2018年8月27日月曜日

発表会 無事終了編

 発表会が終わった。
 6月から9月まで、毎月、演奏会やら発表会やらがあるのだが、この発表会は比較的ウェイトの大きい発表会と言っていい。先月のアンサンブルの発表会の前は、もちろん、発表会で弾くアンサンブルの曲の練習もするのだけれど、何回か弾いて、間違えやすいところを繰り返したりした後は、違う曲の練習もしていたい。けれど、今回の発表会は、この2週間ほどの間、ほとんど発表会の曲ばかりの練習をしている。来月の定期演奏会の練習が、本当なら毎週木曜日にあるのだが、お盆や台風で2週続けて休みになったこともあって、弾いて、録音して、聴いて、また弾く、みたいなことをとにかく繰り返してきた。

 録音してみると、自分で思っている以上に酷い音だった。しかし、これをいまからどうすることもできないので、とにかく最初だけでも「おっ!」と思わせるような音を出そうと、最初ばかり繰り返し弾いて、録音して、聴いて、反省して、また弾く、ということを繰り返した。ポジションを変えたりとか、そういう細かいこともやってみた。何度も聴いているうちに自分の音に対する免疫ができた所為もあるのだが、最初だけはだいぶ良くなってきたように思わないわけでもないような気がする。ま、とにかく最初は大事だ。話芸でいえば「つかみ」ってやつだ。どんな長い演奏でも最初のフレーズでだいだい印象が決まってしまう。

 これは本番でも意外な効果があって、最初が弾けてしまうと
よし、弾けた
という心の余裕が出てくる。それがわるいはずはない。比較的長いピアノの前奏の間も、考えているのは最初のフレーズだけ。その音が思ったように出ると、もうあとはその音に自然とくっついてくるようなものだ。これまでいろんな曲を弾いてきたが、これは不思議なもので、最初の音が出た瞬間から、「最後はこう終わらなければいけない」という必然を感じる。あとは、その必然の流れに逆らわず弾いていけばいい、はず。
 今回は、出来ないところを何度も練習して、誤魔化しではなく、全部のフレーズをちゃんと弾けるように準備してきたし、「あ、この先がいつも間違うところなのよね」なんてところもなかった。それも落ち着いて弾けた理由だと思う。

 あとは、もっとアグレッシブな演奏をしたかった。
 途中まで、大きな事故もなく演奏できると、中盤以降、どうしてもこのまま間違えずに最後まで弾きたいという気持ちが強くなってくる。それが演奏をこじんまりとしたものにしてしまったのではないか。音色はあいかわらずあまりヴィオラらしくないし、付点音符のリズムは最後まで直せなかったし、音程も結構ひどい。多分、録音を聴いたら「まだ練習中ですか」という感じで、全然仕上がっていないのだと思う。

 ま、それでも最後までしっかり弾けたし、何か悔いの残る演奏ではなかった。音色もリズムも音程も、練習で出来なかったことは本番でもできない。だけど、練習してきたことはきちんと発表できた。途中で間違えてオロオロするような無様な人格を晒すこともなかった。出来なかったことは2年先までに練習を重ねて、次はもっと堂々と演奏できたらいいと思う。

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