2020年10月25日日曜日

ヘ長調は水色

  アンサンブルのレッスンでは、ここしばらく、Friedrich Schwindlという作曲家(じつは発音もよくわからないのだけれど)のメヌエットを見ていただいている。16小節ほどの短い曲24曲から構成されているものだ。ト長調やニ長調が多いのだが、たまにイ長調やヘ長調もでてくる。

 もともとは、ヴァイオリン2声とベースなのだが、ベースのところをヴィオラに代えて弾いている。だからヴィオラは通奏低音で、四分音符が延々と続くフレーズが多い。ト長調だと、ソやレが多くて、ソソソソシレソレソみたな…、ニ長調だったらレとかラとかで、レレレレ#ファラレみたいな…、だいたいそんなフレーズが多くて、ちゃんと楽譜が読めなくても、その辺の音を出しておけばだいたい大丈夫。ところが、それ以外の調になるとよく出てくる音が変わってちょっと戸惑う。

 ヴィオラだけを弾いていると分からないのだが、実際にアンサンブルで合わせてみると、不思議なことに、調性が変わると曲想も変わる。ヘ長調の曲が出てきたときに、
わ~、なんか柔らかい
なんてことを思った。先生によると、ヘ長調は水色なんだそうだ。ト長調は赤、ニ長調はオレンジ、と次々に色のイメージを仰る。ト長調の明るいイメージが赤という感じで、ニ長調のキラキラした感じがオレンジなんだそうだ。

 確かにト長調は明るい感じがする。時には崇高なイメージのときもある。ニ長調は確かにキラキラした感じ。ハ長調は元気な感じ。短調でも、イ短調は悲しい、ニ短調は何だか深刻な感じがする。

 しかし、正直に言うと色のイメージはなかった。うちの先生だけでなく、音楽をやっている人は音から色が見えてくるようなのだが、私の場合、明るいのが赤でキラキラしているのがオレンジ、柔らかいのが水色、というのはいまひとつピンとこない。強いて曲想を色で表そうとすると、クラスの人気者でリーダー的なのが赤、スポーツ系のクラブに入って元気なのがオレンジ、おっとりしているのが黄色、生徒会長が水色で図書委員が緑、などという、ひと昔前のプリキュアのイメージしか出てこないのだが。

 

  たぶんだけど、それぞれの調性で、主音のひとつ上が上主音、その上が中音、そのあと下属音,属音,下中音,導音ときて、また主音というのがそれぞれあるのだけど、弦楽器だと、よく響く音とあまり響かない音があって、この7つの音のうちどれがより響きやすいかによって、その調性の曲想が決まるんだと思う。なんかこれ、深みにはまって行きそうだし、何処まで行っても理解不能のような気がするので、先生が仰る通り、ト長調は赤ということにしておこう。

2020年10月14日水曜日

本物の情熱大陸

 葉加瀬太郎のライブに行ってきた。ちょっと興奮気味。

 いやきっと情熱大陸だけは別格なんだ。みんなそれを聴きに来ている。これがなかったら、最後まで変身しないプリキュアみたいな、チャンバラの後で印籠を見せるシーンのない水戸黄門みたいな、いやとにかく最後はこうなるってわかっていても、それを見ないと気が済まない。そしてそれを見るために毎週見てしまうみたいな、そんな感じがする。

 それまでは座って聴いていた観客が一斉に立ち上がって手拍子をしたり手を振ったりする。どうやらいつもはここで「はかセンス」というセンスを振るらしいのだが、今回はそれはなしだった。それにしても、みんなが立ち上がり手拍子を打つというその集団行動が、気持ちを興奮させ、非日常の世界への誘う。これこそライブというものだろう。

 情熱大陸の前まではみんな座って聴いている。演出は派手だ。いきものがかりとかゆずとか、もしかしたら米津玄師とかのライブもこんな感じなのかもしれない。それを座って聴く感じ。そういうポップスの「ライブ感」のうち半分は、集団行動を通じて得られる会場の一体感だと思うのだが、そういう意味では、最初のうちはちょっと物足りない。確かに目の前で生身の人間が演奏している、という「ライブ感」はあるのだが。それに、オーケストラのコンサートだとかヴァイオリンのリサイタルだと、アコースティックの楽器が目の前で演奏され、それをマイクを通さずに生で聴くという「ライブ感」もあるが、伴奏の音がキーボードなんかで作られていると、なんとなく機械で再生されているような感じで、しかも演出的にも派手にしようとすると、どうしてもマイクを通して音量を大きくしないといけないので、そこの「ライブ感」も薄れてしまう。

 それが終盤になって「冷静と情熱のあいだ」が演奏されると、急にステージが近くなったように感じられる。みんながそう思ったがどうか分からないが、その曲を境に急に臨場感が増してきた。次の曲は洋楽の名曲のディスコアレンジ。ここで初めて手拍子が促され、その手拍子が打ち鳴らされているままに情熱大陸へと流れ込む(たしかにあの曲が「冷静と情熱のあいだ」だったんだ)。

 客を飽きさせない軽妙なトークはさすが関西人。会場のフェスティバルホールは、葉加瀬太郎が初めてお小遣いでチケットをかってコンサートを聴きに来たホールらしい。改築前のホールだけれど、「いちばん前のこの席です」なんてことも言っていた。オフィシャルYouTubeチャンネルの再生数をどうのこうのという話もあったので、ここに貼り付けておく。

 なんでも、同じアカウントから何度アクセスしても、アクセス数にはカウントされないらしい。ここに貼り付けている新しい動画は、ライブが始まる前は4,000回しか再生されていなかったのだが、ライブに来た人がみんな見れば千とか二千とか増えるので、どれだけ増えたかチェックするということだった。このページからのアクセスが多いと良いのだが。

2020年10月10日土曜日

GoToライブ

 葉加瀬太郎を聴きに行く!

 いままでは、興味はあるんだけど、結構、値も張るしなぁ、って感じだったし、どうしようかなぁ、なんて思っているうちに売り切れてしまうのが常だったのだが、コロナの所為なのだろうか、4日前でもまだチケットがある。新聞にも何度も広告が掲載されているみたいだし、そうだ、そうだ、このコロナ禍の中でコンサートをするんだから、これは行かなければ、なんて使命感みたいなものもあって、ネットで
ポチッ
と。

 あ、まだ会社、休み取っていなかった。

 ともあれ、なんでも初めての経験は結構ドキドキする。

 このコロナ禍で音楽家と言われる人はそうとう苦労しているに違いない。葉加瀬太郎のチケットが4日前に購入できるぐらいなのだ。GoToライブとか、GoToレッスンとかで、半額ポイント還元してくれたら、もっといろんな人が助かると思うんだけど。。
こういう類いの話は冗談半分で書いていたら実際に実現してしまいかねないので、いちおう「冗談です」と断っておきます。