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このブランデンブルク協奏曲3番は、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロがそれぞれ3パートに分かれている。通奏低音まで含めると10パートの堂々とした編成だが、そこはバロック。そんな大人数で演奏するものでもない。特にヴィオラなんて楽器は人口も少ないので、パートひとりでも弾ききらないといけないという覚悟で練習しないといけない感じだ。
バヨ先生曰く、ヴィオラって音域だとか大きさが中途半端で、ヴァイオリンみたいにひらひらさせて晴れしないし、チェロみたいに深い音も出ないし、でも、オケでは絶対に必要なパートだそうだ。昨年の秋に先生が交代してから初めて、前回のレッスンでヴィオラを見ていただいたところ、
ヴィオラ、向いているかも
と微妙に褒められた。
褒められて気を良くしたものの、素人にとってこれは結構な難曲。
これまで何度か合奏をしたヴィヴァルディの場合、ヴィオラのパートには16分音符がほとんどなくて、きっとこれはピエタ修道院の楽団の中で、一生懸命練習してもなかなか上手になれない子供が、行き場がなくて辛い思いをしないように、いまの学校で例えれば、勉強もスポーツも友達付き合いも苦手な子供が教室に居辛くなった時の居場所ともいわれる保健室のような場所としてヴィオラパートを書いたのではないか、と思えるような譜面だったのだが、バッハの場合はヴィオラであっても容赦がない。しかも、他のメンバーは既に半年ほど練習をしていて、テンポもかなり速い。果たして無事に合わせることは出来るのか・・・
それにしても、バッハの曲はすごい。
どうすごい、って上手く言えないが、何か精密機器のような気がする。自分のパートだけ練習していても気付かないのだが、合わせてみると、いろんなパートの音が、まるで歯車が噛み合うように絡み合っている。予期しないところで急にユニゾンになったり、わずかな休符の間に外のパートの特徴的なフレーズが聞えてきて次に自分が弾くフレーズを導き出していたり。全然弾けてはいないのだが、楽譜を渡されてその席に座らされるだけで、中世の時計台の中にいるような、産業革命の頃の工場の中にいるような、そんな興奮を感じる。
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