となり町に、アマチュアアンサンブルの演奏会を聴きに行ってきた。
うちの町もいちおうは県庁所在地なのだが、こっちは政令指定都市で府庁もある。府といってももともと都なので、政令指定都市を返上して都になることなんて考えてもいない。お寺や神社ばかりの印象もあるが、実は、佐渡裕や葉加瀬太郎など錚々たる音楽家たちが卒業した奇跡の市立高校もある。佐渡裕は高校卒業後この町の市立芸大に進学してそこを卒業するが、その芸大は私が師事してきたスタジオの歴代諸先生方の出身校だ。いまは市の外郭団体による運営になったが、かつては市直営だった楽団もある。金勘定だけで市営楽団を解散させるようなことを考える町とは違って、音楽に対する理解の厚い町だ。
演奏会があったのは、その町の音楽活動の拠点ともいうべきホール。大小ふたつのホールを備えたそこは、クラシック専用ホールなので、演歌歌手やバンドのライブはない。演劇や講演会もない。なのに週末はふたつともホールが使われていることも珍しくなく、1ヶ月に20以上の公演が催される。公演がない日は市内の公立学校の合唱大会などが開かれることもあり年中フル回転。箱モノだけではなく中身を伴った立派なホールだ。うちの町にもオペラが上演できる立派なホールがあるが、何も公演がない週末もあって有効活用されているとは言い難い。ちょっと見倣ってほしいものだ。
このアンサンブルの演奏会は何度か聴きに行っているのだが、とにかくレベルが高い。セミプロ級だ。たぶん、大学のオーケストラとかで経験のある人が母体になっているのだと思っていたが、あるいはそれも普通の大学ではないかもしれない(個人の想像です)。
演奏会の曲目はオール・モーツアルト。ぜったい外れない曲目で、ぜったい外れない演奏。こんな演奏会が外れるわけがない。いちばん良かったのは、アンコールで弾かれたディベルティメント。別のアンサンブルの演奏だが、動画があったので貼り付けておく。
アンコールなので第1楽章だけだったが、女性のメンバーはこの動画のようなドレスで演奏するステージもあった。普通の大学のオーケストラの演奏会でも、そんなドレスでステージに載るところがあるのだろうか。
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