2021年2月28日日曜日

階段は昇りより降りが危ない

  いまさらだが、真剣に音階練習をしなければいけない、切羽詰まった必要を感じている。

 『ヴィオラ名曲31選』を順番にレッスンで見ていただいている中で、ヘ長調で3ポジがたくさん出てくる曲を見てもらっているのだが、C線だとかD線だとかの3ポジの音程がとにかくよくない。というかC線まで指が届かない。それで、3ポジでヘ長調の音階練習をしっかりするように、とのことだった。3ポジだと、C線1指がファになるので、そこから始まってA線3指のファまでの2オクターヴを行ったり来たり、ただそれだけなのだが…。

 下から、ファーソラ♭シドレミファーソラ♭シドレミ というのは、何度かやっているうちにだんだんと音程が安定してきた。最初のファさえ取れれば大丈夫。まぁ確かにC線で3ポジを取るのはちょっと怪しい。それも何度かやっていれば、だいたいのポイントがわかってくるのだが、別の日に改めてやってみるとやっぱり怪しい。

 それ以上の怪しいのが下降音階。ファーミレド♭シラソファーミレド♭シラソファー って弾いているつもりなのだが、途中で移弦して4指を押さえるところがどうしてもそういうように聞こえない。しかも最後のファが半音以上ずれてしまう。4指のすぐ下に3指を潜らせるのもなんだが難しい。

 そんなことで、満足に音階も弾けずに迎えた今日のレッスン。「先生、まず音階を見てください」と自己申告。先生の前で

ほら、こんなに弾けません。

というところを見てもらった。ところが先生からは「大丈夫ですよ。どこかおかしいですか。」という意外な反応。これは「こんなレイトスターターにそんな細かいこと言っても仕方ない」ということなのか。まぁでも「どこかおかしいですか」と仰っているので、「上がる方はいけるんですけど、降りてくるときがうまくいかないんです。」というと、「そりゃそうですよ。なんでも降りてくる方が難しいです。階段だってそうでしょ。上る時はいいけれど降りるときは怖いじゃないですか。」とのこと。その時は「あっ、そうか」と納得して音階のレッスンはそれで終わってしまったけれど、帰ってからいくら考えても、なんだか腑に落ちない。確かに1指から順番に押さえていく上昇音階に比べて、いきなり4指を出さないといけない下降音階は難しいのだが、階段を降りるときの話とどんな関係があるのだろう❓

 謎が深まる。

2021年2月7日日曜日

ヴィオラ五重奏

 


 豊中に、ヴィオラ五重奏を聴きに行ってきた。
 豊中というのは大阪府の北部で、阪急宝塚線の沿線。駅とホールとその周辺しか知らないが、中規模でわりと小洒落た街のように思えた。その市民ホール(市立文化芸術センター)の小ホールで、日本センチュリー交響楽団のヴィオラ奏者による五重奏のコンサートがあった。
 楽しかった。
 ポスターの中央におられる須田祥子さんは、テレビでもお見掛けすることがある有名な方なのだが、この須田祥子さんのトーク炸裂(MCがあるんですよ)。ステージそのものは、普通のクラッシュコンサートと同じで、葉加瀬太郎みたいに照明ギラギラのものではないし、マイクを使わずに生の音を聴くものなのだが、J-POPの歌手が腰を折り両手を拡げて熱唱するように、ものすごい
熱奏
見ていて思わず席から身を乗り出してしまう。よく見れば指板のないところをフィンガリングして超高音をだしたり、あ、これ、2 Cellosのヴィオラ版じゃないの、なんてことを思わせる。

 ステージは、ブランディング協奏曲の割とまじめで控えめな演奏で始まったのだが、この段階で、観客の心鷲掴み。次はウィリアムテルのお馴染みの曲なのだが、もうここでクラシックコンサートのかしこまった雰囲気などどこにもない。思わず立ち上がりたくなるような演奏なのだ。モーツァルトの魔笛やチャイコフスキーのくるみ割り人形から、これもお馴染みの曲が演奏され、間に軽妙なトークが入る。
 後半はポップスの曲をアレンジしたもので、自分は良く知らないが、クイーンというロックバンドの曲だったりしたらしい。激しいボウイングから爆音ともいえる、もはやヴィオラの音とは思えないようなサウンドが、それもマイクを通さない生の音がホールに鳴り響く。まるでロックコンサートを聴きに来たような興奮がホールを包んでいく(本物のロックコンサートには免疫がないが)。

 アンコールは「津軽海峡冬景色」と「宇宙戦艦ヤマト」。これも、もしかすると葉加瀬太郎の「情熱大陸」と同じように、お決まりのパターンなのかもしれないが、とにかく楽しかったので、また機会があれば聴きに行きたい。

 演奏者は違うが、ネットで「ヴィオラ五重奏」と検索すれば、この動画が出てくる。たぶん同じアレンジだったと思う。