2014年12月16日火曜日

身体的制約

みなさん。
 左手の人差し指から小指までの4本の指の先をどこかに置いてください。右の図のようにです。別にキーボードでなくてもいいですよ。
 さ、そこから人差し指、中指、小指はそのままで、薬指だけを浮かせることは出来ますか。

 おそらく「出来る」という方も多いと思う。我が家では、私以外の家族全員が出来る。ところが私だけはできないのだ。十歳にならない子供なら、もしかすると何かの訓練で将来できるようになるかもしれないが、四十路のおじさんとしては身体的な制約に他ならない。四十の手習いとは、つまりこういう制約の中で如何にそれらしく弾くか。言い換えると、本当は届かない指をどうやって届かせるかとか、届かないなら届かないなりにどんな曲を弾くかとか、そういうことの集合体だ。

 さてさて、前回からクロイツェルが始まったのだが、先生の指示はとにかく細かい。ひとことでいえば
次の音を用意する
ということなのだが、これがたいへん。例えば・・・・

同じ弦で3→4→2と弾くとき、3を押さえるときに2も押さえる。

これは、2と3の間が狭くて指が入らないとか、そういう問題はありつつも、ま、なんとかクリアできる。けれど、そのあと・・・

4を押さえたら3を離す。

つまり、これが出来ないわけだ。
1→2→0と弾くときに、2を押さえたら1を離す、とか
2→3→1と弾くときに、3を押さえたら2を離す、とかならできる。ところが、
3→4→2と弾くときに、4を押さえたら3を離す、ということが出来ない。
出来ないのは仕方がないので、とりあえずは出来ることから意識的に取組むしかない。

他に出来そうでできないのは、移弦の前に次の音を用意するということ。
例えば、A線3指でソを弾いている間に、E線1指のファを用意するということだ。
指の形からいうと難しくないのだが、左手でE線を押さえようとすると、右手が自然とE線を弾きだす。長年のうちに着いた習慣というのは恐ろしい。

さらに、E線1指のファを弾いている間に、A線3指でソを押さえる、となるとアーチが加わる。
これも出来なくはないのだが、やはり右手が言うことを聞いてくれない。

それと、小指を使わないときに、どうしても小指がクルッと曲がって弦から遠ざかっているとか、小指で押さえるときに第2関節が伸びているとか、改善するべきところは一杯あるのだが、
当面は、身体的制約で出来ないものはあとまわし
できるところからやっていく
ということで、毎日コツコツ練習に励んでいる。

でも、ときどきこの練習ばかりでは堪えられずに、無性にドッペルが弾きたくなったりとか、以前に弾いた曲を思い出したりとか、そういうのがあって、一向に練習は捗らないのだが・・・

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