ソロの曲が片付いたら、今度はアンサンブルの練習とリハーサル。
ここで大きな問題がふたつ。
まずひとつ目は、メンバー5人が集まって弾くのはこの日が初めてだということ。5人のうち何人かが集まったことは何度かあったのだが、全員が集まることは終ぞなかった。そこに加えて、アンサンブルをご指導いただくはずのバヨ先生が体調不良でお越しになれず、指導者もいないところで素人集団が闇雲に練習して本番、というかなり大胆な状況になってしまった。
ここで、これまでの練習でも問題になっていたペースの問題が一気に露呈。
このアンサンブルに限ったことではないが、合奏すると、いちばん音符の多いパートが何故かいちばん走ってしまうという現象。音符が多いから速く弾かなきゃ、という思いが先行し、しかもそれに必死になるので他のパートが聴けずに自分一人走ってしまうというやつだ。バヨ会でも何度か経験しているのだが、誰か指導する立場の人がいてくれるとわりと解消できるのだけれど、今日はそうもいかない。こういうところで先生の偉大さを感じる。
楽屋での練習がこんな状態で迎えたステージリハーサル。前回の発表会で伴奏をお願いしたピアノの先生にご指導をお願いして弾いてみるのだが、ご指導いただくまでもなく崩壊。会場にはいろんな楽器の先生がおられるのだが、みなさん異口同音に「速い」というご指導。メンバーのひとりも
ちょっと笑っちゃいましたね
なんて言うぐらいの崩壊ぶりだった。ま、あそこまで崩壊すると笑うしかない。
そうはいうものの、なんとか本番は大過なく最後まで弾きたい。メンバー5人が集まったのは今日が初めてなのだから、まだ5人で練習した時間は1時間もない。これから本番までにこれの倍ぐらいは練習できる。
楽屋はピアノを使った練習をされる方に譲って、今度はロビーで練習。
果たしてこれは、お客さんの呼び込みになるのか。
と、そこに乳飲み子を連れた美しいご婦人がこちらの方をご覧になっている。あ、3月までお世話になっていたバヨ先生ではないか。生まれたばかりのお子さんを連れて聴きに来てくださったんだ。うゎ~可愛い。こんな小さいのにしっかり二重瞼。先生に似て美人。知らない人がいっぱいなのに全然嫌な顔しない。まるで発表会に出るようなシルク様のドレスを着せてもらっている・・・
いやいや、それはそれとして、ここはこの先生にご指導をお願いするしかない。
笑っちゃいましたね、などとはいいつつ、メンバーとしてはかなり焦っているところなのだが、先生は終始笑顔。
大丈夫ですよ。大丈夫ですよ。
と仰るのは、論理的には何が大丈夫なのかわからないが、とにかく大丈夫なんだろうという暗示に掛けられる。ご指導とはいっても、先生の前で1回通せるかどうか、ぐらいの時間しかない中で、何も理屈は仰らずに、
もっと出して、ほら、
みたいなことばかり。ところが、これの効果がすごい。本当にそれで大丈夫になってしまう。なんとなくこれで本番も行けるような気がしてきた。
(つづく)
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