個人的には定期演奏会のハイライトだと思っているバッハのブランデンブルク協奏曲3番。スコア譜を買ってきて私家蔵書にするぐらいの気持ちの入れ様。スコアを買ってきたから弾けるわけではないのだが。
自由研究としては、このスコアの巻頭にある解説文が役に立つ。百科事典にも載っているぐらいの有名な曲なので、ネタには困りません。
バッハが活躍した時代の音楽家の多くは、宮廷や貴族または教会に仕えていました。バッハもまた、1717年から1723年までアンハルト=ケーテン侯レオポルトの下で宮廷楽長として仕えました。1721年3月、バッハは、ケーテン侯と親交のあったブランデンブルク辺境伯クリスティアン・ルートウィヒに6つの協奏曲を献呈しました。その後、プロイセン王女アマ―リアの蔵書となり、1914年にベルリンのドイツ国立図書館の蔵書となったバッハの直筆譜によれば、これらの協奏曲はフランス語で「Concerts avec plusieurs instruments (種々の楽器を伴う協奏曲)」と題されているのですが、ブランデンブルク辺境伯に献呈された曲であることから、一般に「ブランデンブルク協奏曲」と呼ばれています。演奏される3番は、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロがそれぞれ3パートと通奏低音の合計10パートからなる大曲で、当時わずか6名のメンバーしかいなかった辺境伯の宮廷楽団では演奏できません。他の曲も同様で、そうした事情からこれら6曲は辺境伯のための書下ろしではなく、それ以前に作曲された協奏曲のなかから6曲を選んで浄書・献呈したものとみられています。バッハが仕えていたケーテン侯の楽団が縮小される中で、新天地を求めたバッハがいわゆる就職活動を有利にするために献呈した、いまでいえば学生がお目当ての企業に提出する「ポートフォリオ」のようなものだったのかもしれません。
参考文献
- 角倉一朗「バッハ ブランデンブルク協奏曲」(全音楽譜出版社[編].『Zen-On Score Bach Brandenburgische Konzerte』. 1966.巻頭解説) 試読はこちら
- "ブランデンブルク協奏曲", 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2022-08-16)
- "ブランデンブルク協奏曲", 世界大百科事典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2022-08-16)
- Wikipedia ケーテン, ブランデンブルク協奏曲
練習用音源
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