がある。私が住んでいる県は、人口でいうと全国28位の田舎だが、これだけ多種多様な楽器のレッスンを受けられる教室は都会でも珍しい、というのは講師のお一人の言説。確かにそうかもしれない。当然、発表会でも多種多様な楽器の生徒さんが、入れ替わり立ち代わりステージに立つ。どの人も、すごく上手だったり、すごく楽しそうだったり、子供の発表会とは違う独特の雰囲気の中で、演奏される方おひとりお一人のキャラクターが演奏に滲み出てくる。聴いてる分には楽しいが、聴かせる分には結構、プレッシャーの強い発表会だったりする。

 会場はコンサートピアノもある立派なホール。出演者22人のために講師の先生9人が1日、予定を開けてくださるという、素人の演奏にはもったいないような、申し訳ないような発表会だ。

 今回の発表会での私の出し物は2ステージ3曲。
 ひとつは、ヴィオラで弾くバッハ無伴奏チェロ組曲1番のプレリュード。もちろん伴奏は付かない。ステージの上は私一人だ。
 残りの2曲は弦楽アンサンブル。チェロだけは2人の4パート5人による弦楽四重奏で、おなじみ「天空の城ラピュタ」から「きみを乗せて」と、パッヘルベルのカノン。ラピュタはもちろんヴィオラパート。カノンも、原曲はヴァイオリンで弾くところをヴィオラ用にアレンジしていただいた3バヨを弾く。

 発表会は1時からなのだが、ホールは朝から借りられていて、午前中はリハーサルがある。一般の人も来聴歓迎なのだが、午前中のリハーサルも入口のカギを締めている訳ではないので、誰でも聴ける。本番は午後だけだが、自分としては1日中が発表会。アスリートにとって開会式から閉会式、いやその前の出場選考をするシーズンの競技をすべて含めてオリンピックなのと同じかどうかは分からないが、とにかく特別な1日だ。

(つづく)

2014年8月23日土曜日

本番直前にまさかの弦替え

 いよいよこの週末が発表会
ということになっているので、このところ練習に余念がない。きのうもカラオケボックスで練習。いつもは2時間フリープランのところ、3時間プランで だらだらと 念入りに調整。先日は弓毛も交換したので、楽器の方はこれでバッチリ、と思ったのだが、今度は弦の方が気になってくる。弓毛もそうだったが、弦の方もヴィオラを買ってから交換をしていない。つまり2年間つけっぱなしなのだ。いかにドミナントが長持ちすると言っても、さすがに限界にきている。弓毛を交換した直後からちょっと気にはなっていたのだが、練習量が多くなるにつれて摩耗が進んだのか、練習のおかげで弦の摩耗が気になる程度までレベルが上がってきたのか、あるいはいつものように、弾けないのをただ楽器の所為にしているだけなのか。とにかく日に日に弦の摩耗が気になりだした。理由はいずれにしても、いちど気になりだすと交換しないではおかれない。

 かといって、いまから通販に頼んでいては発表会に間に合わない。多少割高かもしれないが、楽器屋さんで相談して替えよう。どんな弦がいいのかも相談したかったところだ。通販との差額は相談料みたいなものだ。

 楽器屋さんは隣町。会社帰りにも立ち寄れるところ。実はこの店で買ったヴィオラではないのだが、そのまえにヴァイオリンはこの店で買っているので、そこは堂々とケースを開けて楽器を見てもらう。弓毛にしても弦にしても、見た目には何処を見れば摩耗の度合いが分かるのか、いまひとつ判然としないが、そこはやはり普段から弦楽器ばかりを扱っておられる店員さんだ。ひとめ見て、
かなり擦り減っていますね
とのこと。発表会直前に替えるのがいいのかどうが多少の迷いはあったが、この一言で弦替えを決定。弾く曲がチェロのための無伴奏曲なので、チェロのような深い音がいいとリクエストしたら、Obligatoを奨められた。ヴァイオリンではすっかりお馴染み。値段の方も、ちょうどフェア実施中だったので4割引きで買えて、通販より少し高いぐらいで購入できたし、取り換えもしてもらえた。

 お店の中はフェア実施中とのことで、ヨーロッパ製のOLDの楽器が並べられていた。30万円ぐらいから150万円ぐらいまで。いちばん高いのは600万円だった。
 OLDというのは、作成されて50年ぐらいのものをいうらしい。日本に来てからすでに誰かに購入された履歴のあるものについては「USED」の表示があるが、ヨーロッパで使われていたかどうかは分からないとのこと。気を乾かすために50年間売らずに置いておいたもの、というのが今回のフェアの触込みのようだ。
 イタリア製の300万円のものが目に付いたので弾かせていただいた。弓も120万円ぐらいのものを使ってみる。軽い。もうひとつ別の弓でも弾いてみたのだが、やはり弓によって全然音がちがう。

 もっと上手に難しい曲を弾ければ、いろんな楽器を弾かせてもらうのだが、ちょうど親子連れで、きっと僕よりも上手に弾くであろう小さい女の子もいたので、恥ずかしくてあまり弾けなかった。けれど話だけはいろいろ聞かせてもらえた。

 やはり気になるのは、どれぐらいの値段のものを買えばいいのかというはなし。店員さんに拠ると、弓は15万円ぐらいのものが最もコストパフォーマンスがいい、とのこと。3万円の弓と5万円の弓があれば、確実に5万円の方がいい。5万円と7万円然り。12万円と15万円も然りだが、15万円と20万円となると、その差が小さくなってきて、むしろ好みの問題になってくる。多少重みがあってしっかり弦を掴んでくれるのが好きな人と、軽い弓で速いパッセージを弾くのが好きな人では、弓の評価が変わってくる。ある人にとっては50万円の重い弓より30万円の軽い弓の方がいい、などということもでてくる、というのだ。
 楽器の方は、もっといろいろ好みが分かれてくるが、その日のフェアで並べられているOLDの楽器の中からなら、50万円ほどの予算を出してもらえると、いろんなものから好みのものを選択してもらえるとのこと。

 いつも私は、ヴァイオリンの値段についてはクルマの値段からゼロをひとつとったぐらい、と説明しているのだが、その説に当てはめると、メルセデスベンツのミドルクラスぐらいが買える値段。たしかにいろんな選択肢の中から好みのものが買えるだろう。そして、それ以上の値段になると、個人の好みの問題なので、必ずしも高いお金を買えばよりいいものが買えるとは限らない。

 なんて話しを聞いたあとでいうと負け惜しみのようだが、クルマの価値のうちの半分以上は愛着。値段にはけっして還元されることはない。うちのカローラも良く走ってくれるし、もうとっくに買い替えてもいいぐらい乗っているが、それでも愛着があって、このクルマ以上に愛着を持てるクルマがこの世の中にあるのか、なんてことを思う。
 楽器もいっしょだと思う。

 弦を張り替えられた楽器は、まるでこれまでの楽器とは違う楽器のような反応をする。すこし慣れるのに時間がかかりそうだが、そうも言っていられない。夜中の間、半音ほど高めにチューニングして、弦が伸びきるようにしておくことにした。

 あした、本番直前の駆け込み練習で本格的に音を出す予定。

2014年8月15日金曜日

ヴィオラ弓の毛替え

 発表会に向けて仕上げの練習、といっても全然仕上がってこないのだが、ここへきて弓が思うように弦を掴んでくれなくなってきた。それに気づき始めた頃は松脂が足りないせいだと思って、弾く前に十分松脂を付けるようにした。その時はそれで解消もしていたのだが、だんだんとそれでは解消できなくなってきた。これはもしや弓毛の交換時期では、と思って工房でみてもらう。
 たしか前に交換してもらったと思っていたのだが、これは一度も交換していないですね、とのこと。職人さんは、見ただけで自分が交換したものかどうかは区別できるようで、少なくとも自分が交換したものではないと仰る。弓毛はその工房でしか交換したことがないので、買ってから一度も交換したことがないということだ。買ったのは前の発表会の1ヶ月ほど前。ということは2年間、そのまま使っていたのか。
 次は弦だな。いまは買った時のままのドミナントが張られている。ヴィオラの弦って何がいいのかしら?

2014年8月11日月曜日

左手首の痛み続く

 前回の記事を書いた段階で既に1週間ほど痛み(最初のうちは違和感という程度であったが)が続いていたのだが、いよいよその痛みも強くなって直る気配がないので、整骨院で診てもらうことにした。いままで腱鞘炎というものに罹ったことがないのだが、どうも腱鞘炎っぽい、ということをいうと、まだ腱鞘炎にはなっていませんね、とのこと。
 手首には8つの軟骨があって、ひねるとその間が開くようになっているらしい。ひねった手首を元に戻すとそれらの骨の位置も元に戻るのだが、それが戻りきらずに開いたままになっていて、神経を刺激しているとのこと。電極を当ててもらったり、バンドをしたり、膏薬を貼ってもらったり、思いっきりグイッと引っ張ってもらったりと、いろいろとやってもらったが、そんな急に治るものでもない。ま、しかし治らないものではないとのことだった。

 治療法としては、基本的には日付薬なのだが、ヴァイオリンを弾くときに手首の軟骨の間が開かないように、手首の、骨が出っ張っているところよりも先のところにサポータをせよとのこと。しかし、これでは思うように手首を捻ることが出来ない。これは困った。
 患部は温めた方がいいと言われたのだが、処方された湿布薬は冷湿布。ずっと湿布していると肌がかぶれるので、練習した後に貼るようにとのことだ。
 面白いのが手首のストレッチ。手のひらをテーブルの上かどこかにペタッと付けて、肩を前に突き出して手首の裏側を伸ばす。アキレス腱を伸ばす時と同じ要領だ。

 ヴァイオリンを弾くときにサポーターをするという言い付けは守れず、当面は湿布とストレッチで何とかしようとしているところ。クルマを運転するときとか、どうしても手首に力が入りがちなときはサポーターをするようにしている。

2014年8月6日水曜日

タオルの絞り方とヴァイオリン(改)

 どこかで打ったとか、何かのはずみに手首を突いたとか、そういう心当たりは一切ないのだが、どうも左手首に痛みがある。普段はあまり気にならないのだが、日常生活のちょっとしたときに痛みがあって力が入らない。例えばタオルを絞るときとか、ヴィオラのC線でFISを出す時とか。タオルを絞るときは、普段は右手を手前に左手を奥にひねるのだが、それを逆にして解決。しかし、FISの方は代替策がない。

 ヴィオラをやったことのない人に、C線でFISの音を出すことがどれだけ日常的かを説明するのは、なかなか骨が折れる。ト長調だとかニ長調だとか、そういう調整の曲ならば必ずFISは出てくる。特にト長調の場合は終止形のところで、最後の音の一つ手前に出てくることが多い。タオルを絞るのは風呂に入った時ぐらいなので1日に3度もないが、ひとたびト長調やニ長調の曲を弾けば、短い曲でも1曲のうちに何度かはC線のFISが出てくる。頻度だけを基準にするなら、タオルよりも日常的な行為なのだ。

 C線はヴァイオリンにはない弦だし、もちろんこのFISもヴァイオリンでは出せない音だ。ヴィオラの聞かせどころともいえる。しかし、ヴァイオリンよりも筐体が大きい分、左手の指は大きく開かないといけないし、わずかではあるが竿もヴァイオリンより太いので、ヴァイオリン以上に左手首をひねる必要がある。その時に、耐えられないほどではないが左手首に痛みがある。

 たぶん原因もC線のFISではないかと思うのだが。
 しばらくは、サロンパスを貼って様子を見ることにした。

 練習の方は相変わらず牛の歩み。
 発表会の曲も、間違わずに弾けたり間違ったり・・・・
 こういう場合は必ず本番で間違う、というのがこれまでの経験で明らかなのだが。


《追記》
 これを書いてから、タオルの絞り方が話題になった。
 私の場合、自転車のハンドルを持つときのように、両手の、親指のある方を内側にしてタオルを握り、右手を手前に、左手を奥にひねる。すると、左手は最後にちょうどヴァイオリンを構える時の形になる。写真を取ればいいのだが、両手がふさがるのでシャッターが押せない。
 ところが、家族やそのほかの知った人に聞くと、多くの場合は左右が逆で、右手を奥にひねっている。
 さらに、最初の持ち方の段階で、自転車のハンドルではなく、野球のバットのように、両手の親指を同じ方向に向けて、つまり片手の親指ともう片方の小指が隣り合わせになるようにタオルを握って絞る、という方もおられた。妻に言わせると、これが正しい絞り方だという。この場合は、左右どちらの手を上にするかで2通り、さらにそこからどちら向けにひねるかで2通りのバリエーションが生じる。
 つまり、タオルの絞り方には通常6通りのパターンがあるということが分かった。

2014年8月3日日曜日

発表会直前に音階練習からやり直し

 あっという間に7月も終わり、いよいよ今月は発表会、というところまで来てしまった。

 1月にヴァイオリンを再開して以来、朝に練習時間を確保している。発表会が近づいてきたこの頃では、平日はほぼ毎日。時間にすると1回1時間ぐらいまで。30分だけという日もある。練習する曲が1曲だけならこれでもいいのだが、3曲となると十分な練習時間を確保しているとは言えない。短い曲ではあるが、レッスンの毎に
ここは繰り返し練習
という宿題が課されるわけだし、それも1箇所だけではない。1曲を通して弾いて、間違ったところを間違えずに弾けるようになるまで繰り返す、というだけでも30分ほどを使ってしまう。言い換えると、まだそれぐらいの完成度しかないということなのだが・・・。

 確かに、短時間であっても毎日繰り返し練習するというのは効果的だ。ただ、それは毎日同じ練習をするということが前提だ。毎日、音階練習を繰り返すとか、セヴシック経を唱えるとか、いや、そんな退屈な練習でなくても、毎日同じ曲ばかり練習するとか、そういうことをすれば上達は早い。いまある3曲を紛いなりにも弾けるようになったのは、少なくとも1週間、その曲ばかりを練習したりしていた成果なのだが、この先、もうちょっとレベルを上げて、せめて発表会で恥ずかしくないところまで、と思うと、その繰り返し練習を、曲ごとにしておかないといけない。しかし、1日に30分から1時間ぐらいとなると、3日に1回しか弾かない曲も出てくるわけで、そうすると
この前はこのレベルまで弾けたのに・・・
なんてことになる。

 そんな訳で、遅まきながら、曲の練習をする前に音階練習をするよう心掛けるようにした。3曲のうち、バッハのプレリュードはト長調だから、この曲を練習する前にまず、ト長調の音階練習をする。ラビュタならニ短調、カノンはニ長調だ。調はちがっても音階練習は毎日することになるので、これを繰り返していけば、ちょっとは音程が安定するかもしれない。