2015年9月22日火曜日

バヨな連休

 有難いことにシルバーウィークはカレンダー通りに休んでいる。世間には土日祝関係なしのブラックウィークを過ごされておられる方も多いことだろう。休みの前後に仕事が立て込んだぐらいで文句は言うまい。

 先日のホール練習で、本番に向けてテンションが上がってきたところ。アンサンブルとしては完成度は上がってきているのだが、自分はどれぐらい誤魔化せているのか完成してきているのか何とも心許ないところだ。

 本番では結構な大曲を3曲弾くのだが、それ以外にもいくつかの小品がある。アンサンブルの他のメンバーは、わりとすんなり弾いているのだが、これがなかなか手強い。弾ける人からすると「これぐらいならすぐ弾けるでしょ」という感じなのだが。
 たまに居残り練習をしているときに、パートが揃わないからと言って、その場で楽譜を渡されて、すぐに弾いてしまうという芸当をする人がいる。
 ヴァイオリンが弾けるというのは、こういうことなのかもしれない。いつか自分もそんなふうになるのだろうか。

 写真の曲は、同じ音の繰り返しで簡単そうに見えるのだが、同じ音ばかりなのでいま何処を弾いているのかすぐに見失ってしまう。先日のホール練習では「ここだけは弾こう」と思うところにマル印を付けて臨んだのだが玉砕。帰ってから4小節ごとに区切りを入れたり、主旋律を書き込んだりしたのだが、果たして弾けるようになるのか…。

 さてさて、今日は通常のレッスン日。前回は都合がつかなくて1回お休みにしたので、1ヶ月ほど間が空いている。この1ヶ月にどれほど上達したのか‥‥

 いちおう完成に近いのだけれど奥が深いマルチェロを見ていただくことにした。

 第1楽章は「だいぶ弾けているんじゃないですか」という合格点をもらった。ときどき弓順が気になってちゃんと左手の指が出なかったりするところがあるので、気になるところは全部、弓だとか指だとかを楽譜に書き込んでおくようご指導があった。
本番は何が起こるかわかりませんからねぇ
む。深い。

 続いて第3楽章を見てもらう。のっけからサードポジションの音程が甘い。さすがにこれは自分でもわかるのだが、出してしまった音はもう戻せない。音程だけでなくリズムもいい加減。
この楽章は他のよりも難しいですから、
もうちょっと時間を掛けて練習をした方が
いいですね。
と、わりとストレートなコメント。やはり誤魔化せていなかったか。

 短期的に何とかなりそうな課題もある。例えば、スラーのうしろの方が短くなって、すぐに弓を変えそうとしてしまう傾向があること。そこからリズムか崩れてしまう。二つ目の音を丁寧に弾くこと。うむ。これは出来そうだ。
 16分音符が続くところ、最初の音を疎かにしない。これも16分音符だから次の音を早く出そうと思っているのが仇になっている。
 曲の途中で出てくる4分音符を最後まで弾く。あぁこれも同じね。やっぱり次の音を早く出そうと焦っているから、なんか最初だけバッと出してすぐに消えちゃう感じになってしまう。
 あとは気持ち。こういう音を出したい、という気持ちがあれば、テクニックとかそういうことではなくて、自然とそういう音色になるものらしい。そういうものか。

 しかし、すぐには何ともならないのは小指。
 問題なのは小指の押さえ方ではなく、小指の離し方
 離す時にグリサンドっぽくなってしまっている。横にずらしながら離すのではなく、しっかり上に挙げて離す。だけど、その挙げた指をクルッと巻いてしまうのではなく、離した場所のすぐ上に置いておくこと。
 なんでも、先生も大学生になるまでこれができなかったらしく、大学生になってそればっかり練習して出来るようになったらしい。そういう意味では、子供のときからやらないと、というのがいい訳にはならない。
 本番までに何とかなるというものでもないのだが、これが出来ると随分いろんな曲が弾きやすくなるのではないだろうかと思える。音を出す必要がないので家でも練習できる、と言われたので、これはやらなければいけない。

 そんな訳でどんどん本番が近付いてくる。次回のレッスンはアンサンブル本番の前日だから、アンサンブルの練習優先でお休み。ということは、次に先生にお会いするときには本番も終わっていて、その感想を求められるということか。そして、来年の発表会を目指した選曲が始まる。



2015年9月20日日曜日

ホール練習

 このところ忙しくて練習日記の更新があとまわしになっている。もう1ヶ月も更新していない。何が忙しいって、そりゃもう、仕事でも家庭サービスでもなく練習ですよ。練習。ライフワークバランスって、仕事と生活のバランスっていいながら、実は会社の仕事と家の仕事のバランスだったりしてるように思うけど、本当のワークライフバランスというのは、嫁さんに「ええな、あんたは好きなことできて」なんて言われながら趣味を続けるという不断の努力の上に築かれるものだ。

 さてさて、アンサンブルの練習もいよいよ本格化。今日はほぼ一日、ホールでの練習があった。朝からテンション全開で結構、体力を消耗した。それもそのはずで、9時から4時まで、昼休み1時間をはさんで、ほぼずっとヴィオラを弾く、などということは、それほど滅多にあることではない。ひと昔前はバヨ会とかでそういうこともあったが、いまから思えばゆる~い感じだった。ホールの練習で、指導してくださる先生がいて、そこそこのボリュームがある曲を続けざまに弾くというのは、いままで経験したことのない世界だ。

 まずはホールの響き方の確認。客席定員500人ほどの小さなホールだが、いつも練習している部屋に比べればステージはかなり広いし、天井も高い。いつもと違って周りの音は聞こえにくく、自分の音ばかりが聞こえる。響きで誤魔化されることなく、音程がいい加減だったり、適当だったりするところが、ストレートに聞こえてくる。
あ、やべ
と思ってちょっと音量を落とす。たぶん他にもそういう人がいるのだと思う。ますます周りの音が小さくなる。
 しかし、これも一日弾いているうちにだいぶ慣れてきた。やはり本番の現場で練習してみるものだ。後半はあまり気にせずに弾くことが出来るようになった。けっして自分が上手になったわけではないのだが、自分の出す適当な音に慣れてきたということだろうか。

 このアンサンブルは指導してくださる先生がいて、先生の指揮で練習する。いままでは練習時間も限られていて、「大体出来ている」というところで、次々曲を替えていかれていたのだが、ホール練習でしかも時間がたっぷりあるとなると、そういう適当なところでは先に進めてはもらえない。曲を通してなんとなく弾けているという感じではなく、ダメなところはダメで何度も繰り返して練習する。
 そして最後にその曲の全楽章を通して弾く。場所は本番と同じだから、気分的にも本番さながらだ。やり直しはなし。こういうことで少しずつ本番に近づいてくる感じがする。

 いままでの本番といえばスタジオの発表会だったのだが、これはせいぜい演奏時間5分ぐらいのもの。アンサンブルもあるにはあったが、2曲弾いて5分というぐらいの小品だった。今度は1曲が10分から20分の大作。それが3曲もあるし、他にもいくつかの小品がある。それだけの時間、適切な度合いの緊張を維持するのが結構たいへんなように思う。こりゃ
人格が試される
といっても過言ではない。これまでの発表会でも、その都度これが試されてきて、合格したためしがない。たいてい、練習で失敗したり成功したりするところは悉く失敗に終わり、失意のうちに発表会を終えてきた。さて今回はどうなることやら。

 何はともあれ、ちょっと背伸びして挑戦してみた新しい世界。どれぐらいの背伸びだったのかが、間もなく明らかになる。