今回の発表会の選曲は、次の発表会でこれが弾きたいと決めてずっと練習してきたというよりも、たまたま発表会の話があったときにレッスンで見ていただいていた曲を弾いた、という感じできまった。コロナ騒ぎでいつ発表会があるかわからず、あまり発表会のことを意識しないレッスンが続いたからだ。しかし、こうしてスタジオの発表会が再開して、ほかに先生の教室の発表会にも出るとなると、やはり前のように、次の発表会でこれを弾きたい、というのをモチベーションにして練習をする、というスタイルになりそうな気がする。
ヴィオラの場合、発表会の選曲にはひと苦労だ。ヴィオラのために書かれた曲というのはとにかく少ない。それで他の楽器の曲をヴィオラにアレンジして弾くことが多いのだが、ヴァイオリンの曲をヴィオラで弾くのはミニバンにスポーツカーの走りを期待するようなもの。と、わかっているのだが、発表会で聴いた「お手本演奏」のバッハ ヴァイオリンパルティータ2番のシャコンヌが格好良かったので、何か無伴奏を弾きたいという思いがふつふつ。それで前から気になっていたバッハ ヴァイオリンパルティータ3番のプレリュードに触手を動かす。
これはかなり無謀だと思ったのだが、とにかく半分ぐらいまで練習してレッスンに臨む。
やはり無謀だった。
だけど、例えば最初の12小節ぐらいを、セヴシックでもやるつもりで、誤魔化さずに真剣に練習するというような感じで少しずつ練習していけば、全部は弾けなくても2年後にはそこそこ弾けるようになるんじゃないかしら、みたいなことを仰る。だけど、ヴィオラ用にオクターブ下げてしまうと曲の意図がちゃんと表現できないから、もともとホ長調のところをシャープひとつ取ってイ長調に移調した方がいいとのこと。あらかじめネットでヴィオラ用の楽譜を探していたら、確かにハ音譜でイ長調に移調した楽譜がアップされている。
それと、この曲よりもガボットの方が楽しいですよ、とのこと。プレリュードは「これから始まりますよ~」というだけの曲で、意味とかそういうものがないけれど、ガボットとかいわゆる舞曲は踊りのステップがイメージできるように作られているから、意図を汲み取りやすい、というようなことを仰る。
しかしこの曲については移調版がネット上で見つけられなかった。自分で入力してアレンジするしかない。これは結構大変な作業に違いない。むむむ。いっそヴァイオリンに持ち替えようか。
結局、2年後にあるだろうスタジオの発表会のことは棚上げにして、当面、無伴奏は諦めて、以前にスタジオの発表会で弾いてあまり思うように弾けなかったヘンデルのソナタ4番を見てもらおうとしている。
伴奏があるので、下手に移調するわけにはいかない。さいわいオクターブ下げればヴィオラの音域でほぼ弾ける。たぶんヴァイオリンで弾くとハイポジション炸裂なんだろうけど、オクターブ下げることで3ポジぐらいまでで弾けるはず。ヴァイオリンの教則本にも出てくるので、ヴァイオリンをやっている人は「難しい曲」のイメージがあるはず。しめしめ。
さて、次のレッスンはどうなることか。