年末・年始もブログの更新ができず、また空白月を作ってしまったが、練習は続けている。いちおうね。平日はあまり時間が取れず、睡眠不足がちで、休日はその睡眠を補いつつ、ヴィオラ以外にもなんだかんだと用事があって、なかなか練習時間が取れないのは事実。もう、こんな会社、早く定年退職したいよ~。
とはいうものの、レッスンは月2回のペースで受けている。いつも直前に慌てて練習をして何とか前回のレッスンで指摘されたことを改善しようと踏ん張っているのだけれど、それ以外にも、やはり先生の話を聞いたり、演奏してもらったりすることは、本当にためになる。
次の発表会で弾くテレマンのヴィオラ・コンチェルト。
何か感情を移入するというようなところのない曲だけれど、先生のお手本演奏を聴くと、なんというか、単純に「楽しく」というのではなくて、なんとなく励まされているような、何かそんなイメージが湧いてくる。いままでこの曲から感じたこともないイメージ。そうだ。ハイジが連れていかれたフランクフルトのクララのおうちで、ハイジがその小さな心で思い悩みながらも一生懸命に自分の役割を果たそうとしているのをみたおばあさまが、セバスチャンを呼んで、
おや、このピアノも埃だらけね。でも音は出そうだわ。なんだか久しぶりに弾くのはワクワクしてくる。セバスチャン、あの曲をハイジに聞かせてやっておくれ。
といって徐に鍵盤をたたき、それに合わせてセバスチャンがヴィオラを弾きだす。最初のフレーズは、ヴィオラなんて見たこともないハイジに、こんな音がするんだよ、と弾いて聴かせるように弾く。次はちょっと楽しげに。だんだんとフレーズに変化が出てきて、それに引き込まれるように聴き入っているハイジ。
私も弾いてみたい。クララに聴かせてあげたい。
そんなことをいってロッテンマイヤーさんに叱られるハイジ。「また聴きたくなったらいつでも弾きますよ」とセバスチャン。「そうだ、お嬢様に聴いてもらうのだったら、もっと練習しとかないといけませんね」。セバスチャンだったら、どんなふうにこの曲を弾くだろう。どんなふうにハイジに聴かせるだろう。そんなことを考えながら弾くのは楽しい。
きっと自分自身が毎日仕事に追われ、フランクフルトのハイジみたいにけっこう追い詰められていて、誰かにそんなふうに励ましてほしいと思っていたのかも知れない。それで今度は自分がセバスチャンになって、どうやってハイジを励まそうかと考えている。こんな気持ちで演奏できるのはきっといまだけだと思う。
ヴィオラをやっていてよかった。
きっとこれで仕事もなんとかやっていけるようなきがする。