ちゃんと弾くとこうなる。
映画音楽に使われて有名になったらしいのだが、私はイージーリスニング(この言い方も旧い響きだが)で聴いて覚えている。
いま、アンサンブルで課題になっている曲は、ずっと苦労しているブランデンブルクときのうの記事で紹介したテレマン、そしてこの曲だ。その中でこの曲がいちばん短く、譜面はいちばん簡単そうに見える。
しかし、聴いてもらった通り、音色は結構微妙な(趣深く、何ともいえない美しさや味わいがあること。また、そのさま。みみょう。コトバンクに掲載されたデジタル大辞泉より)ものを要求される。ブランデンブルクやテレマンのように、リズムや速さで適当に誤魔化しながら弾くことが出来ない。
問題なのは随所にある大移弦 ※隣の弦じゃないところに移弦することね。
どうしても、ギッコッ!となってしまいがちだ。前回の練習で何度もNGがでた。アンサンブル練習も、譜面通りに弾ければいい、あるいは弾けているように聴こえたらいい、というところから一歩先に進んでいる。こっちとしては、ブランデンブルクにかなり気を取られて、まだ譜読みも怪しいのだが・・・
そういう状況だと、どうしても「早く周りに追いつきたい」という思いから、基礎練習が疎かになりがち。練習のときの録音を聴きながら、それに合わせるというような練習をしていると、速さだけは合わすことが出来るのだが、音色を合わせることが出来ない。
そこで先生のアドバイス。
ゆっくり弾きましょう
速く弾くのはアンサンブルのときだけ。ひとりで練習するときはゆっくり弾くのですよ~、ということだ。大きく移弦をすると音色は崩れがち。まず、移弦前と移弦後のちょうど間ぐらいのところで右肘を固定しておいて、手首の形に気を付けながら、肘の先を出来るだけ小さく動かして移弦する。弓を返すところは慌てないで、弦の上にしっかり弓が載ってから動かし始める。自分一人の練習だから、他の人とリズムがあっていなくても構わない。
ゆっくりでこれが出来るようになったら、速く弾いても出来るはず、ということだ。
第一楽章の終盤に差し掛かるところ。動画では1分12秒ぐらいからのこのフレーズも、ヴィオラの微妙な弓さばきが求められる。主役のオーボエを引き立たせるように、そしてもの哀しい雰囲気を醸し出すように、静かに、しかし針のような細い線が確実に観客席に届くように弾く。
だいたいフォルテは何も考えずに思いっきり弾けばいいのだが、ピアノは難しい。「弱く」ではない。「小さく」でもない。弓を軽く持って「フニャフニャー」と弾くのではなく、しっかり弦に重みを乗せながら、少し弓を倒して弦に触れる毛の面積を少な目に、そして指板寄りを弾くことで音量は控えめに、しかし鋭さを保って、音を短く切りながら弾く。
むむ…、譜面通りに弾くだけなら簡単なのだが…。
そして第三楽章の最初。ここもオーボエ以外で音を出しているのはヴィオラだけ。
アンサンブル練習でここは開放弦禁止令が出てしまった。
他の箇所で出ていないのが不思議なんだが、ま、そこは先生もあまりハードルを上げるととんでもないことになるのは分かっておられるので、あまり無理は仰らない。しかしここだけは開放弦はダメ。
じゃ4指でということになると、それはそれでまたたいへん。音程は定まらないし、音色は崩れるし。
そこで先生の指示はサードポジションで、ということなのだが、これがまたたいへん。なんと、うちのアンサンブルのヴィオラ担当は、全員、サードポジション忌避気味だということが判明。特にG線やC線のサードポジションは指が遠い。
そこを何とか弾くと、もうそこで力尽きてしまって、そのあとが続かないという始末。
むむ…、譜面は簡単でもなかなかスッとは弾かしてもらえない。
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