2013年6月17日月曜日

バイクの免許とヴァイオリン

 全然脈略のないような話だが、ヴァイオリンを習うというのはバイクの免許教習に似ていると思う。
 我が家の娘たちは3歳からピアノを習っているのだが、それはピアノが弾きたいという動機ではない。ピアノを弾かせたいという親の思いもどれほど強かっただろうか。
ピアノぐらい弾けた方がいいんじゃないか
ピアノでも習わせようか
そんな感じだったと思う。

 履歴書の資格欄に「普通自動車運転免許証」と書く人は多いのだが、世の中、そんなクルマを運転しなければいけない仕事ばかりではない。おおかたクルマを運転する必要のない事務の仕事でも、資格欄には必ずと言っていいほど「普通自動車運転免許証」と書かれる。長年ペーパードライバーを続けてきた妻に言わせると、「当たり前のことは普通にできますよ」という証明として書くものらしい。その基準でいうと、私のように、入社式の2日前に慌てて原付免許を取りに行って、会社に入ってから数年後に、夜な夜な教習所に通っていたような者は、当たり前のことが当たり前に出来るようになるのに随分歳を重ねないといけなかったということになるのだろうか。
 話が脇道に入って長くなってしまったが、我が家で子供にピアノを習わせるという動機はこれとよく似ていたように思う。

 それと比べると、いま娘にヴァイオリンを習わせているのは、まさにバイクの免許のよう。
 私の周りでも、クルマの免許は「猫も杓子も」とまでは言わないが、持っていない人の方が珍しい。しかし、バイクの免許を持っている人は稀だ。私の場合、バイクの免許も随分歳をとってから取ったのだが、クルマの免許の教習と違って、教習そのものがホントに楽しかった。明確な目的があるからだ。履歴書の資格欄に「普通自動二輪運転免許証」と書きたいがために教習所に通う人はいるまい。たいていはツーリングがしたい、とか、バイクというメカへの憧れだとか、そういう動機がある。

 ヴァイオリンを習うというのはこれと同じで、履歴書の趣味欄に「ヴァイオリン」って書くためにとか、お見合いのときに趣味を聞かれて答えられないから「ヴァイオリンでも習おうか」などといった動機で習っている人はあまりいないと思う。

 娘にヴァイオリンを習わせているのを妻はあまり快く思っていない。私が自分の趣味に娘を巻き込んでいる、と思っているからだ。それは全く否定しない。その通りなのだ。けれど、ピアノを習わせるのとは動機が違う。履歴書の趣味欄に「ピアノ」と書くためではなく、いつか娘とツーリングが出来れば、いや、それは叶わなくても、きっとヴァイオリンが弾けるということが本当に人生を豊かにしてくれる日が来るはずだからという思いを持って習わせている。
 ま、私がバイクの免許を取りに行くときも随分反対されたし、娘にバイクの免許を取らせるなどといった日には、お小遣いももらえなくなってしまうぐらい反対されるだろうから、快くは思わないまでもちゃんとレッスンに通わせられるだけいいと思わないといけないのだが。

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