2023年7月9日日曜日

音楽な週末

 土曜日は発表会へ、日曜日はワークショップのような取り組みの演奏会へ出掛ける。音楽な週末だった。

 土曜日の発表会は、いつもスタジオで一緒に弦カルをやっている方の、チェロの発表会。この方は、弦カルではヴァイオリンを弾いておられるのだが、志あって、チェロも弾いてみようと思い立ち、私たちのスタジオとは違う県内の個人でされている音楽教室に通ってチェロのレッスンを受けておられる。おそらくそのレッスンをされている先生同士のつながりなのだろう。県内と、隣の府(もともと都なので、いまさら都にしようなどということを言わない方の府)でレッスンをされている4人の先生の合同発表会というのがあった。楽器はヴァイオリンとチェロ、一部ヴォーカル。出演者は20人余り。子供が数人で、半分ぐらいは大人から始めたと思しき人たち、そして子供の頃から続けていると思しき青年男女。

 もう、そういう人の演奏は異次元。最初の音を聴いたときに
ぅを
となる。音色というか、音の勢いというか、響きというか、伸びというか、もうとにかく、何もかもが違う。もちろん、ボウイングだってフィンガリングだって、超絶難しそうなんだけど、そんなことじゃなくて、とにかく凄い。

 日曜日の今日は、妻が少し遠くに出掛けて、吹奏楽のワークショップみたいなのに参加。少し前まで都になるなると言っていた府の府庁のある街の市直営の吹奏楽団だったのが、府を都にすると言って市長になったやつから解散を示唆されたところを、全国の音楽家や音楽を愛する人からの支援で財団法人になって継続している楽団。そういうこともあってか、ファンサービスというか、市民交流というか、そういうことを積極的にされている。そういう取り組みのひとつで、月に1回、一般の人から希望者を募集して、朝10時半集合、そこで楽譜を渡して、楽団のプロが指導、そして午後3時から演奏会、という、これまたすごい企画をされている。

 弦楽器もそうだけど、楽器というのは、ひとりで弾いているよりも合奏が楽しい。それは吹奏楽も同じようで、久しぶりにいろんな楽器と合わせられたので、妻も満足そう。私の方は、演奏会の少し前に会場に着いて、20分余りの演奏を聴いてきたのだが、その日の朝に楽譜を渡されたばかりとは思えないハイクオリティ。ステージにいるのは50人ぐらいで、女性の方が多め。子育てが一段落したぐらいの人が多いように見受けたが、みなさん、学校で吹奏楽部だったのかしら。

 どちらのイベントからも、音楽の「層の厚み」みたいなものを感じる。

 少し話は逸れるが、侍Japanの優勝したワールド・ベースボール・クラシックも、もちろん大谷翔平の活躍とか、栗山監督の采配とかは称賛されるべきなんだろうけれど、そういうものが何もないところからいきなり出てくるわけではない。少年野球からプロ野球まで、小さい頃から選手を育てていくシステムとそれを支える指導者や運営者や家族。野球を愛する人たちの草野球。球場に足を運ぶファン。野球というスポーツへの国民的な理解。そういうものがあってこその偉業なんだと思う。

 音楽もおんなじじゃないのかな。

 さしずめ私がやっているのは、草野球ならぬ、草演奏だとしても、音楽に対する理解とか、音楽をやっている人に対する理解とか、音楽をすること自体に対する理解とか、そういうものの一翼は確実に担っていると思う。

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