所属しているアマオケの定期演奏会が、ふだんご指導を仰いでいる先生のご病気で延期になったのは、前の記事に書いた通り。ご病気の様子なども少しずつ伝わってきて、ご指導を再開いただく目途もだんだんついてきたところなのだが、それまで練習しないという訳にはいかない。先週は、先生なしで自主トレをしたのだが、今週は、普段はチェロのトレーナーをしてくださっている先生に、アンサンブル全体のご指導をいただいた。
新鮮!
普段の練習だと、「今日は何からしましょうか」という話から始まって、2時間で、演奏会で弾く予定の曲をひととおり練習して、その間に2~3か所、ここはこんなふうにというご指導をいただくのみなのだが、先生が代わるとご指導も変わる。
先生の中には、今日はモーツアルトのヘ長調にディベルティメントを指導しようというおつもりがあったみたいで、「それじゃ最初にヘ長調の音階、弾けますか」ということになった。曲の練習はそれから。それも、最初の4小節を何度も繰り返す。「もっと弾むように」「もっと響きを残して」「もっと揺れて」…。「パンパンパンじゃなくてラッタッターンというよう」…いや文字にすると何のことかわからないが、本当ならもう定期演奏会で弾いた後のはずの曲がどんどん良くなっていく。「フレーズの最後の音は丁寧に、そして弾きを残すように」「古典派までのスラーは必ず最初を大切に大きめに弾く」…。
最初の1時間をかけて、第1楽章の前半だけ、次の1時間は2楽章だけ。結局、今日はモーツアルトのだけで終わる。それも半分だけだ。だけど、いままで何も気にせずに弾いていたところにどんどんご指導が入って、どんどん良くなっていく。
モーツアルトが降りてくる
のを感じる。これを3回ぐらいやったら、ずいぶんこの曲は良くなると思う。
ただ、いちおうはほぼ完成しているところから、さらに完成度を上げるのはいいけれど、さあ今日からこの曲を練習しましょう、というときはどうなるんだろう。それに、他の曲が練習できていない。
例えば、普段の練習はやるとして、それとは別に休みの日一日かけてこの練習をしたら、相当なレベルアップになるような気がする。しかし、そうやって真剣にレベルを上げようとして脱落していくような人がいては元も子もない。こういう時に何が正解なのか、あまり短絡的に決めることはできない。