隣町にお気に入りのアンサンブルがあって、1年に1回か2回のペースで演奏会をされていて、いつも楽しみにしているのだが、くだんの病気が騒がれるようになってから演奏を披露いただく機会が失われていた。今日、約2年ぶりに演奏会があったので聴きに行ってきた。
練習も苦労されているのか、曲は少なめ、時間も短め。エキストラの割合が多く、舞台ではみなさんマスクをされていた。
いちおうアマチュア・アンサンブルとおっしゃっておられて、演奏会も無料なのだが、演奏の腕前はセミプロ級。エキストラはプロの方にお願いされてるようだ。
その演奏会で聴いたのがこの曲(動画は、ここで紹介しているアンサンブルとは別のアンサンブルが演奏しているもの)。
プログラムに書かれている説明によると、ルネサンス期のフランスで出版された処世術の本に載せられていた舞曲を、20世紀の初頭にアレンジしたものらしい。なんでも、真面目で処世術を知らない法律家、カプリオールに、処世術を教えるという内容の本だそうだ。いまでいうなら、自己啓発本の隅の方にある、真面目で能力はあるのに人づきあいがわるくて評価の芳しくないサラリーマンに理不尽な指示ばかりを出す上司が出てきて、ひとりアパートで悩んでいるところに、なんだか訳のわからないのが出てきて、同僚との付き合い方とか上司のあしらい方なんかを指南するマンガみたいなものか。ルネサンスの頃はいまと違って、付き合いと言えばダンスだったので、ダンスの指南書になっているらしい。
そう聞くと、なんだか自分のために書かれた曲のようにさえ思えてくる。いつか弾いてみたいと思う曲だった。