レッスンの方は、目下、『ヴィオラ名曲31選』にあるモーツアルトの二重奏のアンダンテを見ていただいている。31曲のうちの3曲目。前から順番に見ていただいて、最初に躓いた曲だ。今年の1月に一度見ていただいたのだが、いちど見ていただいただけで「これはちょっと後回しにしましょう」と却下されてしまった曲だ。詳しくはずいぶん前の記事に書いている。私もそれを見ながら、いま「そうだったなぁ」と遠い目で昔を思い出していたところだ。
もういちど動画を張り付けておくと、こんな曲。
前回の記事にも書いているが、コロナでしばらくできなかった発表会を来年4月にすることになり、曲を選ぶことになった。これまでの発表会は、わりとテンポのある曲で、音色とか表現とかはそっちのけで、とりあえずこんな難しい曲を弾けるようになりました、という選曲が多かったのだが、最近のレッスンはわりとゆっくり目の曲をきれいに弾くことに主眼を置いている。ちょっと冒険かもしれないが、こういう曲をゆっくりと艶っぽく弾くというのもわるくはないと、この曲で挑戦することにした。
いちおう弾けている
というつもりだったのだ。
しかし、実は弾けている状態までは程遠かった。レッスンのたびに毎回、リズムがおかしいと指摘される。アンダンテでゆっくりなのだけど、ところどころに装飾音符やら、横線が数えきれないぐらいついている音符が密集しているところやらがある。そういうところに来ると気が焦るばかりで、先生曰く、「6/8拍子に聞こえない」「伴奏する人に、どこを弾いているのかが伝わらない」などなど、とにかく致命的な状態になっている。レッスンの時は「タラタラタン、ターーーーン」とか先生に歌ってもらって何とかリズムをとるのだが、ひとりで弾いていてもそれがうまく再現できない。それで何とかしようと変なリズムを付けて、それで何度も繰り返し練習するから、次のレッスンでまた同じことを指摘される。
選曲した時は、少しずつ完成に近づけていけば、発表会までにはそれなりに艶っぽくなるだろうと思っていたのだが、遅々として進まない。「ここのフレーズだけは弾けてるぞ~」みたいな実感もなく、どこから練習したものやら、という状態。やはり、1月の段階で後回しにしたのは正しい判断だったのか。きのうのレッスンでも
この選曲はちょっとしっぱいかもしれませんね
と、内角に鋭く剛速球が入ってきた。
最近、仕事の帰りも遅く、練習量は圧倒的に不足気味。自宅の近くは田舎で、遅い時間になると人通りもないので、アンダンテのリズムでトボトボと歩きながら「タラタラタン、ターーーーン」と歌いながら帰る。これも練習のうち、のつもりなのだけど、あまりにリズムが取れなくて躓きそうになってしまう。まともに歌うこともできない。歌えない曲が弾けるわけはないので、やはり冒険が過ぎたというべきか。
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